怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
躁鬱病の女
お気に入り
1530
50
1
2
長編5分
コピー
「躁鬱病の女」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
はじめにTさん、人に話すけど許してください。 この話は、私が大学1回生のときから卒業して1年3ヶ月目に起こった5年間にわたる長い話です。長い話ですので、大学時代の経緯は掻い摘んでお話します。 私は大学に入学してすぐ軽音楽部に入部しました。そこにはTさんという見るからにおとなしそうな女の子がいました。 Tさんはいつも一人で、もくもくとキーボードを弾いていました。夏休み前のある日、練習場でTさんがおろおろしていたので「どうしたの?」とたずねました。 「…ヘッドホンを忘れたの…」「俺、家近くだからとって来てやるよ」後で聞いた話ですが、これがTさんがサークルに入って初めて交わした会話だったそうです。思えば、この会話がすべての始まりだったのかもしれません…その後Tさんと会話した記憶もなく、日々は過ぎてゆき、バレンタイン・デーがやってきました。 私の下宿のポストには、差出人不明の郵便物が入っていました。シガレット・チョコでした。 その当時、お菓子に薬物を混入する事件があったこともあり、気味が悪かったのでそのまま捨てました。2回生になり、新入生とともに私の同級生のN君とK君が入部してきました。 私はこの二人とはどうも気が合わず、どちらかと言えば避けていました。その夏の合宿でのことです。 夜に宴会をしていると突然Tさんがマイクを握り締め、こう言いました。「私○○君(私のことです)に遊ばれて捨てられたの!」私は頭が真っ白になりました。 この人はナニを言ってるのだろう?遊ぶって…?この時点で私とTさんとの間で起こった出来事と言えば、ヘッドホンを貸したことくらいです。ボーゼンとしていると、N君とK君がTさんを外に連れ出して、なにやら慰めているようでした。 後で聞いた話ですが、Tさんは躁鬱病になっていて、現実と空想の世界との区別があやふやになっていたそうです。そして3回生になり、私もサークルのスタッフとなりました。 このころからTさんはトランキライザーを常用するようになり、ワインのビンを片手にキャンパスを歩いている姿が目撃されるようになりました。顔は薬物のため1.5倍くらいに膨れ上がり、意味不明の言葉を発するため講義中に退出させられることもあったようです。 サークルも休みがちなので、スタッフ代表として彼女の自宅に電話して、今後どうするのかを相談しようと思いました。電話をとったのは彼女の母親でした。 娘が大変迷惑をかけていると何回も詫びておられました。電話の奥で、柱時計の鐘の音が聞こえたので、なんとなく、Tさんはお嬢様だったんだなぁと思いました。 4回生になり、就職活動が忙しくなったこともあり、サークルにはほとんど顔を出さなくなりました。うわさでは、Tさんは休学したとのことでした。 そのころから、いたずら電話がかかるようになりました。…無言毎日毎日、夜の12時前後に必ずかかってきます。 そのうち、あることに気がつきました。電話の向こうで柱時計がなっていることを。 卒業後、私は金融機関に勤めましたが、激務のため、1年間でやめてしまいました。その後、以前バイトしていた社長の世話になり、一軒家にバイトの人たち3人と住むようになりました。 ある日、私は朝から体調を崩し、家で眠っていました。夜、隣の部屋の子が、「元気か~」とドアを開けました。 目の悪い私は、その子の姿がぼんやりとしか見えません。なんとなくもう一人後ろにいるようだったので、「誰が来てるの?」とたずねました。 「俺一人や」「ふ~ん」そのときはなんとも思いませんでした。夜中に目が覚めると、留守番電話にメッセージが残っていました。 再生すると、なんというか、雑音がいっぱい入ったスピーカ・ホンのような状態で、私の大学時代のことをぶつぶついっているようでした。「誰?」「女?」「サークルのこと?」そんなことを思いつつ必死で心当たりを探っていると電話のベルが突然鳴りました。 N君からです。「Tさんが自殺した。 裁断機で左手首を切り落としたらしい」最初は何のことかさっぱりわかりませんでした。「そのことで話がある。 明日会えないか?」いつになく真剣だったので、思わず承諾してしまいました。翌日、N君の下宿にK君と私が集まりました。 N君が私に便箋を差し出し、「読め」と言いました。そこには紛れもなくTさんの筆跡で、自分は私に捨てられたこと、自分のことでNとKが争っていること、自分は早く結婚したいこと…およそ事実とはかけ離れたことが書き綴られていました。 K君にも同じような手紙が来ていたのですが、N君は別のところを指差して、「ここを見ろ」とぶっきらぼうに言いました。自殺があった日が7月2日、手紙の消印が5日…私は、彼女の死後、両親が投函されていない封筒を見て投函したのだろうと言いました。 そういいながら私はあることに気がついたのです。留守番電話のメッセージタイムスタンプは4日になっていました。 そのことを話そうとした瞬間、N君が「誰?」と叫びました。玄関のドアがカリカリとなってます。 誰かが引っかいているような…そしてドアがガタガタと揺さぶられ、こじ開けられようとしています。ギッ少しあいたドアの隙間に見えたのは、手首までしかない女性の左手でした。 その瞬間、恥ずかしながら私は気絶してしまいました。気が付くと、N君が「第二春日ビル、第二春日ビル…」とぶつぶつつぶやいていました。 あれから6年がたちました。毎年この時期になると私とK君は墓参りに行きます。 TさんとN君の墓参りです。N君は3人で集まった日からまもなく、手首を切って亡くなりました。 現場は第二春日ビルという音楽スタジオが入っているビルです。手にはヘッドホンが握り締められていました。 墓参りの帰り道、K君ぽつんと漏らしました。「俺さぁ、気が付くと手首をじっと見つめてるときがあるんだよね。 あの合宿の日、Nと一緒にTさん慰めたからなぁ…」大学2回生の夏合宿で、N君はTさんにこう言ったそうです。「○○(私)のことは忘れろ。 なんかあったら俺を呼べ」2人の冥福を祈ります。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
1人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった50
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
お隣さんの騒音がすごい どこかの誰かの体験談マンガ
日本生まれのインド人、メタ・バラッツのスパイスカレーユニバース (インターネットオブスパイス)
転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。 二度目の人生はハーレムルート!? 1 (アース・スターコミックス)
パラドックスループ-うまくいかない私たち-
まいみ!
嘘つきな彼氏(推し)を懲らしめた話 1 ますまゆまんが!集
名無し
その挙動の原因は躁鬱病じゃ無いと思う
なんかよく分からんな シガレットチョコを入れたのはTさん? Tさんを慰めたって、 NとKは3Pでもしたのか? Nの口調はなんで喧嘩腰なんだ?
前の話:【洒落怖】逆さまの女の子
次の話:【洒落怖】呪い
怖い話 No.9195
【洒落怖】ピョホホーッ
1447
37
0
中編3分
怖い話 No.359
【洒落怖】違う
1245
47
短編1分
怖い話 No.7147
【洒落怖】波長
1923
39
中編4分
怖い話 No.1800
【洒落怖】最後の姿
1319
55
短編2分
怖い話 No.17230
【洒落怖】岩で作られたほこら
1446
31
怖い話 No.21217
【洒落怖】実家の二階
1182
16
怖い話 No.20963
【洒落怖】身内のいない末期がんの患者
1413
22
怖い話 No.22551
【洒落怖】めしうま
朗読 OCCULT HITORI 怪談朗読ラジオ オカルトヒトリ
837
6
長編8分
怖い話 No.10041
【洒落怖】耳鳴りと金縛り
1248
42
長編6分
怖い話 No.9180
【洒落怖】変な寝言
1729
34
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫