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トイレね?
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こんなこと話していいのかわからないが、一応時効ということで。10年以上前、俺が高校1年の時に、よくツレと一緒に郊外の廃屋に忍び込んでシンナー吸ったりしてた。そこは先輩たちから譲ってもらった場所で、もとラブホだったらしくて幾つかの部屋にはベットも残ってた。もちろんそこへ行くのはいつも夜中だったから、懐中電灯を持っていって、主にロビーだった場所でダベっていた。スプリングがキシキシいうけど、一応ソファーがあったから。大体そこに行くツレは4、5人だった。悪い連中には格好のスポットだったけど、俺たちの前にいた(高校の)先輩たちが相当ムチャする人たちだったので、他のやつらは寄り付かないという最高の場所だった。 その日も俺含め5人でロビーでダベってた。小雨がパラパラ降る音がしはじめた時、アホのシロウが「トイレね?」と言い出した。ションベンは普通外の草むらでしてたんだけど、雨が降ってきたから出たくないらしい。「あのドアの奥になかったっけ?」と、ツレの一人がロビーの奥の扉を懐中電灯で照らした。「ああ、でも水でねーぞ」と言ったが、シロウは「いいのいいの」と言って、懐中電灯持って消えていった。「あったあった」と、間の抜けた声が小さく聞こえた。しかし、それから10分たっても20分たっても帰ってこない。さすがに気になって、一人が「おい長グソかー?」と言いながら、奥の扉を開けて入って行った。そしたら、ちょっとして青い顔で出てきた。「おい、おらんぞシロウ」おらん?「おらんつーか、とにかく見てみろ」と言うので、全員でドアを開けた。そこは事務室のような所だった。二部屋がつながっていたが、トイレがないことはすぐにわかった。というより、他にどこにも出入り口はなかった。シロウが一本持っていったので懐中電灯が二本しかなかったが、人が入れそうな場所はどこにもないのは明らかだった。そのあとロッカーとか机の裏とか徹底的に探したのに、結局シロウは見つからなかった。その状況の異常さに俺たちは真っ青になって、とりあえずこのことは誰にも言わないようにしよう、ということになった。俺がいうのも何だが、シロウの家はまともな家庭じゃなかったせいか、息子が帰ってこないというのに、捜索願いも出さなかったようだった。結局、失踪あつかいされたまま、シロウは忽然と姿を消した。俺たちはもうそのラブホには行かなくなった。高校卒業したあとも俺はずっとそのことが気になっていた。消え去ったことよりも、シロウがなぜ『あったあった』と言ったのか。なぜかそれが無性に怖かった。何年かして、街でたまたま当時のツレと会った。サ店で喋っていると、自然にあの事件の話になった。ツレはあのあと、先輩になぜあのラブホが廃屋になったのか聞かされたという。ゾクッとした。客が何人か行方不明になったからだと。どんな風に消えたのかは分からないが、それだけで十分だった。ツレはそれを話したあとなぜか俯いて、氷だけになったレモンティーをストローでかき混ぜ続けた。油汗が浮かんでいたので、「おい、どうした」と肩をゆすった。するとツレは、あの時のシロウが「トイレね?」と言ってからの細かい流れを話し始めた。「俺があの時、シロウが入った扉の一番近くにいたの覚えてるか」言われるとそうだった気がする。「俺な、扉が閉じたあとで、小さな声を聞いたんだけどよ」「あったあった、って言ったやつやな」ツレは青い顔で頷いて続けた。「あれな、シロウの声じゃなかった」数年分の鳥肌が一気に立った気がした。
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