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霊門
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平日の昼間にちょっと車で遠出して山道を走ってたら、 1000年の巨樹みたいな看板が出てきて興味を持ち、 車を砂利の広場に置いて山道を歩いて行ったんですよ。 その頃は夕方に差し掛かる位の時間帯になってたんだけど、 目的の木はそんなに遠くは無さそうだったので たった一人で細い道を進んでたら、 どこか遠くで「カコーン」という 木を思い切りぶっ叩くような音が聞こえてきたんです。 しばらくすると今度はまた別の場所から 「カコーン」という音が聞こえてくる。 誰かが何かの木でも切ってるのだろうかと思ったんだけど、 気にせずに進んでいったら、 少し先の曲がり角の奥から 「ヒャー、はぁはぁ…。あぁー」 みたいな声が近づいてくる。 そしてカーブを曲がって、 50代後半くらいのおじさんが私の姿を見てびっくりし、 その場でズザザーっと勢いよく転んだんです。 びっくりして 「大丈夫ですか?」 と近づいたら、 物凄く腕とかブルブル震わせながら、 恐怖に怯えた顔で私を見て、 「あ、あなたそっちから来たのか? 安全だったか?」 と震える声で聞くのです。 猟銃は持っていなかったんだけど、 少し暗い色の深緑とベージュのジャケットみたいな物を着て、 同じような雰囲気の帽子をかぶったおじさんで、 地元の人なのかなと思いました。 しかし、 その怯え方を見ると 私もなんだか怖くなってきて、 慌てて 「今来たばかりですが、 安全とはどういう意味ですか?」 と答えたら、 「れ、れ、れい…熊だ! 人食い熊がっ!」 というのでびっくりして、 「えっ、ここ熊なんか居るんですか? 野生の? しかも人食い熊?」 と聞いたら、 「は、早く安全な場所に、早く!」 って息も絶え絶えに叫ぶので、 急に怖くなって今来た道を 急いで戻る事にしたんです。 そうしたら、 また今度は別の場所で 「カコーン」という音が聞こえたかと思うと、 少し間を開けて、 また別の場所から「カコーン」という音が…。 その音がなんだか自分達を取り囲むようにあちこちから、 少し間を開けながら聞こえてくる。 そこで 「あの音は何ですか? 木を叩いてるような音がしますが…」 と尋ねたら、 「まずい、早く、早くここから逃げないと…。 もう取り囲まれてる」 などと言うのです。 心底ゾッとして 人食い熊がそんなに沢山居るのだろうかと慌ててペースを上げ、 ようやく自分の車を止めた駐車場が見えてきたのです。 そこで、 「はやく、あの車はあなたの車か? はやく、はやくあの中へ」 というので、 なんか泥だらけのこの知らないおじさんを乗せるのはイヤだなと思いながらも、 人食い熊に襲われたら大変だから、 後部座席に乗ってもらうことにしたんですよ。 そこで呼吸を整えて、 しばらく様子を見てたんだけど、 熊は一向に姿を現す様子もない。 カコーン・カコーンという音はずっと鳴り響いていて、 なんだか何人もの人間で一斉に鳴らしてるような音になった後、 シーンと静まりかえったんです。 そこまで待つとおじさんもだいぶ落ち着いてきて 「危ない所だった…。 まさか今日だったとは…」 と漏らすので、 「一体あの音は何ですか? まさか人食い熊じゃないですよね?」 と聞いてみたら、 「先ほどは申し訳なかった。 確かに人食い熊ではないのです。 でもそうでも言わないと逃げ切れなかった」 と答えるんです。 「それじゃあ、 あれほど慌てて逃げたのは何だったんですか?」 と聞いてみたら、 「信じては貰えないかもしれないのだけど、 数年に一度この地域では あのような木を叩く音が鳴り響く事があるのです」 「誰かが叩いているんですか?」 「そうじゃない。あ の音は地獄へ続く門が開く前触れの音なんです。 霊門と呼ばれています。 森の中の遠いところから少しずつ、 先ほどのようなカーン・カーンという音が聞こえてきて、 ぼんやりしてるとあっという間に取り囲まれてしまう。 そしてそのまま地獄の門へ引きづり込まれてしまうのです」 「まさか…。」 「信じられないかもしれないけど、 あの音の中心と思われる場所には、 後日多くの動物の死骸が見つかるのです。 今日はもう近寄らない方が良い。 これから2~3日は絶対に近寄らない方が良い」 そう言い残してそのおじさんは車を降りると、 振り返りもせずにどんどん道を歩いて去ってしまいました。
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