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ベンチの二人
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高校1年の夏。 その頃俺は体力作りのため、部活の友達と二人で夜ランニングをしていた。まあそれは表向きの理由で、実際には適当に汗を流したらそこらの公園で休んで、あとはその年頃にありがちな恋愛とか成績とか将来の話をするのが常だった。 その日の休憩地点は、民家の裏の、やや大きな山の頂上にある、小ぢんまりした公園だった。公園の中には、少し高くなったところに何だかの石碑があって、その周りを歩けるように円く道が作ってあった。 いつも通り話し込み、会話が途切れた頃、俺は何気なく立ち上がって石碑の周りを歩き始めた。友達も俺の後に続いて歩いてきたが、とくに会話を交わすこともなかった。 ちょうど半周分歩いたあたりで、俺は周囲をとりかこむ茂みの中に人の気配を感じた。ふと目をやると、茂みの中のベンチに人が二人座っていた。 こんな時間にこんな場所に二人っきりでいるということは、恐らくカップルがデートでもしているのだろう、と、俺は自分達の状況を棚に上げてそう直感した。「行こう」後ろを歩く友達に急かすように声をかけ、やや早足で、しかし不自然にならぬように、その場を離れた。 友達もすんなり付いてきたので、こいつも気付いたんだな、と思った。「見た?」「何を?」「何をって・・・お前も気付いてたんじゃないの?」「だから何に?」「茂みの中のベンチに、人がいたじゃん。 二人。たぶんデートだよ」「ベンチって・・・あんなとこにベンチなんてあったっけ?」「いや、だって、今あそこに座ってたよ・・・?」実は俺はその公園に行ったのはその日が初めてで、どこになにがあるのかはまったく知らなかった。 ただ、ああいう場所に人がいるということから、ベンチがあってそこに座っているのだろうと勝手に思っていたのだ。一方の友達は、近所に住んでいるということもあって、この公園のことはよく知っている。 「ベンチなんてないよ。そんな物置く場所もないし。 茂みの向こうはすぐ山肌になってるんだから・・・」「じゃあ、もう一度確かめに行ってみよう」二人で石碑の方に引き返し、俺はさっきカップルがいたはずの場所を見た。真っ暗だ。 ベンチもなければ、人もいない。いや、いたとしても、こちらからは確認できないだろう。 なぜなら、石碑の周りの外灯はみな円周上から石碑のほうに向けて当てられており、夜の暗闇の中では逆光になって、周囲の茂みの方は真っ暗にしか見えないからだ・・・俺は気味の悪いものを感じ始めていた。一目だけとはいえ、たしかに二人の人の姿を確認した。 しかし、今こちらから茂みの方を見ても暗闇が広がるばかりだ。・・・待てよ。 そういえば、あの二人は、いちゃつくわけでもなく、ただ座って、膝に手を乗せて前を向いていたな・・・こんなカップルがいるだろうか?いや、カップルに限らず、こんな人間がいるだろうか・・・??とりあえず俺たちはその場を離れ、今日のことは単なる俺の見間違いだったということにして、その日は別れた。翌朝。 俺のクラスの教室に、昨日の友達がやってきた。「昨日のことなんだけど・・・」「ああ、あれね・・・悪かったねぇヘンなこと言い出して」「いや、違うんだよ」「何が?」「だから、あの公園」・・・なんでも、あの山はそいつの友達の家のものだというのだ。 そいつも昨晩のことが気になっていたのだろう、朝登校してすぐに、その友達に山のことについて尋ねてみたらしい。「で、何か判ったの?」「うん・・・もう10年以上前だけど、あの山で自殺した人がいたらしい」「自殺・・・どこで」「・・・昨日の場所で」「何人」「ふたり」それ以来、俺と友達はその山のことを話題にすることもないし、その山に近づいたこともない。
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