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半分の家
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1990
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短編2分
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じいちゃんから聞いた話。 従軍中、幾つか怪談を聞いたそうだ。その中のひとつ。真偽は不明。 大陸でのこと。 ある部隊が野営?することになった。 宿営地から少し行ったところに、古い小さな家が周辺の集落からはずれてぽつんと建っている。 廃屋らしい。 使えるようなら接収するかということで、数人が調べに行った。 家の中には什器や家具が一部残っていた。 だが、なぜかその全てが真っ二つに割れ、半分しかなかったそうだ。 テーブル?、椅子、水瓶、かまど、戸棚、何もかもが半分。 おかしなことに、それらも家同様かなり古いもののように見えるのに、 幾つかの品物の切断面は妙に真新しかったらしい。 調べに来た者たちがその異様な雰囲気に呑まれていると、一人が家の裏手から鶏の死骸を見つけてきた。 白骨化したそれも半分だった。 戻った彼らはそのことを報告し、結局その家は使わないことになった。 夜、警戒のため何人かが宿営地の周辺を巡回した。 翌朝になって、最後に巡回に出た一人が戻っていないことがわかった。 他の者の中に、夜中にあの家に明かりがついていたと話す者がいて、すぐに捜索を行うことになった。 民間ゲリラかもしれないからだ。 時機を見て突入したが、家には誰もおらず、また火を使った形跡もなかった。 行方不明になった一人は、昨日鶏が見つかった家の裏手で死んでいた。 争った様子はなく、着衣や装備にも乱れはなかったが、部隊に戻されることなくその場で埋葬された。 遺体はひどく小さかったという。 その後まもなく、部隊は転進命令を受けてそこを離れた。 後になって、その辺りではあの家が『半分の家』と呼ばれて忌まれ、 昼間でも近づく者はいないという話を聞いたそうだ。 かなり前に聞いた話なんで記憶が曖昧。 ていうか、リア消寝かす前にこんな話すんなよ、じいちゃん。
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