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友人が山で行方知れずになった
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2023
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短編2分
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2年くらい前の話だけど、怖いというより奇妙な体験。その前年の正月明けに友人が山で行方知れずになって、慰霊という名目ではなかったが、夏に友達3人と道北の山に登った時の話。中腹の平原のように広がった場所でテントを張って、仲間と楽しく飲み食いしてそれぞれのテントに戻る。20時で疲れはあるものの眠気はないので、シュラフを被って座りながらパック酒をチビリチビリしていた。なんだか感傷に浸ってきて、行方不明の友人と飲むつもりで前にもう一つパック酒を置いて、「辛かったなあ、寂しかったろうな」と独り言のように語った後、いい感じになって横になった。 まだ眠くはないが、仰向けになって物思いにふけってた。突然、テントより少し離れた場所から、ジャラって重そうな鎖を引きずる音がした。ジャラジャラジャラと音がして少し止む、またジャラ、ジャラジャラとして、またピタッと止む。鎖を重そうに巻くような音。現実的な音というよりは、なにか妙にエコーがかかってるような不思議な響き。その時ふと、友人は地獄に落ちてしまったんじゃないかと思った。地獄で永遠と重い鎖を巻き取る作業をさせられてるようなイメージが頭に浮かんだ。なんだか悲しくて、仰向けのまま手を合わせて冥福を祈った。で、翌日、友人に昨晩の音について確認すると、暫くは同じように起きていたがそんな音は聞かなかった、と言われた。不思議な体験だった。
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