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  心霊探偵八雲１　完全版　赤い瞳は知っている 心霊探偵八雲　完全版 (講談社文庫)

• 私は逃げてきた。
  私はある組織に捕まっていて、やつらは私を監禁してたの。
  やつらは私に何かを仕掛けたらしくて、
  『逃げても無駄だ。スイッチ一つでお前を殺せるのだからな』
  だなんて言ってきた。
  もう逃げ出してから三時間も経つのに一向に死なない。
  私の思った通り嘘だったんだわ。
  だって、その\"スイッチ\"をひけらかしたりして脅したことはただの一度もなかったんだから。
  本当はそんなスイッチないんだと思ってた。
  私は間違ってなかった。
  それにしてもいくら私の健脚でも徒歩だけじゃ移動に限界がある。
  なかなか閑散とした道路だけれど、たまに車が通るから、ここは一つヒッチハイクでもして車で移動しよう。
  何にもないような場所だから私が手を振ればすぐに気付いてくれるだろう。
  と、そこへ一台の黒塗りの車がこちらへ向かってきた。
  私はすかさず手を振り、車に気付いてもらおうとした。
  するとその車は少し速度を緩めてこちらにだんだん近づいてきた。
  （あぁ、乗せてくれるんだ…!）
  と思った矢先、助手席に乗っていた男が私の振っていた手にハイタッチした。
  そしてそのまま車は走り去って行ってしまった。
  なんなのよまったくもう!!
  私は次第に苦しくなり、絶命した。

  ハイタッチの解説
  
  
  手に発振器付きのスイッチが埋め込まれており、
  ハイタッチでスイッチが入ってしまった。
  そのため、語り手は絶命した。
  これだと普通に生活もできなそうである。
  ちょっとぶつけただけで起動しそうだから。
  （おそらく強めの衝撃がないと起動しないだろうが）
  でも、逃げられたら追いかけなければいけないのは
  正直面倒な仕様だなぁ…。

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