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不良グループのリーダー
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1997
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短編2分
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俺が中学までいた田舎には、 漫画の中でしか出てこないような不良が未だに生息しててね。 ボンタン、短ラン、エナメルベルト、ツッパリ上等リーゼント、 超薄い学生カバンと、身を固めるアイテムも1世代前。 しかしなんというか、どこか憎めない連中だったんだ。 地域密着型というか、地元の人も、 「おうガキども、タコヤキ作りすぎたから食っていけ!」 「おう、ゴチになるぜオッサン!」 みたいな感じで交流してるというか、 ちゃんとスジの通ってる連中だったんだよ。 (だから高校になって田舎を離れ、町にいる不良連中を見たときに、 『なんて野蛮なんだ』って思ったぐらいだし) ある日、そんな不良グループが、 通学路の小道(近道の1つ)に集まって通せんぼしている。 ウンコ座りしてる連中が、 その道を通ろうとしている下級生とかに ガンを飛ばして遠回りさせていた。 その中にクラスメイトがいたんで、 「え、この先でケンカでもしてるの?」 と尋ねると、首を横に振られた。 「Aさん(上級生で、不良グループのリーダーやってる人)が、 ここ誰も通すなって。あぶねーからって」 「なんかAさんがB爺さん(ウチの中学で教頭もしている住職)呼んでるってよ」 そう言うクラスメイトや不良たちは、少しビビってる感じ。 確かにこの小道では、ここ最近小さな事故が頻発していた。 子供が側溝に落ちて頭を怪我したり。 そうこうしてると、B爺さんを連れたAさんがやって来た。 リーゼントの不良と坊さん姿の年寄りの組合せは、なんとも奇妙だった。 その2人だけで小道に入ると、B爺さんの 「成る程なぁ」 という声が聞こえ、続けて読経が始まった。 かなりの時間が過ぎて2人が小道から出てくると、 Aさんが「もういいぞ」と不良グループを解散させる。 B爺さんもAさんに、 「わざわざスマンかったな」 と声をかけて帰っていった。 それから不思議とその小道で事故は起きなくなったが、 B爺さんがマメに足を運んで読経し、お供え物を上げていた。 10年たって、そのときのクラスメイトに話を聞いたんだけど、 Aさん高校受験に失敗してB爺さんの寺で世話になったあと、 県外にある同門の寺へ修行しにいったらしい。 クラスメイトは 「あのAさんがなぁ」 と言ってたが、俺はなんとなくピッタリだと思った。
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