怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
立ち会い
お気に入り
1553
42
0
中編4分
コピー
「立ち会い」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
15,6歳の頃(10年以上前)、 持病の悪化が原因で入院した病院での出来事です。 その病院は市内から少し離れた山の中腹にあるのですが、 かなり昔から経営していたらしく、 ところどころ木造部分が残ったレトロな建物でした。 個人経営だったのか規模は小さく、 診療科が5つくらい、 病棟のベッド数も全部で30くらいしかなかった気がします。 ただ僕の抱えていた病気に関しては名医がおられたそうで、 僕も別の大病院から紹介されてそこに至りました。 ある日の深夜、僕はふと目が覚めました。 時刻は3時頃だった気がします。 病院での怠惰な生活でリズムが狂ってしまい、 睡眠も不規則になっていたからなのでしょうが、 僕は特にやることも無いので煙草でも吸いに行こうと思いました。 その病院の喫煙所は病棟内のスミにあり、 中は2畳位で床に赤い絨毯が敷いてあります。 両端にイスが並び、 小さな蛍光灯のみの閉鎖的なつくりでした。 病院1階入口にある自販機でコーヒーを買い、 2階に戻って普段通り喫煙所のドアを開けた瞬間・・・ グジュッ スリッパ越しに不快な感触が伝わりました。 直感で何か水気を含んだものを踏んだと思い、 慌てて足を上げたのですが足元には何もありません。 あれ?と思ったのも束の間、 強烈な異臭が鼻をつき始めました。 むせかえるように濃厚で、 錆びたクギを連想させる臭い。 咄嗟に血だと思いました。 湧き上がる恐怖に囚われながら後ずさった瞬間、 足が滑ってズルリと尻餅をつきました。 予想もしていなかった転倒。 瞬間目に入ったのは大量の赤色。 スリッパの裏を染めた赤。 白い廊下に映える引きつれたような赤。 壁に並ぶ赤い手形。 イスにぶちまけられた赤い血溜まり。 強烈な違和感で恐怖の虜になった僕は 慌てて逃げようと思ったのですが、 情けないことに腰が抜けてしまい立ちあがれません。 助けを呼ぼうと思った瞬間・・・ 「へへへ」 凍りつく身体。 「ふへへへ」 その響きだけで理解できる完全に狂った声音。 「死のう」 イスの下から這い出てきた男が言い放った言葉。 僕は失神しました。 失神する直前に焼きついた絵。 楽しげに見つめる狂った瞳。 あざけるような表情をつくるひきつれた笑顔。 そして直感で感じる死の臭い。 僕ではなく、 目の前にいる男に近付く死の気配。 自殺なんだと思いました。 狂った人間の自殺に立ち会ってしまったんだと感じました。 なぜなら彼は自分の腕に繋がれた点滴用のチューブを 途中で切っていたからです。 それから目を覚まして 看護婦(その後のモト彼女)に聴いた顛末。 夜勤の看護婦が深夜の見回りをしていたところ、 喫煙所前で倒れている僕を発見。 周囲の様子と外傷の無い僕を見て事態を想像し、 即効で通報。 血の後を追った別の看護婦によって 絶命している男性を発見。 男は脳神経外科に通う患者で、 その日は検査入院ということで 3階の病棟にいたらしいです。 死因は出血多量。 全てを納得した僕が翌日転院したのは言うまでもないですが、 問題はこの後やってきました・・・・・ 僕が心底凍りついた僕と彼女(さっきゆった看護婦)の会話。 僕:「あれはほんまに最悪やったね。トラウマなった(笑)」 彼女:「もう早く忘れた方がいいよ」 僕:「でもあの病院たぶん潰れるで(笑) いわくつきになったし」 彼女:「ほんまやね~。私も移るわ(笑)」 僕:「掃除とか大変やったやろうね~」 彼女:「絨毯もイスも全部新しいのに変えたらしいよ」 僕:「壁とか誰が磨くんやろうね?」 彼女:「壁?」 僕:「うん。壁の血とか手形。」 彼女:「なにソレ?そんなんなかったよ?」 僕:「え?」 彼女:「壁は全然キレイやったよ?」」 僕:「あぁ、そう。。。(あれ?気のせいかな?)」 彼女:「形はどうあれ、静かにいかはったんちゃう?」 僕:「うん・・・。(静かに??)」 彼女:「コーヒーとタバコがキレイに並んでたもん」 僕:「???」 彼女:「コーヒー(僕が買った銘柄)とタバコ(僕が吸っている銘柄)が キレイに空になってたから、 しはる前に一服しはったんやろうね」 再び凍りついた事実。 倒れた僕からコーヒーとタバコを取り一服していたこと。 そして残された違和感。 僕の記憶にはしっかり焼きついています。 壁に並んだ無数の赤い手形が。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった42
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
変な家: 1 (HOWLコミックス)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集
前の話:【洒落怖】『さかな』と『みぎ』
次の話:【洒落怖】睨みつける
怖い話 No.1706
【洒落怖】トントンしたでしょ?
1458
21
短編1分
怖い話 No.9529
【洒落怖】正体がわからないギャル
1493
39
長編7分
怖い話 No.9815
【洒落怖】包丁で餅を
1170
48
怖い話 No.1101
【洒落怖】グラマン
1834
33
1
怖い話 No.9874
【洒落怖】母ちゃんが迎えに来た
1038
28
怖い話 No.1096
【洒落怖】額縁に入った絵
882
短編2分
怖い話 No.2307
【洒落怖】混乱している
1040
31
怖い話 No.1479
【洒落怖】鏡に映る女
1054
怖い話 No.1992
【洒落怖】山姥
朗読 怖怖ちゃんねる【2ch怖い話まとめ】
1871
34
怖い話 No.2677
【洒落怖】爺ちゃんの訴え
1426
54
中編3分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー