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老人ランナー
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夏のできごと。 埼玉は35度を超え、 まさに酷暑であった。 その日の午後、 俺は荒川の土手でジョギングをしていた。 いつもならジョギング渋滞も起きかねないほど、 ジョギング愛好家の人々で土手のコースは賑わっているのだが、 やはりこれだけの酷暑もあって、すれ違う人、追い抜く人は、 両手で数えられるほどしかいなかった。 そんな中、 ある人物の後ろ姿が俺の目に留まった。 それは俺の先を走る ご老人ランナーである。 そのご老人ランナーは、 現にこの暑さの中を走れるくらい元気なのだろうけれども、 にしても、丸まった背中に、 早歩きしたほうが早いんじゃないか と思えるほどヨタヨタと走るその姿に、 「この暑さの中、よく走るなぁ。 というか大丈夫なのか?」 と心配になった。 もちろん、 そんなヨタヨタのペースで走っているから、 俺はあっという間に差を縮め、 追いついてしまった。 俺は心配しながらも、 でも赤の他人に気軽に声をかけるような性格ではないので、 そのまま無言で追い抜いた。 でも、やっぱりご老人が気になったので、 追い抜いた後、 一息置いてから振り返って見たんだ。 たぶん追い抜いてから1分も経ってなかったんだ。 なぜそんなことを言うかって? …だって、 追い抜いたはずのご老人がいなかったんだもの。 ジョギングから汗だくで帰ってきた俺は、 とにかく汗を流そうと シャワーを浴びることにしたんだ。 あまりの暑さに相当ヘバっていたようで、 もうフラフラになりながら、 浴室に入っていったんだ。 とにかく火照った体を冷やさないと、と思い、 シャワーは冷水のまま浴びることにしたんだ。 まあ冷水といってもこの暑さだから、 冷とは言えない温い水だったが、 それでもこの暑さを走りぬいた体をクールダウンさせるには、 十分な冷たさだった。 「は~っ!気持ちいい。生き返るわ」 それはもう頭からジャバジャバと シャワーの冷水を浴びまくった。 顔や胸、両腕に背中、腹に両足と、 体中を万遍なく冷水を浴びた。 顔に浴びた水を手で拭って 目を開けた、その時。 一瞬、視界の隅で何か光ったような気がした。 とっさにその方向へと視線を向けると、 とくに何もなかった。 ただの気のせいか、そう思った。 しかし、体では何か感じていたのか、 胸の鼓動が増していった。 浴室から出て、体を拭き、居間に戻る。 廊下を歩いている時、 背筋に悪寒のようなものを感じた。 その悪寒は、 後ろから誰かに見られているような、 いや、背後に誰かがいるような …いやいや、考えすぎか。 この時の俺は まだこの後の出来事を予想だにしていなかった。 「あっ」 俺はこの現象と結び付けられそうな出来事を今、 急に思い出した。 そう、あのご老人…。 なぜ今まであのことを忘れていたんだろう。 いや、もうあの暑さを走っていたものだから、 余計なことに考えが回らなかったのだろう。 居間に戻った俺は、 とりあえず毎回ジョギング後の体重計測をすることにした。 テーブルの下に置いてある体重計を、 体を屈めて取り出すと、スイッチを入れ、 そして体をビシッと伸ばし、 体重計に乗った。 その瞬間であった。 なんと視界が一気に暗転した。 一瞬驚いたものの、 なぜかその後は、 なにかふわふわした、 よくわからない気分に陥った。 直後にやってきた。 体が動かない。 金縛り…だ……。 …。 ……。 ………両腕が痛い! 腕が痺れる、腕が痺れる! …… 気づいた時には両腕を体の下にして、 うつ伏せになって倒れていた。 そう、それは、 立ちくらみによる軽い失神だった。 熱中症もあったのかもしれない。 とにかく、 両腕を挟むようにうつ伏せで倒れたことで、 その痛みの刺激によって、 失神から目を覚ましたのである。 その後、 俺は這いながらキッチンへ行き、 ガバガバと水分補給することにした。 よく考えれば、 俺はジョギングを始めてから 1滴も水分補給をしていなかった。 これも原因か。 真夏の水分補給は大切だな。 そう思い知らせる出来事であった。
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人の心配とか、心霊とか考えてる場合じゃなかったね 35℃でジョギングとか。
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