怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
老人ランナー
お気に入り
1839
39
1
中編4分
コピー
「老人ランナー」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
夏のできごと。 埼玉は35度を超え、 まさに酷暑であった。 その日の午後、 俺は荒川の土手でジョギングをしていた。 いつもならジョギング渋滞も起きかねないほど、 ジョギング愛好家の人々で土手のコースは賑わっているのだが、 やはりこれだけの酷暑もあって、すれ違う人、追い抜く人は、 両手で数えられるほどしかいなかった。 そんな中、 ある人物の後ろ姿が俺の目に留まった。 それは俺の先を走る ご老人ランナーである。 そのご老人ランナーは、 現にこの暑さの中を走れるくらい元気なのだろうけれども、 にしても、丸まった背中に、 早歩きしたほうが早いんじゃないか と思えるほどヨタヨタと走るその姿に、 「この暑さの中、よく走るなぁ。 というか大丈夫なのか?」 と心配になった。 もちろん、 そんなヨタヨタのペースで走っているから、 俺はあっという間に差を縮め、 追いついてしまった。 俺は心配しながらも、 でも赤の他人に気軽に声をかけるような性格ではないので、 そのまま無言で追い抜いた。 でも、やっぱりご老人が気になったので、 追い抜いた後、 一息置いてから振り返って見たんだ。 たぶん追い抜いてから1分も経ってなかったんだ。 なぜそんなことを言うかって? …だって、 追い抜いたはずのご老人がいなかったんだもの。 ジョギングから汗だくで帰ってきた俺は、 とにかく汗を流そうと シャワーを浴びることにしたんだ。 あまりの暑さに相当ヘバっていたようで、 もうフラフラになりながら、 浴室に入っていったんだ。 とにかく火照った体を冷やさないと、と思い、 シャワーは冷水のまま浴びることにしたんだ。 まあ冷水といってもこの暑さだから、 冷とは言えない温い水だったが、 それでもこの暑さを走りぬいた体をクールダウンさせるには、 十分な冷たさだった。 「は~っ!気持ちいい。生き返るわ」 それはもう頭からジャバジャバと シャワーの冷水を浴びまくった。 顔や胸、両腕に背中、腹に両足と、 体中を万遍なく冷水を浴びた。 顔に浴びた水を手で拭って 目を開けた、その時。 一瞬、視界の隅で何か光ったような気がした。 とっさにその方向へと視線を向けると、 とくに何もなかった。 ただの気のせいか、そう思った。 しかし、体では何か感じていたのか、 胸の鼓動が増していった。 浴室から出て、体を拭き、居間に戻る。 廊下を歩いている時、 背筋に悪寒のようなものを感じた。 その悪寒は、 後ろから誰かに見られているような、 いや、背後に誰かがいるような …いやいや、考えすぎか。 この時の俺は まだこの後の出来事を予想だにしていなかった。 「あっ」 俺はこの現象と結び付けられそうな出来事を今、 急に思い出した。 そう、あのご老人…。 なぜ今まであのことを忘れていたんだろう。 いや、もうあの暑さを走っていたものだから、 余計なことに考えが回らなかったのだろう。 居間に戻った俺は、 とりあえず毎回ジョギング後の体重計測をすることにした。 テーブルの下に置いてある体重計を、 体を屈めて取り出すと、スイッチを入れ、 そして体をビシッと伸ばし、 体重計に乗った。 その瞬間であった。 なんと視界が一気に暗転した。 一瞬驚いたものの、 なぜかその後は、 なにかふわふわした、 よくわからない気分に陥った。 直後にやってきた。 体が動かない。 金縛り…だ……。 …。 ……。 ………両腕が痛い! 腕が痺れる、腕が痺れる! …… 気づいた時には両腕を体の下にして、 うつ伏せになって倒れていた。 そう、それは、 立ちくらみによる軽い失神だった。 熱中症もあったのかもしれない。 とにかく、 両腕を挟むようにうつ伏せで倒れたことで、 その痛みの刺激によって、 失神から目を覚ましたのである。 その後、 俺は這いながらキッチンへ行き、 ガバガバと水分補給することにした。 よく考えれば、 俺はジョギングを始めてから 1滴も水分補給をしていなかった。 これも原因か。 真夏の水分補給は大切だな。 そう思い知らせる出来事であった。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
1人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった39
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 1 (ガルドコミックス)
俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者の夢をみる~ 1 (アース・スターコミックス)
ヤマノススメ 1 (アース・スターコミックス)
第14集: 「三不粘を作った話」他 川尻こだまのただれた生活
ヤマノススメ 3 (アース・スターコミックス)
ヤマノススメ 5 (アース・スターコミックス)
名無し
人の心配とか、心霊とか考えてる場合じゃなかったね 35℃でジョギングとか。
前の話:【洒落怖】まとわりつく女
次の話:【洒落怖】消えない顔
怖い話 No.2644
【洒落怖】友人の忠告
朗読 はこわけあみ 酔いどれホラーV
1870
27
0
短編2分
怖い話 No.22679
【洒落怖】入院中
758
16
短編1分
怖い話 No.2402
【洒落怖】白い紙
1172
33
長編6分
怖い話 No.251
【洒落怖】双眼鏡見たもの
朗読 怪の談り -カイノカタリ-,神栖星花研究所ルグルダー,薄く広く多趣味な社会人,神栖星花研究所ルグルダー,洒落にならない怖い話,G級戦犯,くろさわ怪談朗読
7273
117
12
怖い話 No.21555
【洒落怖】女友達の話
1230
24
長編9分
怖い話 No.14800
【洒落怖】態度がひどいタクシーの運転手
1448
31
中編3分
怖い話 No.7912
【洒落怖】霊媒カップル
1628
26
怖い話 No.964
【洒落怖】遮断機の音
1369
42
怖い話 No.17412
【洒落怖】病院を抜け出してきたおじさん
1368
32
怖い話 No.9149
【洒落怖】屋根裏のバケツ
1519
41
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー