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受け継がれるもの
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酔っ払った勢いで初投稿俺は幽霊とか信じてなかったけど、この体験してから、魂とか人の心とかは残るのもかもしれないって思った。俺のおじいちゃんが今年94歳で亡くなった。生前は尊敬するおじいちゃんで、戦中はガタルカナルにも行って帰って来たんだそうだ。 戦争の話を子供の頃は聞きたがったけど、どっかの島で猿をペットにしたとか、楽しい話は色々聞かせてもらったけど、戦争そのものの話は絶対にしてもらえなかった。今思うと、辛かったのかなって感じるけど、俺はおじいちゃんの思いの幾ばくかでも知ったかぶりしちゃいけないと思う。そんなおじいちゃんは旅館を経営していて、俺が夏休みに遊びに行くと外国の人が結構泊まってた。今になって聞くと、おじいちゃんは海外の人たちとすごく盛んに交流してたんだって。当時はネットなんてないのに、一体どうやって知り合ったのか不思議だった。おじいちゃんは死ぬまでずっと一本の軍刀を大切にしてた。それを見る度に、俺に「これは誇りではない。戒めだ」って俺に言ってた。だから亡くなる数年前に、一族で金出し合って沖縄旅行へ連れて行ってあげられたことは、多分、俺からすると親孝行ならぬ祖父孝行になったのかな?とか傲慢にも思ってる。ひめゆりの塔に、おじいちゃんは「一人にさせてくれ」って一日中いたんだって。後で聞かせてもらった。俺にも何となくだけど、おじいちゃんの気持ちがほんの少しだけ分かるような気がした。おじいちゃんは最期まで気丈な人だった。突然倒れて入院して、1ヶ月は持たないって言われたのに1年以上頑張ってくれた。一回は帰宅も出来るかもって言われたんだけど、おじいちゃんは「迷惑になる」だって。そんなこと言わずにって、帰宅準備を始めようって頃合いを見計らうようにして、おじいちゃんは亡くなってしまった。本当に、失礼だけどコロリと。遺言通り、心臓マッサージも人工呼吸もしなかった。もしかしたら、それやってたらもっと長生きしてくれてたかもとか思うと心残りだけど、おじいちゃんはきっと幸せだったと思う。どうして幸せだったかと思うのかと言うと、おじいちゃんが亡くなって数日経ったある日に、俺はおじいちゃんと会ったから。俺は超現実主義者だったから、幽霊なんてのは信じてなかった。今も、もしかしたら幻だったのかも知れないと思うけど、きっと違うと思う。俺が朝目が覚めると、俺の部屋の隣が仏間なんだけど、そこでワイワイ結構な人数の声がする。誰だろうって起き上がって見に行くと、テーブルを取り囲むみたいにして若い男の人たちがいっぱい座ってた。誰だよ・・・と思うよりも先に、俺はその中におじいちゃんの姿を見つけていた。おじいちゃんはすごく若返っていて、他の人たちと同じに軍服みたいのを着てた。どうしておじいちゃんが分かったかって言うと、おじいちゃんに戦時中の写真を色々見せてもらってたから。・・・ってのもあるけど、おじいちゃんは年取っても若い頃と同じような顔をしてたってのがある。俺の姿を見ると、座ってた男の人たちが「おー」とか「やー」とか言い出して、おじいちゃんが立ち上がった。名前分かんないけど帽子かぶったおじいちゃんはすっごい凛々しくて、なんか目がすごく綺麗だった。俺に一歩近づいて「今日は仲間連れてきた」って言って、そうすると全員が立ち上がった。「これからコイツらと飲みに行く」とか言うと、全員がすごく豪快に笑って、その笑い声の中、おじいちゃんが俺の手を取った。すごく温かくて、おじいちゃんの手の感触で、俺は恥ずかしいけど涙出ちゃってしょうがなかった。それでおじいちゃんは言った。「どうか、どれだけ裏切られても、どれだけ苦しく悲しい思いをしても、諦めないで欲しい。世界中の人たちと、我々は友達になることが出来る。我々には出来なかったが、皆は焦りすぎているだけなんだ」そしてグッと握手されて、じっと目を見た。俺はどうしてもあの目を忘れられない。青空みたいな瞳だった。その言葉の後、おじいちゃんは手をそっと離して、みんなの所へ歩いて行くと、みんなビシッと敬礼して、「ゆっくりこいよー」とか「まかせるぞー」とか言う声が聞こえた。その直後、俺はベッドの中で目が覚めた。俺は幽霊とかは信じてなかった。心霊とか言うのも信じてなかった。でも、あの時に握った手の感触と、言葉だけは忘れることが出来ない。きっと幽霊とか魂ってのは、俺たちの中にあるものなんだと思う。俺の中におじいちゃんや、色んな人の思いが受け継がれているんだと思う。おじいちゃん、向こうで見ててくれてるのかなあ俺、こんなヤツで酔っ払ってるけど、おじいちゃんのこと大好きだったよがんばって、おじいちゃんたちの魂とか無駄にしないように頑張るよ好きだったお酒と甘いお菓子、今度お供えするよ、おじいちゃん
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