怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
やつの話
お気に入り
2179
47
0
1
長編5分
コピー
「やつの話」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
高校卒業後、 意気揚々とアレな専門学校に入学して しばらくたった時にふと、 「やつ」が話してくれた話。 放課後、 「やつ」と何人かであつまって くだらない話に花を咲かせていたときのこと。 ふと話が 「修学旅行どこいった?」 って話になってさ。 「俺ら沖縄」 「俺も俺も」 「メシ今一だったよなぁ」 「うん」 「俺なんて台風のせいでダイビングできなかったしな」 みんな共通の話が無かったから すげーもりあがってね。 気がついたらちょうど日が暮れ始めて 教室が夕日で真っ赤になるような時間。 誰かが言い始めたんだ。 「沖縄っていうとさぁ・・・」 怪しいとは思ったが案の定、 そいつの話は「怪談」のたぐいだった。 なんか話したそうにうずうずしてたヤツだったから。 妙に雰囲気作った口調で話し始めたんだよ。 怖がらせる気まんまんなの丸わかり。 今考えればこいつが地雷をふんだんだって思う。 「ヒメ○リの塔の資料館?だっけ。 アレおまえらいった?」 「いってねーわ」 「あそこに飾ってある写真、心霊写真だったぜ!」 「マジかよ!」 「木とかに顔超写ってたし!」 「だよな!指で指されまくって指紋超ついてたしな!」 「マジこえー!」 そこで「そいつ」がぽつりと。 別格怖い話をするでもない調子で。 「そーいう話なら俺もあるなぁ」 って言って語り始めたんだ。 「俺らが修学旅行行ったときにさ、 沖縄の防空壕っていうのか?あの洞窟の。 あそこに行ったヤツの中で 何人か調子悪くなって先にホテルに帰らされてたんだよ」 「おまえにもなんかあったの?」 「いや、紫芋アイス喰ってドクペ飲んでたわ」 「おまwww」 「まぁそんでな、 俺らもひとしきり回って夕方にホテルもどって、 普通にメシ喰って普通に風呂はいって。 そんで忘れた頃に思い出したんだよね。 先帰った奴らのこと」 気がついたら みんなそいつの話に聞き入ってた。 放置されたネトゲのBGMが、 やたらうざったく聞こえたのも覚えてる。 「みんなと話してる内に ちょっとあいつらの顔見に行ってやろうぜって」 「見舞いにか」 「名目上。ただ単に今日の内容を自慢してやろうと思った」 「ひでえwwww」 「そいつの部屋に行っても誰もいないからさ。 ちょっと探して歩いてたんだよ。 あらかた探し歩いたんだけどどこにもいなくてさ。 先生たちがいる部屋のまえ通ったんだわ」 誰かがペプシツイストのカンに手を伸ばして、 引っ込めた。 今思えば可笑しいよなぁ。 怖い話なんかしてないのに。 でもなんか飲んだり喰ったりできるような。 そんな雰囲気じゃなかった。 「そしたらさ、 先帰ったやつらの一人が泣き叫んでるのが聞こえてさ。 なんか『いるんです!部屋の中にあいつがいるんです!』 とか叫んでるんだわ」 「よくある展開だな」 「まぁ聞けよ。そいつの恐がり方が尋常じゃなくてな。 高校3年の男子が鼻水垂らしてアホみたいに泣きじゃくってる。 俺はその光景がなんか、壊れてる?みたいに感じた。 馴染みのないことだからだと思うけど」 「まぁそいつが言うにはさ、 「幽霊が部屋の中にいて俺をみてる」らしいんだわ」 「こええな・・・」 「そんで泣きじゃくるそいつと、 困り切った先生を連れてさ、 そいつの部屋行こうってなったんだ」 「なんで!?」 「外道過ぎる」 「いや、『あいつら』なんていないって証明するために」 「怖くなかったのか?」 「いや、特に。 まぁそいつと先生何人かと俺らでそいつの部屋に行ったんだよ」 「寒気とかやなかんじとかしなかったか?」 「俺は霊感とか無いって。 まぁ最初はみんなビビってたけどさ、 先生がドアあけて何にもなかったからほっとしてさ。 そいつも落ち着いたみたいで。 まだひっくひっくいってるけど。 まぁ幽霊なんて夢か何かだったんだろ。 って話になってみんなで笑ってたんだわ」 気がついたら部屋の照明は 人工の明かりだけになっていた。 外はもう暗く、 夕日の代わりにネオン光とかが差し込んできてた。 「でもさ、ふっと誰かがカメラもっててさ。デジカメ。 『うつったらやばくね?』とか言いながらそれで写真とったんだわ」 「そしたらさ。」 「うん。」 「『あいつ』じゃなくて『あいつら』だった。」 「へ?」 「画面中がほとんど。 手とか顔が写ってない面積のが少ないくらいだった。」 みんなシーンとなって、 リアクションさえ忘れてビビってた。 背筋がほんとにぞわぞわーって寒気が走るんだよね、 あーいう時って。 「なんともなかったのかおまえら?」 「その泣いてたヤツどうなったの?」 「うん。みんな超ビビってた。 そいつ泣きながら朝まで先生の部屋にいたらしい」 「そいつはどうなったの?」 「しらねえ。そんなに仲いいわけでもなかったし」 「修学旅行中止になった?」 「次の日から普通に最後まで楽しんだよ」 「おまえwwwww」 その一言でみんなが爆笑。 空気がぱっといつものに戻った気がした。 でも 「結局写真に写った『あいつら』はどこに行ったんだろうな。」 「やつ」はぽつっとそんなことをつぶやいていたのが、 やたらと記憶に焼き付いてる。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった47
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
お隣さんの騒音がすごい どこかの誰かの体験談マンガ
日本生まれのインド人、メタ・バラッツのスパイスカレーユニバース (インターネットオブスパイス)
転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。 二度目の人生はハーレムルート!? 1 (アース・スターコミックス)
パラドックスループ-うまくいかない私たち-
まいみ!
嘘つきな彼氏(推し)を懲らしめた話 1 ますまゆまんが!集
名無し
「そいつはどうなったの?」 「しらねえ。そんなに仲いいわけでもなかったし」 このセリフがリアルでいいね。
前の話:【洒落怖】鼻、口が見える頃には震えていた
次の話:【洒落怖】祖母の古い日記
怖い話 No.65
【洒落怖】知り合いとは違う何か・・・
1658
51
短編2分
怖い話 No.679
【洒落怖】後部座席の女の子
1835
53
怖い話 No.7331
【洒落怖】追いつけない
896
33
怖い話 No.8185
【洒落怖】東京都内の島
1863
37
2
中編3分
怖い話 No.8122
【洒落怖】神様の祠
1688
29
怖い話 No.9957
【洒落怖】聞こえるはずのない声
1261
34
長編8分
怖い話 No.22410
【洒落怖】板の文字
1090
10
長編6分
怖い話 No.1551
【洒落怖】家鳴り
1574
27
怖い話 No.21150
【洒落怖】忘れられない風景
836
23
怖い話 No.1280
【洒落怖】親友の命日
1995
35
短編1分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫