怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
アライグマの霊
お気に入り
1663
48
3
0
中編4分
コピー
「アライグマの霊」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
アライグマの霊を見た事がある。 正確にはアライグマと米兵の霊。。 大学生の頃に夏休みを使って アメリカにホームステイしたんだよ。 そこのホストファミリーは 明るくて本当に優しい人達だったんだが、 数年前に息子さんを亡くしていた。 海兵隊にいたが、 不幸にも事故で亡くなってしまったんだそうだ。 リビングには家族の写真が沢山あって、 その中に迷彩服を着た息子さんと、 腕に抱かれているアライグマのツーショット写真があった。 息子さんの名前はアレックス(仮名)で、 アライグマはレベッカ(仮名)。 母親を失った子アライグマをアレックスが拾ってきたんだそうだ。 食いしん坊で太めだが人なつっこいレベッカの世話をしてる内に、 一時期不仲だった家族は再び絆を取り戻した。 これが前置きで、 ホームステイ開始から二週間ほど経った晩、 夜中に喉の渇きで目が覚めた。 水が飲みたくて起き上がろうとするんだが 上手く体が動かなくて、 寝ぼけてんのかなーなんて思ってる内に悪寒が走る。 上手く言えないが 胃の奥がゾワゾワするっていうか、 とにかくどうしようもない不快感。 それだけじゃなく体が重い。 なんか犬か猫らしきものが体に乗ってる感じ。 一瞬レベッカ?と思ったんだが、 レベッカは息子さんとほぼ同時期に亡くなっていて、 今この家にペットはいない。 暗闇に目が慣れてきた頃、 ようやく体に乗ってる奴が見えたんだが、 とにかくキモかった。 体は小型犬くらいあるバッタ、 顔は白人のおっさん。 頭皮テカテカの末期ハゲ。 凄くムカつく感じにニヤニヤ笑ってるそいつが 腹の上に乗っていた。 しかもそいつ一匹じゃなく、 体は人間で顔がバッタっていう、 これまたキモイ奴がベッドの横に立って俺を見下ろしてる状態。 人面バッタ(俺の腹に乗ってた方)と 虫人間がどんどん顔を近づけてくるし、 連中の屁なのか口臭なのか知らんが、 部屋中卵が腐ったような臭いが充満して吐きそうだし、 化け物がヒャハッヒャハヒャハッて甲高い嫌な声で笑うたび、 胃腸が捩れるみたいな不快感に襲われて正直泣きそうだった。 いくら踏ん張っても体は動かないわ声も出せないわで パニックになってたんだと思う。 南無阿弥陀仏と唱えるつもりが、 気付いたら脳内で寿限無を暗唱していた。 虫嫌いの俺はそのくらい必死だったんだ。 海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末まで暗唱した時、 人面バッタがいきなり吹っ飛んだ。 え?と思ってそっちへ視線を向けたら、 亡くなった筈のレベッカがバッタの首をくわえて ビッタンビッタン壁に叩きつけている。 それに狼狽えるようにして後ずさったバッタ人間を、 Tシャツと迷彩ズボン姿の軍人が横から殴り飛ばした。 アレックスだった。 倒れ込む昆虫人間に蹴りを入れ、 更に何度も蹴るアレックス。 人面バッタの頭に噛みついて、 ささやかな頭髪を毟り取るレベッカ。 いつの間にかマウントポジションに持ち込んで バッタ人間の顔面を殴り続けるアレックス。 再び人面ハゲをくわえ、 今度は床に叩きつけるレベッカ。 その後も関節技、跳び蹴り、頭突き、金的と あらゆる暴行を加えていた一人と一匹だったが、 急にアレックスが振り返って、 満面の笑顔を浮かべながら親指を立ててきた。 レベッカはいつの間にかアレックスの足元にいて、 犬のような笑顔の表情。 どうやら終わったらしい。 ありがとう。 覚えてるのはそこまでで気付いたら朝だった。 ホストマザーに 昨夜何か聞こえなかったか聞いてみたんだが何もないと。 でも夢にアレックスとレベッカが出てきてハグした後、 運動して腹が減ったと訴える彼らに食事を与えたんだそうだ。 「あの子は天国でもレベッカと一緒だから寂しくない、 父さんと母さん達は心配しないでくれって伝えたかったのかも」 とマザーが言い、 皆しんみりした空気に。 お宅の息子さんとペットは 悪霊をボコボコにするくらいアグレッシブですね とは当然言える筈もなく、 俺は日本人らしく神妙な面持ちで頷いておいた。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
3人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった48
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
怖い話名著88 乱歩、キングからモキュメンタリーまで
フォロワーさんの本当にあった怖い話
本当にあった怖い体験談7: てにくまちゃん。の怖い話 てにくまちゃんの怖い体験談
実際にあった怖い話 2025年11月号
コワい話は≠くだけで。 1 (BRIDGE COMICS)
忌み地 怪談社奇聞録 (講談社文庫)
前の話:【じわ怖】観る人によって内容が違う
次の話:【じわ怖】山の中の深い谷に架かる吊り橋
怖い話 No.19325
【じわ怖】『叔母のCTスキャン
1467
26
長編6分
怖い話 No.4577
【じわ怖】虎の剥製
2256
41
短編1分
怖い話 No.13787
【じわ怖】先輩と連日徹夜で作業してた
1459
23
短編2分
怖い話 No.15418
【じわ怖】頭の感覚
1405
51
1
怖い話 No.12982
【じわ怖】夜の山で猟
1351
怖い話 No.5657
【じわ怖】写真を撮られるのを嫌がる
1364
33
怖い話 No.5494
【じわ怖】狐憑きと病
1078
34
怖い話 No.13208
【じわ怖】中学生グループを登山に連れて行った
1525
怖い話 No.3988
【じわ怖】片腕の男
1913
35
怖い話 No.5165
【じわ怖】地震のP波が分かる
2152
40
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
便所借りる!
父さんが布団に入ってきた
ぬこは一生に一度だけ人語を話すという
みょうみょうみょう
自分の祭壇
幽霊がゆーれーてーるー
消えた仏黒山村