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廃墟の中から鈍い音がした

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• 廃墟の中から鈍い音がしたとは

  忌み地　怪談社奇聞録 (講談社文庫)

• 今日は仕事が休みだから暇つぶしにコンビニで立ち読みでもしようと思い外へ出かけた
  しばらく歩いて近所の誰も住んでいない巨大な廃墟を通った
  あれ、おかしいぞ
  廃墟の中から鈍い音がした
  誰かいるのかな？
  オレは廃墟の中を覗いてみた
  やっぱり人の気配がする
  オレは暇だったので少し不気味な廃墟に勇気をだして入ってみた
  廃墟の中はかなり広くて部屋がたくさんある
  冒険してる気分になってきたオレは音がした部屋まで向かった
  静かにゆっくりと少しだけ扉を開けて中を覗いてみた
  無人のはずの部屋は明かりがついている
  よく見ると見たことのない人が二人いる
  一人は男で金属バットを持っている
  もう一人は頭から血を流して死んでいる！
  オレは見てはいけないものを見てしまったみたいだ…
  焦ったオレは持っていたケータイを落とした
  ガシャッ
  誰だっ!そこにいるのはっ!
  ヤバい、犯人の男に見つかった！
  金属バットを持ってこっちに来るっ！
  オレは走って近くの部屋に逃げこんだ
  この廃墟は部屋と部屋が繋がっていて迷路みたいになっているようだ
  なんとか殺人犯から逃げきらないとオレも殺されるだろう
  オレは走りながらケータイをとりだして電話した
  「もしもし、ヤバいことになった。いますぐ廃墟に来てくれ。早くしないと大変だ！」
  よし、これでなんとかなるだろう
  それにしても今日はなんて日だ
  捕まったらオレは確実に殺されるだろうな

  廃墟の中から鈍い音がしたの解説
  
  
  前半と後半で語り手が変わる。
  前半は殺人現場を見て逃げている語り手。
  ケータイを落として隠れている。
  後半は殺人犯。
  語り手を追いかけながらケータイで仲間に連絡している。
  『捕まったらオレは確実に殺されるだろうな』
  というのは、警察に捕まったら死刑になるから。
  はたして、これまで何人殺しているのやら…。
  人を殺したことを連絡できる仲間がいるということは、人殺しの組織か…？
  それにしても、一人で廃墟に行ける語り手がすごい。

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