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昭和18年頃に広まった噂話
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昭和三年生まれの父は昭和18年頃、 帯広の近くのにある農家に働きに出ていたのですが、 その近辺に広がったという噂話です。 その町には酒屋が一件あった。 ある晩のこと、 もう店を閉めてしまった時間に ドンドンと戸を叩く音がする。 こんな誰だろうと思った店主が出てみると、 そこに僧侶が立っており、 「これに一杯、酒が欲しいのですが」 と言って、手にしていたザルを差し出した。 こんなものに酒など入れられる筈が無いと 何度も僧侶に言ったのだが、 あまりにしつこく頼んでくるので 段々怖くなってきた店主は、 仕方なくいつも使っている 秤売りの升でそのザルに酒を注いでやった。 すると酒はこぼれ落ちることなく そのザルを満たしてしまった。 僧侶は礼を言い、 何処そこで探し物が見つかるだの、 近々誰某の家で葬式が出るなどという、 いつくかの予言めいた事を店主に告げた。 そして最後に、 「この戦争(太平洋戦争)は近々日本の敗戦で終結する」 と言い残して何処へともなく去って行った。 当時、日本が戦争に負けるなどと口にすることは絶対にできず、 公の場では話題にのぼることなく、 噂話としてその町に広がっていたものだそうです。 終戦後、幾つかの場所(北海道内)を移り住んだ父は、 そこで何人かから同じような話を聞いたそうで、 各地にそんな噂が立っていたようだとのことでした。
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「戦争に負ける」とストレートに言ったら大変なので「変な坊さんがそう言っていた」という作り話をくっ付けて話したのでしょう。 Twitterで「ハイキング中のドイツ人がこう言っていた」という前置きをつけて自分の言いたいことを語るのと同じ。
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