足音は校舎の奥へと離れていった（解説付き）

朗読動画を投稿する▼

「足音は校舎の奥へと離れていった」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。

※YouTubeのURL必須

例：https://www.youtube.com/watch?v=*********** 例：https://youtu.be/***********

開始時間

00時間00分00秒

再生開始の時間を指定する場合は入力してください

投稿する

ドアを閉め、荒い息のままその場に座り込んだ。

呼吸を落ち着けて、辺りを見回す。

ここは廃校になった学校の教室。

板張りの床に埃をかぶった机と椅子がぽつぽつと点在しているのが、廊下側の窓からうっすらと射し込む月明かりで確認できる。

時刻は深夜1時過ぎだ。

なぜ私はこんな夜更けにこんな場所に駆け込んだのか？

その事情は、5分ほど前の出来事にある。

残業が終わり、一人路地を歩いて帰っていたところを、二人組の男に襲われたのだ。

刃物で切りかかられたが、運良くカバンを切られただけで済んだ。

そのままカバンを捨てて必死に逃げて、開け放たれたこの学校に入った次第である。

近頃ニュースで連続強盗殺人の話が取り上げられていたが、まさか私が襲われるとは思ってもいなかった。

強盗犯である以上、カバンの中に貴重品が無いと分かった奴らは私を追ってくるだろう。

まずは携帯で助けを呼ばなければ。

すぐさま警察に電話するべきだろうか。

けれど電話中に犯人が来てしまったら一巻の終わりだ。

家族や友人にメールして知らせる方が良いだろうか。

『ギシッ』

廊下の奥から床を軋ませる大きな音が聞こえてきた。

奴らだ。

ギシギシと音を立てながら、足音が近づいてくる。

震える身体を必死に抑え、息を殺す。

音さえたてなければ、素通りしてくれるかもしれない。

そんな希望にすがり、目を閉じて神様に祈る。

そしてとうとう、足音は私の背後、ドアの前で止まった。

このドアを開けられたら死を覚悟するしかない……

『キシ』

ドアは開けられず、足音はキシキシという床の音と共に校舎の奥へと離れていった。

助かった。

今ならここを出て家まで走ればきっと逃げ切れる。

手に握り締めていた携帯をポケットにしまってゆっくり立ち上がる。

そして、そっとドアを開いた……

足音は校舎の奥へと離れていったの解説

語り手は
足音が離れるのを聞くまで
携帯を握っている。

夜の教室で月は廊下側。

そして、ドアに背を向けているため、
携帯の光が漏れてしまっている。

その光によって
強盗犯は教室内に人がいることに気づいた。

ここですぐにドアを開けてもいいが、
鍵を掛けられていたら面倒だし、
教室の中に入って隠れているのを探している間に
また逃げられても面倒。

そのため、
語り手に「ドアの前からいなくなった」と思わせるために
二人の内一人が足音を立てて離れた。

そして、残った一人が
ドアが開くのを待っているため…

語り手は生き残ることはできないだろう。

怖い話を読んでいると霊が寄ってくる？不安な方はこちらがおすすめ

▶幽霊が近くにいるか分かる

1人が登録しています

お気に入り

感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする

この話は怖かったですか？

怖かった52

次はこちらの話なんていかがですか

※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります

怖い話セレクション

【怖い本】コワい話は≠くだけで。　1 (ＢＲＩＤＧＥ　ＣＯＭＩＣＳ) Amazon
【意味怖】大きな手術短編2分
【意味怖】一気飲み短編1分
【意味怖】未来が見える短編1分
【意味怖】オレオレ詐欺短編1分
【洒落怖】金縛り動画長編7分
【ほん怖】戦地に行ってたダンナの夢短編1分
【洒落怖】窓の外で赤ちゃんの泣き声が聞こえ始めた短編2分
【洒落怖】並んでいる位牌中編4分
【じわ怖】近所の柴犬短編2分
【洒落怖】知人が出てくる夢中編4分

ひっそりと話題になってる心霊系の本

1：

名無し

2023/02/19(日) 16:26:13

それだったら来たときは二人分
で去ったときは一人分しか足音がないから気づくだろ

本文：
半角文字列だけの入力はできません。
名前（省略可）：

前の話：【意味怖】潜入

次の話：【意味怖】最後の仕事

※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります

怖い話 No.20900

【意味怖】一人暮らしで悲惨な事と言えば騒音問題だ

一人暮らしで悲惨な事と言えば騒音問題だ。一ヶ月前に、俺が引っ越してきたアパートなんかは、壁が薄くて隣の音がだだ漏れ。まあ、向こう側にも、こちら側の生活音がだだ漏れな筈だけど。プライバシーなんて当然

2785

49

0

1

長編6分

怖い話 No.16050

【意味怖】学校の七不思議

母『あんた今日1000歩弱しか歩いてないの！？』万歩計を見ていた私の後ろから覗き込む様に母が聞いてきた… 「え…あ…うん」母『若いんだからもっと歩きなさいよ』「あ…うん。そうだよね…

1924

47

0

0

短編1分

怖い話 No.23121

【意味怖】搾乳機

私はオークションでついに搾乳機を購入した。さっそく電源を入れてみる。ポチッゴーゴーゴーメンテナンスが行き届いている！高い料金を払ったかいがあった。&#

682

15

0

0

短編1分

怖い話 No.15821

【意味怖】平和と願い

ある教会に世界を破滅させるという魔法のランプが届けられた。どんな願いでも叶うこのランプは、世界に混乱を生む為教会で保管してほしいというものであった。しかしこの教会の神父は、この力を世界平和に役立てよう

1818

24

1

0

短編2分

怖い話 No.5999

【意味怖】おもむろにカブトムシのお腹を引き裂いた

まだ小学校に上がる前のムシキング好きの男の子がいた。ある日、その子が大切に育てていたカブトムシが死んでしまった。男の子は動かなくなったカブトムシをじっと見ていたがおもむろにカブトムシのお腹を引き裂いた。

2717

32

0

0

短編1分

怖い話 No.19538

【意味怖】とある家族

お父さんと、お母さんと、女の子と、赤ちゃんが暮らしていました。とある休日、お母さんはお風呂に浸かり、女の子は台所でお料理をして、お父さんは庭の木でブランコ、赤ちゃんは丸くなって日に当てられている。
朗読【怪談朗読】新崎郁美のマヨナカラジオ,もいわの怖い話

9388

122

29

4

短編1分

足音は校舎の奥へと離れていった

足音は校舎の奥へと離れていったの朗読動画

足音は校舎の奥へと離れていったとは

コメント

この話を読んだ人はこちらも読んでいます