怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
大切な電話
お気に入り
1948
37
0
中編4分
コピー
「大切な電話」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
俺が大学2年の時の実話です。 その日のことは、十数年経った現在でもはっきりと覚えている。 その日、朝起きると、 『今日は絶対出かけちゃダメだ。大事な電話がかかってくるぞ』 と、何の根拠もないのに、なぜか強い確信が胸の内から沸きあがってきた。 なぜか分からない。 でも俺はその予感を信じて、大学の講義を自主休講し、 自分の部屋まで電話コードをのばし、 かかってくるあてのない電話をじっと待っていた。 お昼過ぎ、1本の電話がかかってきた。 それは高校の同級生の女のコだった。 なんでも、今は東京に住み込みで働きに出ているが、 数日休みがとれたので帰省していて、ちょっと電話してみた、とのことだ。 その子とはあまり話しをしたことがなかったのだが、 電話で話しているうちに高校の思い出がよみがえってきて、 なんだか楽しい気持ちになってきた。 そんな雰囲気だったので、 「せっかくだからこれから会おうよ」 と誘ってみたが、 『今日はダメなんだ、でもまた連絡するね』 という返事だった。 それからも、いろいろと高校の頃の出来事を言いあって、笑ったりした。 なんとなく話題もなくなって、 そろそろ電話を終わろうかという時、 彼女はこんなことを言った。 『ねえ、そういえば、B子ちゃんおぼえてる? あの子に電話したんだけど、なかなか繋がらなくて・・・』 B子というのは、俺と同じバレーボール部に入っていた同級生で、 俺とはまぁ仲が良かった女の子である。 『私、すぐに帰らなきゃいけないから、Aクン(←俺)に伝言頼めないかなぁ』 と言うのである。 別に断る理由もないので、すぐに「いいよ」と了承した。 『あのね、こう言ってもらえば分かると思うんだけど、 B子ちゃんといっしょに書いた手紙、もういらなくなっちゃったから、 捨てちゃっていいよって、それだけ』 「うん、わかった。伝えておくよ」 と、俺は電話を切った。 はて、電話ならいつでもできるのに、 どうして伝言頼むのだろう?と、ふと思ったが、 B子ともたまには連絡を取りたかったし、 その口実が出来たので深くは考えなかった。 1週間ほどたった夜、俺はB子の家に電話をした。 B子はすぐに電話口に出た。 俺からの電話を少し驚いているようだった。 「こないだね、(仮にCちゃんとします)から電話があってね、伝言頼まれたよ」 『え?C・・ちゃん・・?』 「うん。ええと、いっしょに書いた手紙はもういらなくなったので、捨ててください、って」 俺は頼まれた通り伝言を伝えた。 ・・・どうしたんだろう? B子から返事がない・・? なんだか電話の向こうで、しゃくりあげる声がかすかに聞こえる。 ・・・泣いてる? 「どうしたの?」 俺は心配になり声をかけた。 『あのね、Aクン、ヒクッ、私がCちゃんと仲が良かったのは知ってるでしょ』 いつもつるんでいたのは知っていたので、俺は「うん」と答えた。 『Cちゃんといっしょに書いた手紙ってね、ラブレターなの。 ヒクッ、それね、Aクンへのラブレターだったの』 どういうことか飲みこめず、俺は何も言えなかった。 『あの頃私たち、Aクンが好きだったんだヨ。 ヒクッ、でね、いっしょにラブレター書いたの。 渡すつもりは最初からなかったから、将来結婚してください、とかね・・・書いてたの・・・ それをね、卒業するとき、Cちゃんが私に持っててって言うから、私が預かったの・・・』 俺は何だか良く分からないまま、 「え?今Cちゃんて何してるの?」 と、とっさに聞いた。 『・・・Cちゃん・・・Aクンしらなかったの? ヒクッ・・・Cちゃん高校卒業と同時に、 急性○○病(病名は伏せます)で入院してたんだよ』 B子はさらにこう続けた。 『先週、Cちゃん手術したの・・・でも・・・だめだったみたいで・・・』 そこからは、B子の泣き声で会話にはならなかった。 話はここまでです。 B子が言うには、あたしの電話は夜かければすぐに繋がるので、 きっとCちゃんはAクンと話しがしたくて、 B子の電話が繋がらないと嘘を言ったのだろうということだった。 俺はあのとき、Cちゃんと電話で楽しく話しができて、 本当に良かったと思っています。 不思議な体験は、冒頭の予感の部分だけですが。(すみません) 後日談として、B子とはこれが縁(?)で結婚しまして、 今年結婚10年目になります。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった37
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
僕が死ぬだけの百物語(1) (サンデーうぇぶりコミックス)
N 1 (電撃コミックスNEXT)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
前の話:【じわ怖】疎開先の神社
次の話:【じわ怖】ドラえもんの未来
怖い話 No.4365
【じわ怖】美容室の客
1476
39
短編1分
怖い話 No.5622
【じわ怖】夜中に犬を散歩させていた
1486
31
怖い話 No.13318
【じわ怖】山奥の駄菓子屋
1233
35
1
怖い話 No.5325
【じわ怖】店内でやたらと独り言を言う女
1521
33
怖い話 No.19197
【じわ怖】長袖の下に
1805
40
短編2分
怖い話 No.12782
【じわ怖】捨てられた女
1697
51
長編9分
怖い話 No.13412
【じわ怖】通学でいつも通る橋の上から
964
28
怖い話 No.5363
【じわ怖】お礼に来た
2107
34
怖い話 No.18938
【じわ怖】ジェリーとトム
1495
29
中編3分
怖い話 No.13787
【じわ怖】先輩と連日徹夜で作業してた
1386
23
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
友達の様子がおかしくなってきた
3人で横一列に並んで歩いていた
元恩師にストーカーされていた
家鳴り?
幽霊のいた家
公衆電話ボックス
子供がうるさい