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死んだばーちゃんの写真

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• 死んだばーちゃんの写真とは

  5分で読める！ 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)

• 15年ぐらい前、
  当時高校生の俺の部屋と、
  大学生の姉の部屋、
  両方の部屋のドアをノックしたり、
  部屋と部屋（二階建てで、二階には上記の二部屋だけ）を
  行ったり来たりする足音を立てる奴がいた。
  
  最初は怖くて、電話の子機同士で
  
  「今来た！」
  
  とか、
  
  「今俺トイレ行くからね！」
  
  とか、報告しなきゃ落ち着かなかった。
  
  でも、しばらくしたら慣れてきて、二人で会議。
  
  盛り塩か？酒か？
  知り合いの拝み屋さんに相談してみるか？
  とか案を出しあってた。
  
  
  
  
  
  でも結構盛り上がってて、
  今思うと不謹慎だけど、
  死んだばーちゃんの写真を廊下に設置する事に決定。
  
  ばーちゃん生前、
  寝てる時に起こすと酷くキレる人だったし。
  
  なので、
  親の目を盗んで夜な夜な写真を廊下に置いて寝ること数日、
  何も起きない。
  
  「効いたか！」
  
  とか姉と言いながら、
  念のためその後数日継続して設置。
  
  設置開始から10日ぐらい経った夜に久々ノック。
  
  ばーちゃんも勝てないかと無責任にガッカリしてると、
  
  ドン！！
  
  俺の部屋の壁を叩く音。
  
  壁の向こうは例の廊下ね。
  
  ばーちゃん生前、
  キレると畳を拳で殴る癖があったから、
  部屋で驚きながらもちょっと納得していた。
  
  間もなく姉から子機がかかってきて、
  
  『今ばーちゃんキレた？』
  
  と。
  
  だから俺、
  
  「見事にキレた！」
  
  っつって二人爆笑。
  
  その夜、
  姉と俺は二人並んで正座させられて、
  
  「二度と夜中に起こすな！」
  
  とばーちゃんに説教される夢を見た。
  
  今でも姉との良い思い出話。
  

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