怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
変わった古着屋
お気に入り
1046
21
0
中編4分
コピー
「変わった古着屋」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
前に叔父から聞いた話を紹介したいと思います。 おそらく二、三十年前、 叔父が様々な地方を巡って仕事をしていたころ、 ある地方都市で一週間、 ビジネスホテルで生活しながら働くことになった。 叔父はそのホテルの近くに、 変わった古着屋が建っているのを見つけた。 そこは一階が古着屋、 中の階段を上がった二階がレコード屋になっている店で、 二階に中年のおじさん、一階に若い店員がいたという。 店の雰囲気から、 中年のおじさんの方が二つの店の店主らしい。 どちらも古びた洋風の内装とやや暗い照明で、 扱っている品とはギャップのある、 レトロというよりアンティーク調の不思議な雰囲気を出していたという。 そこの店では、 叔父の好きな六、七十年代の洋楽がいつも流れていた。 有線か、 店主が趣味で編集したテープを流しているのだろうと叔父は思った。 叔父は古着に興味はなかったが、 レコードと店の雰囲気で通っていた。 叔父は仕事の最終日に、 レコードでも何枚か買っていこうと思い、 夜その店に行った。 店に入ると、 今日並べたばかりらしい古びた感じのジャケットが売られていた。 普段そんなものを着ないはずの叔父は、 何故か妙に惹かれてそれを眺めていた。 ちょうどその時、 聞き覚えのある音楽が流れてきた。 しかし、叔父はその曲の名前が頭に浮かんでこなかった。 (聞いてみると、 「ブッチャーのテーマが入ってたやつの南国リゾート風の曲」 と言っていたので、多分ピンク・フロイドの『サン・トロペ』) 叔父は少し悩んだ後、 上のレコード屋で確認しようと階段に目を向けた。 すると、 階段の横の壁に見たことのない穴が開いていた。 床から少し上の所を、 爪先で何度も蹴って開けたようなでこぼこした横長の穴だった。 叔父は一瞬戸惑ったが、 普段はそこに段ボール箱が置いてあるので 分からなかったことに気付いた。 しかし、 何故壁を直さずに段ボール箱を置くだけで済ますのか。 不思議に思いながら階段へ行こうとした時、 穴からノソッと何か出てきた。 叔父には最初、変な生き物に見えた。 よく見るとそれは、 手のようなものだった。 穴から手首の先だけ出して、 下に掛かった物を取ろうと指を動かしているように見える。 しかし大人の手より明らかに大きい。 手は何かの病気のように気味悪く黄ばんだ色で、 爪も土を素手で掘った後のように黒くぼろぼろだった。 どの指も太さも長さも同じぐらいで、 親指と小指の区別もつかない。 指の生え方が違うのか、 普通の手より完全な左右対称に見えるのが余計不気味だった。 また、 中指の付け根がちらつくので、 指輪をしているように見えた。 叔父はしばらくそれを見ていたが、 もっとよく見ようと近づくと、穴の中に消えた。 あまりに変なものだったので若い店員のほうを見たが、 怪訝な顔をされた。 ちょうどそこに、 何か用があったのか2階の店主が階段を降りてきた。 店主に今見たものを知らせようと、 声をかけて穴を指さした時、 穴から指が二本伸びてきて、 ぴくぴくと指先を曲げながら左右にゆっくり揺れていた。 こちらを窺うような、 虫の触覚の様な不気味な動きだったという。 しばらくその動きを続け、 自分のすぐ横にいる階段の途中の店主を向くと、 指はまた穴に戻った。 さすがに気味が悪くなった叔父は、 それ以上何も言わず入り口に向かった。 その直後、 「お前箱どうした!」 という大声に驚き振り向くと、店主が階段で穴を睨んだまま、 若い店員が慌てた様子で段ボールを穴の前に置きに行くのが見えた。 「あの手のことは、 店主しか知らないみたいだった。 普段は穴塞いでるから油断したんだな。 しかし、段ボール箱一つで穴塞げばどうにかなるものかなあ、 結構でかかったんだけどな。 でもあの手より、箱置いて済ませて、 客の俺に説明も弁解もしないあの店が一番怖かったな」 と叔父は笑って語っていました。 叔父は今でもその店があるのか気になるそうです。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった21
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
漫画売れ筋
ハリー・ポッタ: シリーズ全7巻: Harry Potter: The Complete Collection ハリー・ポッタ (Harry Potter)
魔術師クノンは見えている 5 (MFコミックス アライブシリーズ)
こういうのがいい 9 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
ニンジャスレイヤー(14) ~ネオサイタマ・イン・フレイム(ニ)~ (角川コミックス・エース)
ニンジャスレイヤー(10) ~ゲイシャ・カラテ・シンカンセン・アンド・ヘル(ニ)~ (角川コミックス・エース)
ニンジャスレイヤー(11) ~フィスト・フィルド・ウィズ・リグレット・アンド・オハギ~ (角川コミックス・エース)
前の話:【洒落怖】牛の森
次の話:【洒落怖】事故車のオコシ
怖い話 No.17284
【洒落怖】消えた会社の先輩
1349
35
2
短編2分
怖い話 No.1062
【洒落怖】忘れた時くらいに
1876
32
中編3分
怖い話 No.22413
【洒落怖】蔵にしまわれない宝
358
19
怖い話 No.22265
【洒落怖】奥の間
891
25
怖い話 No.1583
【洒落怖】ちりんちりん
1233
怖い話 No.10233
【洒落怖】北海道にある祖母の家
朗読 オカメ【2ch怖い話朗読】
3663
36
3
1
長編14分
怖い話 No.22230
【洒落怖】うごめく髪の毛
536
24
長編6分
怖い話 No.22501
【洒落怖】税務署の立ち入り調査
944
10
怖い話 No.17808
【洒落怖】ポプラの木と頭蓋骨
1307
怖い話 No.877
【洒落怖】火事現場のお婆さん
1067
42
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
サボテンが枯れる
生肉
送迎バス
コーチング
いきなり求婚してきた
貧困の国