怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
104号室
お気に入り
1388
30
0
中編4分
コピー
「104号室」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
ずいぶん前の話。 当時大学生だった俺は 6畳ワンルームのボロアパートに住んでいた。 閑静な住宅街で住み良くアパートにさほど不満は無かったけど 唯一ケチを付けるなら、 心霊現象っぽい事がよく起きることだった。 朝起きると口の中に1メートルぐらいの黒髪が1本入ってたり、 夜決まった時間に赤子の泣き声が空室の上の部屋から聞こえたり、 金縛りは月に4、5回あって慣れたもんだった。 お陰さまで俺の住む101号室以外の部屋は常時ほぼ空室で (入室してもみんな2週間で出ていく) そういった現象に目を瞑れば、 1台しか停めれない駐車場も使い放題、 ギター弾いても文句言う奴もおらず快適だった。 原因は何となく分かっていた。 アパートの1階に部屋は4室ある。 しかし部屋に入る扉は3つしか無い。 その事に気付いたのは住み始めて暫くしてからだが、 アパートはL字の形になっていて 101号室から103号室は横並びに扉を構える。 104号室は突き当たった壁にある。はずが、無いのだ。 そこにあるのは壁だけ。 なぜそこにあるはずと思うかは、 2階にはその位置に204号室の扉があるからだ。 何が理由か分からないが 104号室の扉があるべき箇所を壁で塞いでいるという事になる。 さらにご丁寧にも外から室内が見えないように、 ベランダにはアパートで唯一造植物が敷き詰めるように並べられている。 何だこれは、怪しすぎる。 104号室の状況に気付いた時はそう思ったが、 既に101号室で起きていた現象を思い出すと あぁ、ここか と府に落ちたのだった。 そんなアパートで4年間暮らし、 就職が決まったのを機に引っ越す事になった。 丁度そのタイミングでアパートのオーナーが替わったようで、 改装が始まっていた。 退去予定を翌日に控え、 部屋を片付けゴミを外に出そうとした時だった。 扉を開けてふと横を見ると、 改装業者が、例の104号室の扉があるはずの壁を壊している最中だった。 普通に考えれば 8部屋しか無いアパートの1部屋を潰しておく理由は無く、 新しいオーナーもそう思ったのだろう、 と考えながらゴミを回収BOXに放り込んで部屋に戻った。 しばらくした後、コンビニに向かう為外に出ると、 104号室の壁はすっかり壊され扉は外されており、 中が伺えるようだった。 改装業者はおらず、 4年間自身に起きた現象はここが原因と見ていた俺は、 どれ覗いてやるかという気持ちにかられ、 そこに近付いていった。 造りからして、 正面から見ると玄関の壁しか見えず、 玄関を右手に折れると室内があるようであった。 数歩近づいたところですぐ違和感に気付いた。 今見えている玄関の壁。 煤けて黒くなっている。 何年も人が入っていない事からそうなっているのかと思っていたが、 どうやら違うようだ。 文字が書かれていた。 その壁が煤けて黒くなっていると勘違いする程に ビッシリと小さな文字が。 恐らく壁の地の色は白かったはず。 俺の部屋がそうだからだ。 文字の隙間程に地の色は覗かせているが、 小さな文字の集まりが壁を黒く染めていた。 薄気味悪さを感じ足を止めた俺は、 不思議とその壁から目が離せずにいた。 文字のひとつひとつは小さく何と書いてあるか判別できなかったが、 線の流れからして全て平仮名で書かれているように感じた。 その壁の中央右側、 唯一判別できる程度大きく書かれた文字がある。 まさひるや そう書かれていた。 その文字が意味する事は何か全く分からない。 しかしその文字が目に入った瞬間、 少しの吐き気を感じたような気がして、 踵を返しコンビニに向かった。 翌日、シートで中が見えないように隠されたその場所を横目に俺は引っ越した。 それから2年後、 すっかりそのアパートの事を忘れて過ごしていたが、 ふと休みの日にドライブ先の目的地として 以前住んでいたそのアパートを見に行こうと思い立った。 その後104号室に誰か住んでいるのだろうか。 2時間かけて車を走らせ 地理の懐かしさを感じながら目的地に到着した。 到着と言っても アパート周辺は路駐できるような箇所は無く、狭い道が続く為、 アパート前をゆっくり通りすぎながら観察する。 意外な光景だった。 当時改装業者が壊した壁は、 すっかり壊す前の状態に修繕されていたのだ。 ベランダ側に回ると変わらず 104号室ベランダは造植物が敷き詰められている。 俺が住んでいた101号室には洗濯物が干されていて、 他の部屋はカーテンが無い。 あの部屋では何があったのだろう、 何が住んでいたのだろう。 あの文字の意味は何だったのか。 改装業者は何を見たのだろう。 今、101号室に住んでる奴は何考えてんだろう。 国道を走る車内で、 そりゃ俺もそうかと思い帰路についた。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった30
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
僕が死ぬだけの百物語(1) (サンデーうぇぶりコミックス)
N 1 (電撃コミックスNEXT)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
前の話:【洒落怖】ついてきた小さな女の子
次の話:【洒落怖】連れてっちゃうよ
怖い話 No.14890
【洒落怖】首と肩の痛みに苦しんでた同僚
1336
24
中編3分
怖い話 No.2009
【洒落怖】少し開いた戸
1844
40
短編2分
怖い話 No.946
【洒落怖】最後の頼り
1485
怖い話 No.963
【洒落怖】窓の外から
1268
36
短編1分
怖い話 No.1968
【洒落怖】職員室に一人だけ
1497
33
1
怖い話 No.8661
【洒落怖】研修会
1590
52
怖い話 No.21155
【洒落怖】ドイツの小さな民宿
1229
29
怖い話 No.22202
【洒落怖】不思議な夢
837
7
怖い話 No.7668
【洒落怖】出棺のお知らせ
1466
26
怖い話 No.9157
【洒落怖】カメラの顔認識システムとその応用
2790
37
長編7分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫