怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
亡くなった人が吸い込まれていく穴
お気に入り
1174
34
0
中編3分
コピー
「亡くなった人が吸い込まれていく穴」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
これは母から聞いた話です。 私の曽祖父、 つまり母の祖父が亡くなったときのことです。 曽祖父は九十八歳という 当時ではかなりの高齢でした。 普段から背筋をぴんと伸ばし、 威厳ある老人だったとのことです。 しかしそんな曽祖父も老衰には勝てず、 床に着くようになりました。 曽祖父は、 母の住む家のごく近所に住んでいたため、 母の母、つまり祖母が看病に通っていました。 母は当時高校生で、 曽祖父が亡くなった日も学校へ行っていました。 一週間くらい前から、 そろそろだと言われていたそうですが、 まだ大人でない母に、 人の死に目など見せないほうが良いという祖母の判断で、 母は曽祖父の床へは近づくことを許されませんでした。 学校から帰った母は、 自分の部屋で畳の上に仰向けになり、 とりとめもない考え事をしていました。 一時間にいっぺん、 ぼーんぼーんと、 居間にある柱時計の音が聞こえてきます。 (いま、何時だろう) そう思って母が、 机の上の置時計を見上げた瞬間でした。 (あっ!) 体の自由がききません。 視線以外はまったく動かせないのです。 (これは金縛りだ) この事実に少し混乱しましたが、 それと同時に母は曽祖父のことを思い浮かべました。 (まさか、おじいちゃん……) すると、 曽祖父の家がある方向の壁から突然、 白い馬の首が現れました。 馬はそのまま、 壁を抜けて母の部屋に入ってきます。 白い馬は、 着物を着た人を乗せていました。 何もかも真っ白で、 額には三角頭巾。 幽霊の装束です。 幽霊を乗せた白い馬は次から次へと現れ、 全部で六頭になりました。 彼らはゆっくりと、 重々しく進んで行きます。 真っ白な着物のたもとが、 風になびくように揺れています。 その集団が母のすぐ側まで来たとき、 その中の一人が母の方を見ました。 (おじいちゃん!) それはまぎれもなく曽祖父の顔でした。 曽祖父は威厳に満ちた穏やかな、 しかし感情のない顔で、 しばらくの間ただじっと、 母を見ていました。 やがて曽祖父は前を向いてしまいました。 その時になってようやく、 母は首なら動かせるようになっていました。 彼らがどこへ向かっているのか気になって、 母は首をめぐらせて彼らの行く方向を見ました。 部屋の反対側の壁へ消えて行くのかと思いきや、 彼らの進む方向には穴がありました。 ぽっかりと、灰色の渦のような、 異次元への入り口を思わせるような穴でした。 (おじいちゃん、死んでしまったんだ) その穴を見た瞬間、 母ははっきりとそう思いました。 母が見ている前で、 彼らは静々と進んで行き、 やがてその穴の中へ消えてしまいました。 彼らが消えると同時に、 母の金縛りも解けました。 そしてその日の晩、 母は曽祖父が亡くなったことを知ったのでした。 亡くなった時刻はちょうど、 母が金縛りにあっていた時刻だったそうです。 この話には、 すこしおまけがあります。 後年のことですが、 機会があって、 母は友人と金縛りの体験について話をしたそうです。 その友人の旦那さんは、 頻繁に金縛りにあう方で、 親戚の誰かが亡くなると必ず金縛りにあい、 しかもその間、 亡くなった人が穴へ吸いこまれていくのを見るとの話でした。 穴、と聞いて、 母が自分の体験談を話すと、 友人にその穴の絵を描くよう言われました。 旦那もそんなような穴だと言っていたから、 と言うのです。 母は近くにあった子供用のクレヨンで、 その穴の絵を描きました。 帰宅した友人の旦那さんにその絵を見せると、 その穴はまさに、 旦那さんが見る穴にそっくりだったそうです。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった34
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
お隣さんの騒音がすごい どこかの誰かの体験談マンガ
日本生まれのインド人、メタ・バラッツのスパイスカレーユニバース (インターネットオブスパイス)
転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。 二度目の人生はハーレムルート!? 1 (アース・スターコミックス)
パラドックスループ-うまくいかない私たち-
まいみ!
嘘つきな彼氏(推し)を懲らしめた話 1 ますまゆまんが!集
前の話:【洒落怖】廃屋の友達
次の話:【洒落怖】メモ
怖い話 No.1701
【洒落怖】車両の老婆
1541
45
短編1分
怖い話 No.130
【洒落怖】こんなところには泊まれない
1403
48
1
長編7分
怖い話 No.2448
【洒落怖】長靴のようなもの
1544
47
短編2分
怖い話 No.1765
【洒落怖】足音の主
1867
29
怖い話 No.8433
【洒落怖】もういいかい
1694
42
怖い話 No.8755
【洒落怖】優しい言葉
1340
33
怖い話 No.18139
【洒落怖】すれ違った男
1368
37
怖い話 No.7362
【洒落怖】くすぐる
1435
36
長編6分
怖い話 No.7526
【洒落怖】温泉客
1057
55
怖い話 No.22694
【洒落怖】不審者
651
11
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫