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不審な状態の故人様
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ちょっと関係ないかもしれないので、スルーしてくれてもいい。 オカルトというか、人間って怖いなって思ったこと。 俺、湯灌(ゆかん)師してます。 湯灌についての詳しいことは適当に調べてくれ。 説明がめんどい。 簡単に言うと、故人様を処置して、 服を脱がせお通夜前にお風呂に入れてさしあげて綺麗にし、(←ここまでが湯灌) 死に化粧して、お着替えさしてあげて、 納棺後綺麗に飾り付けってのが一連の仕事内容なんだ。 これを二人で一時間でする。 数年前のことだが、ある時仕事が入った。 葬儀社から連絡が来て斎場に向かうんだが、 葬儀社から教えてもらえる情報で、 ・故人様は女性で30代前半。 ・事前情報で施設で無くなった。 ・死因は脳梗塞。 ・遺体の状態は、損傷なし。 ただ、腹水がたまってるようで、腹部が膨れている。腹水は出てない。 ・宗派は無し。 となってた。 ここで俺はちょっと嫌な感じがした。 腹部が膨れてるのに、腹水が出てない?? まぁそんなこともあるのかな? 症状も色々だしなぁと思い直し、斎場へ向かった。 現場に着いて、遺族に挨拶し、施行に入る。 斎場で湯灌するために、故人様の状態を調べてた。 (遺体に損傷がないか、傷や出血がないか、濡らしても大丈夫か。 確認は故人様を裸にしてからするんだ) たしかに腹部は膨れてる。 しかし、腹水って独特の匂いがあって、 一年もこの仕事してればすぐに分かるんだが、 その故人様から匂いがしなかった。 で、もう一人の人にも腹水確認をしてもらったが、その気配はないと言う。 少し不審に思ったけど、まぁ故人様も色々だしなと言い聞かせ、 背中を見るために半身起しすると、背中に無数の痣やみみず腫れの跡。 すぐに施行を中断し(着ていた浴衣を着せて、ドライアイスは当てました)、 まずは葬儀社の担当へ報告。 担当は遺族と話をするので、俺らはしばし待機。 10分ほどして、担当から 「この湯灌は中止にしますので、今日はお引き取りください」 と言われ、俺らは帰社した。 後日、担当に話を聞くと、 ・故人様がいた施設は障害者用の施設で、そこで虐待をされてたらしい。 ・腹部が膨れてたのは、腹水ではなく妊娠7ヶ月。 ・自殺の場合は検視とか入るが、病死の時は結構適当。 など、色々聞かせて貰った。 不審な状態の故人様は結構見てきたけど、 ここまであからさまなのは初めてだった。 警察沙汰になったのもね。
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