怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
岩場登り
お気に入り
1287
58
0
短編2分
コピー
「岩場登り」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
ひんやりと湿った岩が掌に貼り付く。 まずは右手、右足。 右手中指が数ミリの突起をとらえ、指先を曲げた。 靴にくるまれた爪先が岩のくぼみを感じ、 しっかり体重を乗せると、 続いて左半身が岩を求め、動き始める。 土、枯葉、緑の匂いが混じりあい、肺を満たす。 目の前、全身を預ける岩からは、強く苔が匂っている。 気温が上がる前の、 沢筋にある岩場特有の空気がたまらなく好きだ。 登ったからといって、 達成感を強く感じるような岩を登る機会は少ない。 岩に貼り付いている「感じ」が俺にとって大きな魅力だ。 黒く湿った岩の割れ目から冷たい空気が漏れ出している。 顔を寄せると、そこだけ渇いた空気が流れ出していた。 そこに目が現れた。 人の目だ。 もろに視線がかち合った。 相手は岩の割れ目の向こう側。 大きく見開かれた誰かの目。 おそらく、俺の目も同じように見開かれ、 相手はそれを見ているだろう。 声を出したのは向こうだった。 「何これ…」 「これって何だよ」 俺は声も出ない。 下を見ると、 まだ2メートルも登っていない。 再び視線を割れ目に戻すと、 そこにはまだ目が据えられたままだ。 だが、相手は小さく叫ぶと、落ちた。 向こう側から、 指や靴などが岩にこすれ、滑る音が聞こえた。 俺は飛び降りた。 傍目には、 落ちたようにしか見えないだろう。 仲間が俺を笑っている。 そりゃそうだ。 落ちるような岩ではない。 岩の割れ目から流れ出ていた空気を、思った。 渇いたあの空気は、 沢の空気ではなかった。 もっと、地面から高く離れた場所の空気だった。 向こう側の彼は、 どれくらい落ちたのだろう。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった58
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
実際にあった怖い話 2024年11月号
フォロワーさんの本当にあった怖い話
怖い話でメシを食う。最恐の2人が語る奇妙な日常
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
ほんとにあった怖い話読者体験シリーズ 12日間の悪夢
前の話:【ほん怖】何でもいいから食べ物は一口残せ
次の話:【ほん怖】背中に当たるモノ
怖い話 No.20498
【ほん怖】鬼のような顔
1324
60
短編1分
怖い話 No.11578
【ほん怖】足の裏
952
27
1
怖い話 No.3179
【ほん怖】母親がキャディをやっていた
1578
47
怖い話 No.15011
【ほん怖】廃線の駅
1265
48
怖い話 No.14988
【ほん怖】トレイルランニング
780
怖い話 No.11373
【ほん怖】神様って本当にいるぞ
1540
41
怖い話 No.3117
【ほん怖】犬のお産
998
29
怖い話 No.21620
【ほん怖】友人だった男との再会
1180
16
長編6分
怖い話 No.3476
【ほん怖】元彼からのメール
1368
36
怖い話 No.21687
【ほん怖】つるのブランコ
1326
11
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着ほん怖
でっかいカエル
古びたフランス人形
信号待ち
家への電話
ヘアピンが落ちてる
友達の家に電話
笑い声
缶けり
義理の姉
サンタとトナカイ
極限状態の意識
白黒おじいさん
新着コメント
青梅市の御岳山
凶刃
近づいてはいけない淵
ベニテングダケ
忍者ごっこ禁止令
異物混入
金子くん
熊に怯えていた