怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
厄落とし
お気に入り
1589
37
0
中編4分
コピー
「厄落とし」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
神社でお札を貰うだけでなく、 特に田舎だとそれぞれの地域に伝わっているやり方があるだろうけど、 同じような風習があり、私と似たような体験をした人が 居るかもしれないので書き込んでみます。 地元(といっても同じ村でもやり方が違うところがあるから一部の地区内)では、 厄年(数え年で本厄)の人は節分の日の夕方、 家を出て一番最初の四つ辻にお餅を置いて、振り返らずに家まで戻ってくる。 という風習がある。 守らなくてはいけないきまりがいくつかあった。 ・途中、三叉路等の分かれ道がある場合は、 なるべく家から一本道になるような道を進む。 ・振り返ると厄がついてくるから、 お餅を置いた後は絶対に後ろを見てはいけない。 ・お餅は誰か(別の家の人)に拾って貰わなければ厄は払えない。 現代では確実に拾って貰えるように、厄落としをする人(の家)は、 あらかじめ落とす場所の近くに住む人に、 拾うのをお願いすることになっているみたい。 前置きが長くなったけど、私は女なので数えで19,18歳で、 高校生のときに厄落としをやった。 うちは地区内でもかなり奥まった山際に家があって、 最初の四つ辻まで徒歩8~10分くらいかかる。 しかも、神社やお寺を通り越して、更に坂を下った先。 その四つ辻までの道のりは勿論一車線の田舎道。 神社やお寺があって民家もない寂しいとこだけど、 舗装はされてるし通学路として小学生のときから毎日通ってる道。 帰りがもっと遅くなることもあったから、 夕方に行くくらい別に怖くはなかった。 親に言われるままの厄落としだし、面倒だなって思った。 確かその年の節分は日曜で、 厄落としもあるし予定を入れずに家にいて、 母に「暗くなる前に行ってきなさい」とせっつかれて家を出た。 2月だし、日の入り早いから時間的に夕方でも 薄闇くらいになりかけてた。 行きは普通で、何考えてたとかは覚えてない。 でも、四つ辻に着いてお餅を置いて、 背を向けた瞬間から後ろで太鼓の音がし出した。 でんでんでんでんでん……って、結構速いペースで一定に、 連続して叩いてるような音。 あと、雷?のような、ごろごろいう音も一緒に聞こえた。 文字にするとただそれだけなんだけど、 それらは今までに聞いたことがないくらいに不気味で怖い音だった。 確実に何かが後ろから来ている、そう気配で感じた。 誰かが後ろを歩いてるとかそういう感覚じゃなく、圧迫感みたいなもの。 鳥肌がたって、怖くて怖くて、それでもなぜか 『走っちゃいけない』気がして、涙目で歩いた。 母親からきつく「後ろを見ちゃダメ」と言われてたから、 必死で前だけを見た。 その音を聞いていたのは、後から思えばたったの数分だったけど、 家までの距離がもの凄く長く感じた。 坂を上りかけたくらいのとき後ろから車が来て、 私を通り越して止まった。父親の車だった。 後から聞いたら、父は単に仕事(自営なんで日曜もある)を終え 買い物をして帰ってきたところで、 私を見つけたから止まっただけだそうだ。 母にまかせっきりで私の厄落としのことは忘れていたらしい… でもそのとき、私は父が心配して迎えに来てくれたんだと思って、 安心して一気に涙が出た。 慌てて後部座席に乗ってから、 車のバックミラーもダメなんじゃ!?と気づいて慌てて目を瞑った。 父は何か話しかけてきたけど、覚えてないしよく聞こえなかった気がする。 そのときも音がまだ聞こえていたので、私はずっと黙ったままでいた。 車で走っているのに、歩いていたときと同じように、 後ろから音が追いかけてくるような感じだった。 結局、音は家に着いて玄関をくぐるまでずっと聞こえてた。 家で待っていた母親は、親の前で泣いたりしない私が 声もなく涙を流しているのを見てびっくりしていた。 変な太鼓の音が聞こえたこと、凄く怖かったことを伝えた。 嘘だと笑われるかと思ったけど、 私がマジ泣きしていたこともあって母は信じてくれた。 でも、母や私の6歳上の姉(当時もう家を出てた)も同じ厄落としをしたが、 太鼓の音なんて聞こえず普通に終わったらしい。 母が信じてくれたのは嬉しかったけど、 「地獄の音が聞こえちゃったのかもね」とか言うから、 その日の夜は怖くて仕方がなかった。 でも、本厄であるその年は何も起こらなかったし、 結局あの音が何だったのかはわからない。 ちゃんと厄落とししたから大丈夫だったのかもしれないけど。 私は今27歳で実家を出て一人暮らしだけど、 32歳の次の厄年まで結婚せず本籍が実家のままだと、 また同じあの厄落としをしなければならない。 結婚して籍を移せば、相手側の土地の厄落としができるんです。 当時は32にもなれば結婚してるだろうし大丈夫、 と思ってたけど…もう27、焦ってきた。 また同じ音がするかはわからないけど、 本当に怖くて二度と聞きたくない音なんです。 ただの太鼓の音なのに。 体の内側から恐怖がわき出るほど不気味な音なんです。 本当にあれは何だったのかわからない。 私は厄落としに関して七五三みたいなただの儀式って意識だったから、 思い込みで幻聴が聞こえたとも考えにくいし。 自分では今までで一番不思議で怖い体験だった。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった37
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
会社を辞めてバイクにまたがり今日も会いにいく 日本一周心霊ノ旅
訳アリ心霊マンション 4巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
あかりとシロの心霊夜話 36巻
邪鬼の泪 浮雲心霊奇譚 (集英社文芸単行本)
心霊探偵八雲1 完全版 赤い瞳は知っている 心霊探偵八雲 完全版 (講談社文庫)
心霊リスクマネジメント事例集2: ビジネス専門の霊能者「霊視経営コンサルタント」が教える「心霊リスクマネジメント」の事例をまとめた続編|前作1巻とは異なる事例が満載でビジネス上の心霊リスクや霊的なリスクヘッジの事例を知りたい時に辞典や辞書としても活用できる便利な事例集|ビジネスに必要なリスクマネジメントの一つである心霊リスクを知れる専門書|心霊リスクをビジネスに活かすヒントが知れる一冊 ... (霊視経営出版)
前の話:【じわ怖】ドッペルゲンガー?を見た
次の話:【じわ怖】何かの声
怖い話 No.4631
【じわ怖】羊?
1895
40
2
短編2分
怖い話 No.5160
【じわ怖】日本刀
1590
31
怖い話 No.12631
【じわ怖】雪深い山の現場
1451
35
1
怖い話 No.12606
【じわ怖】華ちゃん
1149
34
中編3分
怖い話 No.12029
【じわ怖】本家を継いでくれ
2010
33
怖い話 No.5765
【じわ怖】伯父さん夫婦が旅行でエルサレムに行った
1363
38
怖い話 No.5475
【じわ怖】パチンカスとカルト
1299
39
短編1分
怖い話 No.15187
【じわ怖】ニャー
1164
23
怖い話 No.13011
【じわ怖】猿が向かい合って座ってる
1247
50
怖い話 No.5603
【じわ怖】演劇部の部室に一人で遅くまでいた
1082
41
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
元恩師にストーカーされていた
家鳴り?
幽霊のいた家
公衆電話ボックス
子供がうるさい
蛆が落ちてくる
寂しい岩場道