怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
幻覚と幻聴
お気に入り
1726
56
2
0
中編4分
コピー
「幻覚と幻聴」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
私の母は数年前から老人介護の仕事をしているんだが、この前、痴呆老人の見る幻覚について話を聞かせてもらった。話を聞いていて分かったんだが、どうやら彼らの見る幻覚は、あまり良いものではないらしい。ある患者は「そこに子供が死んでいる」と、何も落ちていない床を指差したり、また別の患者は「隣のベットの上に血だらけの人が沢山いる」と、誰も寝ていない空のベットを見て、おびえたりしているらしい。素人考えに過ぎないのだが、痴呆老人の見ている幻覚は、若い頃に見たり聞いたりした嫌な光景で、どうにか思い出さないようにしていたものが、見えている確立が高いんじゃないか…と思う。 数年前に97歳で大往生した私の曾祖母も、亡くなる十数年前から痴呆を患っていた。そんな曾祖母に見えていたのは、親子三人の幻覚だった。曾祖母が語ったところによれば、家族構成はお母さん、お父さん、五歳くらいの坊主頭の男の子が一人。男の子は民謡の黒田節が好きで、(酒は飲め飲め飲むならば~ってヤツだな)よく曾祖母に歌ってくれとせがむらしい。半ズボンを穿いていて、額に怪我をしていて血が出ている。お母さんは口やかましい割りに、子供の世話を殆どしない。お父さんは背が高く、子供をとても大事にしている。…そうだ。親子はお昼には姿を現さずに、曾祖母が寝る時間帯にやってくると言っていた。(だから、夜中に曾祖母の話し声が聞こえて不気味だった…)そんな曾祖母がボケにボケまくり、幻覚・幻聴が酷くなったのは私が中三の頃だった。その日は丁度夏休みで、私は受験勉強のために深夜まで起きていた。ラジオをBGMにして、学校から渡されたドリルに取り掛かっていた。時折、窓の外を深夜だというのに、何台かの車が通り過ぎる音が聞こえる。外の無音がだいぶ続いていた時、コンコン。いきなり窓の高いところを外から叩かれた。えっ!?何!?時計を見ると、午前一時を過ぎている。コンコン。また叩かれた。怖い。誰かの悪戯かもしれないし、強盗かもしれない。この部屋から出た方が良いのか…。だけど、その隙に部屋に侵入されたら…?コンコンコンコンコンコンコンコン…コンコンコンコンコン。ドンドン ドンドン ドンドン ドンドン…・。ゲンコツで叩く音と、平手で叩く音。怖いし、気持ち悪い。その時、私はふと気が付いた。叩かれた窓の外には池があって、窓と池の間には狭い通路。その周りには沢山の木が植えられている。もし、この窓を叩こうと思ってそばに来るのならば、人が木の周りを歩く音や、落ち葉の落ちた地面を踏みしめる音がするし、池と窓の間にある歩幅の狭い通路を歩くのは、暗い中で大変難しいだろうし、誤って池に落ちて、大きな音を立ててしまうのがオチである。結局、その音は一時間くらい続いた後にぴたりと止まった。翌朝、曾祖母が私を見つけるなり、真っ赤な顔をして怒ってきた。別に怒られるような事はした覚えは無いのだが…。「何で開けてやらなかったんだ!雨に濡れて風邪引いてしまう!」何のことだろう。昨日は晴れていたぞ。「子供泣いてた!何で開けてやらなかった!」…子供?「こっち(曾祖母)の部屋の窓開かないから、『そっち(私)の方に言って、開けてもらえ』って、そっちに行って貰ったのに、何で開けてやらなかったんだ!」曾祖母の部屋のドアを開けて、窓の方を見た。小さな手の跡や、大きな手の跡が無数に付いている。急いで私の部屋に行って、カーテンを閉めたままの窓を開けた。やっぱりこっちの窓にも、大小の手の跡が無数についていた。雨に濡れたように水滴が窓についている。なあ、バアさん…。私、アンタに見えてたのは、痴呆による幻覚と幻聴だって思ってたんだけどさ、どうやら本当にみえてたらしいな。と、いう事はだ。もし、カーテンを開けていたら、私もバアさんの見えていた親子三人を見ることになったのだろうか…。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
2人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった56
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
変な家: 1 (HOWLコミックス)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集
前の話:【じわ怖】検体回収
次の話:【じわ怖】おお、Yか
怖い話 No.19145
【じわ怖】家に火をつける
1408
27
長編7分
怖い話 No.5224
【じわ怖】偽扇岩
1147
49
短編2分
怖い話 No.4729
【じわ怖】アヒルか鴨のような鳥が ヒョコヒョコ歩いてる
1018
23
怖い話 No.5266
【じわ怖】音楽室でピアノの練習をしていた
1729
26
短編1分
怖い話 No.19030
【じわ怖】なんまいしゃん
978
32
怖い話 No.5499
【じわ怖】ユースケ君
1109
40
中編3分
怖い話 No.5430
【じわ怖】進路相談
867
47
怖い話 No.13278
【じわ怖】炭焼きをしていた庵
1222
37
怖い話 No.13282
【じわ怖】石が音を立てて震える
1429
29
1
怖い話 No.15476
【じわ怖】死体に遭遇する友人
1292
42
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
壁から200本の手が出てくる
山を登ろうとする夢
蝗の大群
取り囲まれた家
時空のお姉さん
遠泳実習
私の娘
知らない方が良いこともある