怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
大きな神木
お気に入り
1210
25
0
中編4分
コピー
「大きな神木」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
まだ小学1年生か2年生くらいだったと思います。 僕の家の横は旧神社跡地で、 今はゲートボール場になっているのですが、 昔はそこに1本の大きな神木がありました。 楠だったと思います。 他にあると言えば 石段と何かよく分からない石碑、 そしてその石段を境にして僕の家と神木がありました。 両親が共働きだった僕は、 よくその木に寄りかかって 愚痴や自慢などを木に向かって話していたのを覚えています。 秋~冬にかけてだったでしょうか、 その日も僕は木に寄りかかり 木に向かっていつもの様に話し掛けていました。 日も暮れるのも大分早くなっていますから、 あっという間に夜の闇が近付いて来ます。 と言っても僕の家は隣なわけですから、 別段急ぐわけでもなく、 いつもの様に石段を降り家に戻ろうとした時です。 「せぇのぉ・・・」 何か後ろから声が聞こえたような気がして ハッと振り返るのですが、誰もいない。 気のせいかと思い、 その時は特に何も気にせず家に帰りました。 家に帰り風呂から出た僕は、 何とはなしにふとベランダから木の方を見ました。 あまり車も通らない場所ですから、 家の周りは静けさが漂っており、 風に揺れる木の葉と、それを照らす月光が、 とても幻想的で、風もひんやりと心地良い。 ギィ・・・ギィ・・・ 何か軋むような音がする。 その場所を目を凝らしてよく見ると 何かが木からぶらさがっており、 ゆらゆらと揺れている。 (あれは・・・人だ・・・!!) 幼いながらに首吊りというのは知っていました。 ふと気付くと視線を感じる。 目をやると二つの目玉がこちらを見て 「ニヤリ・・・」 と歪んだ笑みを浮かべていました。 慌てて部屋に戻りベッドに入ったものの、 その日は全く眠れませんでした。 それからしばらく木には近付かないまま、 年を越しました。 あの日のことは新聞やニュースにもなっていなかったので、 僕の中でも 「あれは錯覚だったのかな・・・?」 と整理され、 遠い過去として頭の片隅に追いやっていました。 そんな忘れかけていたある日、 何の気なしに僕はあの木の下にいました。 常葉樹のためか木には葉が残り、 それに積もった雪が屋根のように陽を遮っています。 何をするでもなく木に寄りかかっていると、 静けさの中に何か音が聞こえて来ます。 「ねんね・・・ころ・・・や・・・おこ・・・ろ・・・や・・・・・・」 はっとして上を見ると、 僕の顔の真上に裸足が一対あり、 よく見上げると、遥か上の枝から きりんのように首の伸びた人であったろうモノが ゆらゆらと僕の眼前で揺れていました。 「い゛ぃ・・・っ・・・」 と僕の喉の奥から叫びにもならない音がし、 驚いて飛び退いた瞬間、 ぶつり・・・という音と同時に ソレは僕の足元に降って来ました。 人としての形は完全に崩れており、 その背中であったろう場所には 子供の形をした赤黒い肉塊がべっとりと張り付いていました。 大急ぎで石段を降りたところで 何か背後に寒気を感じ振り返ると、 何かボールのようなものが ぐちゃり・・・ぐちゃり・・・ と転がり落ちて来、 まるで僕の両手に収まる予定であったかのように、 何故だか僕はソレをキャッチしていました。 ボールよりは人の顔に近い、 とはいえ頭蓋からは肉が飛び出し、 唇の裂けたソレは、 全く身動きのとれない僕に、 『あの日』のように 「にちゃり・・・」と笑いかけて来ました。 「坊んも・・・逝くか・・・」 そのまま僕は意識を失い、 気が付けば隣家のおばさんが僕を見つめていました。 何があったか? と聞いてくるおばさんにどう答えれば良いのかも分からず、 僕自身もあやふやなままその体験は幕を閉じました。 昔あの場所で何があったのかは全く知らないままなのですが、 その木の根元には毎年二本だけ彼岸花が咲きます。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった25
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
漫画売れ筋
私の日常。
Get Backers 奪還屋【極!単行本シリーズ】1巻
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 13 (ドラゴンコミックスエイジ)
BLUE GIANT MOMENTUM(3) (ビッグコミックススペシャル)
ぼっち・ざ・ろっく! 7巻 (まんがタイムKRコミックス)
ドカ食いダイスキ! もちづきさん 1 (ヤングアニマルコミックス)
前の話:【洒落怖】猫の親子
次の話:【洒落怖】うろつく女
怖い話 No.2171
【洒落怖】山道の老婆
1951
34
1
短編2分
怖い話 No.8486
【洒落怖】女性は入っちゃいけない神社
746
26
短編1分
怖い話 No.7595
【洒落怖】送信済みメール
1484
40
怖い話 No.8215
【洒落怖】1Fから男の声が聞こえてくる
1240
長編5分
怖い話 No.9483
【洒落怖】酷く怖い夢
1207
50
怖い話 No.21484
【洒落怖】産婆の暗い部分
590
28
怖い話 No.7466
【洒落怖】他愛のないおしゃべり
788
39
怖い話 No.9901
【洒落怖】迎えに来ない妻
1569
怖い話 No.820
【洒落怖】用水路の向こう側
1587
29
怖い話 No.8262
【洒落怖】アレ
1441
21
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫