怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
大切な電話
お気に入り
1119
20
0
中編4分
コピー
「大切な電話」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
俺が大学2年の時の実話です。 その日のことは、 十数年経った現在でもはっきりと覚えている。 その日、朝起きると、 『今日は絶対出かけちゃダメだ。 大事な電話がかかってくるぞ』 と、何の根拠もないのに、 なぜか強い確信が胸の内から沸きあがってきた。 なぜか分からない。 でも俺はその予感を信じて、 大学の講義を自主休講し、 自分の部屋まで電話コードをのばし、 かかってくるあてのない電話をじっと待っていた。 お昼過ぎ、1本の電話がかかってきた。 それは高校の同級生の女のコだった。 なんでも、今は東京に住み込みで働きに出ているが、 数日休みがとれたので帰省していて、 ちょっと電話してみた、とのことだ。 その子とはあまり話しをしたことがなかったのだが、 電話で話しているうちに高校の思い出がよみがえってきて、 なんだか楽しい気持ちになってきた。 そんな雰囲気だったので、 「せっかくだからこれから会おうよ」 と誘ってみたが、 『今日はダメなんだ、でもまた連絡するね』 という返事だった。 それからも、 いろいろと高校の頃の出来事を言いあって、笑ったりした。 なんとなく話題もなくなって、 そろそろ電話を終わろうかという時、 彼女はこんなことを言った。 『ねえ、そういえば、B子ちゃんおぼえてる? あの子に電話したんだけど、なかなか繋がらなくて…』 B子というのは、 俺と同じバレーボール部に入っていた同級生で、 俺とはまぁ仲が良かった女の子である。 『私、すぐに帰らなきゃいけないから、 Aクン(←俺)に伝言頼めないかなぁ』 と言うのである。 別に断る理由もないので、 すぐに「いいよ」と了承した。 『あのね、こう言ってもらえば分かると思うんだけど、 B子ちゃんといっしょに書いた手紙、 もういらなくなっちゃったから、 捨てちゃっていいよって、それだけ』 「うん、わかった。伝えておくよ」 と、俺は電話を切った。 はて、電話ならいつでもできるのに、 どうして伝言頼むのだろう?と、ふと思ったが、 B子ともたまには連絡を取りたかったし、 その口実が出来たので深くは考えなかった。 1週間ほどたった夜、 俺はB子の家に電話をした。 B子はすぐに電話口に出た。 俺からの電話を少し驚いているようだった。 「こないだね、(仮にCちゃんとします)から電話があってね、 伝言頼まれたよ」 『え?C…ちゃん…?』 「うん。ええと、 いっしょに書いた手紙はもういらなくなったので、 捨ててください、って」 俺は頼まれた通り伝言を伝えた。 …どうしたんだろう? B子から返事がない…? なんだか電話の向こうで、 しゃくりあげる声がかすかに聞こえる。 …泣いてる? 「どうしたの?」 俺は心配になり声をかけた。 『あのね、Aクン、ヒクッ、 私がCちゃんと仲が良かったのは知ってるでしょ』 いつもつるんでいたのは知っていたので、 俺は「うん」と答えた。 『Cちゃんといっしょに書いた手紙ってね、ラブレターなの。 ヒクッ、それね、Aクンへのラブレターだったの』 どういうことか飲みこめず、 俺は何も言えなかった。 『あの頃私たち、Aクンが好きだったんだヨ。 ヒクッ、でね、いっしょにラブレター書いたの。 渡すつもりは最初からなかったから、 将来結婚してください、とかね…書いてたの… それをね、卒業するとき、 Cちゃんが私に持っててって言うから、私が預かったの…』 俺は何だか良く分からないまま、 「え?今Cちゃんて何してるの?」 と、とっさに聞いた。 『…Cちゃん…Aクンしらなかったの? ヒクッ…Cちゃん高校卒業と同時に、 急性○○病(病名は伏せます)で入院してたんだよ』 B子はさらにこう続けた。 『先週、Cちゃん手術したの…でも…だめだったみたいで…』 そこからは、 B子の泣き声で会話にはならなかった。 話はここまでです。 B子が言うには、 あたしの電話は夜かければすぐに繋がるので、 きっとCちゃんはAクンと話しがしたくて、 B子の電話が繋がらないと嘘を言ったのだろうということだった。 俺はあのとき、 Cちゃんと電話で楽しく話しができて、 本当に良かったと思っています。 不思議な体験は、 冒頭の予感の部分だけですが。 (すみません) 後日談として、 B子とはこれが縁(?)で結婚しまして、 今年結婚10年目になります。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった20
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
漫画売れ筋
メイドインアビス(13) (バンブーコミックス)
メイドインアビス(8) (バンブーコミックス)
メイドインアビス(7) (バンブーコミックス)
メイドインアビス(6) (バンブーコミックス)
メイドインアビス(9) (バンブーコミックス)
メイドインアビス(10) (バンブーコミックス)
前の話:【ほん怖】同じ夢
次の話:【ほん怖】疎開先の神社
怖い話 No.10802
【ほん怖】王城寺原演習場にある墓
1606
35
1
短編1分
怖い話 No.11475
【ほん怖】誰かが見つめている
1011
37
怖い話 No.10756
【ほん怖】疲労と幻覚幻聴
1718
30
怖い話 No.10572
【ほん怖】毎日のように子供を怒る声が聞こえてた
1196
27
怖い話 No.3558
【ほん怖】優しい祖母
1662
47
怖い話 No.10973
【ほん怖】家に帰ると知らない女がいた
1332
26
怖い話 No.3196
【ほん怖】賭け事(対人限定)が異常に強い奴
1476
42
怖い話 No.11663
【ほん怖】近所の河原でお金を拾った
1529
43
短編2分
怖い話 No.2929
【ほん怖】拝み屋系の血筋
1655
19
中編3分
怖い話 No.20088
【ほん怖】軽い躁状態
1592
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着ほん怖
でっかいカエル
古びたフランス人形
信号待ち
家への電話
ヘアピンが落ちてる
友達の家に電話
笑い声
缶けり
義理の姉
サンタとトナカイ
極限状態の意識
白黒おじいさん
新着コメント
熊に怯えていた
えいやこらさ
忍者ごっこ禁止令
気持ち悪い人形
ゴッホ効果
カルト集団への取材
異物混入