怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
並んだ顔
お気に入り
1652
32
2
0
中編4分
コピー
「並んだ顔」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
大学の友達から聞いた話だけど…自動車事故にあって鞭打ち症になったAさんは、仕事もできなさそうなので、会社を一週間ほど休むことにした。 Aさんは結婚しているが、奥さんは働いてて、昼間は一人だった。最初の数日は気楽だったが、さすがに3日目くらいになると暇をもてあましてきた。 それでも、どこかへ出かけるには体がつらいので家でじっとしていなければならなかった。そんなある日、お昼も過ぎた頃、ぼんやりとテレビを見ていると、上の階の部屋からドスンドスンと音がして、子どものはしゃぐ声が聞こえてきた。 学校が休みなのかと、いぶかしく思ったけれど、気にもとめなかった。そして翌日も昼頃から子どもの声が聞こえてきた。 どうやら上の家には子どもが2人いるようだ。Aさんが住んでいるのは、大規模なマンション住宅地だが、昼間は意外とひっそりとしており、子どもたちの声は階下のAさんのところにもよく聞こえた。 しかし、うるさく感じることもなく、むしろ退屈さと団地の気味の悪い静けさを紛らしてくれるので、ありがたかった。そして翌日、暇をもてあまし、昼食を作る気もうせたAさんはピザを注文した。 30分ほどでやってきたピザは、思ったより量が多く、Aさんは結局、まる一枚残してしまった。普通なら奥さんのためにとっておくのだが、ふと階上の子どもたちのことを思い出し、親切心も手伝ってAさんは、上に持っていってやることにした。 Aさんは自分の真上の部屋に誰が住んでいるのか知らなかったが、呼び鈴を押した。気配を感じたが、応答がない。 もう一度呼び鈴を押した。のぞき窓から見られているような気がした。 かすかに「どなたですか…」という声がドアのむこうからした。Aさんは、階下のものであること、ピザがあまったのでもらってほしいことを話すと、ドアがかすかに開いた。 家の中はやけに暗かった。5センチほどのすきまから女性が顔を半分のぞかせた。 女性はひややかに言った。「ありがとうございます。 でもいりません。」うす暗くて顔の表情がよく見えない。 Aさんは急に自分が場違いなところにいるような気がしてきたが、もう一度わけを話し、子どもたちにあげてくれるよう頼んだ。ドアのすきまからなまあたたかい空気が流れてきた。 嫌なにおいがする。ふと、女性の顔の下に、子どもの顔がふたつ並んだ。 ドアはほんのわずかに開いたまま。2人の子どものうつろな目がこっちをじっと見ている。 三人の顔がたて一列に並んでいる。「じゃあ…そう…いただくわ」Aさんはドアのすきまにピザの箱を入れると、すっと真横から手がのびてきてうけとった。 3つの顔はドアのすきまからAさんを見つめている。「ありがとう…」かすかな声が聞こえた。 Aさんはそそくさと退散した。気味が悪かった。 何かが違和感が頭の片隅にあった。子どもの顔が脳裏に焼き付いている。 顔…背中がぞくぞく震えだした。…顔、ならんだ…足早になる。 一刻もあの家から遠ざかりたかった。エレベーターがこない。 …ならんだ…縦に…ボタンを何度も押すがいっこうに来る気配にない。非常階段にむかう。 ひどく頭痛がした。吐き気もする。 非常階段の重い扉をあけるとき、Aさんは背中に視線を感じた。ふりむくと、10メートルほどむこうの廊下の角に、3人の顔があった。 ドアのすきまから見たときと同じように、顔を半分だけだして、うつろな目で、こちらを見つめている。冷え冷えした真昼のマンションの廊下にさしこむ光は、3人の顔をきれいに照らし出した。 Aさんは首周りのギブスもかまわず階段を駆け下りだした。普段は健康のためエレベーターを使わずいっきに4階まで階段を駆け上がることもあるAさんだが、地上までがとほうもなく長く感じられた。 …縦にならんだ顔…ありえない……からだが…ない…そして、顔のうしろにあった奇妙なものは…頭を…支える…手…そのあとAさんは近くのコンビ二で警察を呼んでもらった。警察の大捜査によれば、Aさんの階上の家では、その家の母親と子どもの死体がふろおけの中からみつかった。 死体には首がなかった。首はのこぎりで切断されており死後3日ほどたっていた。 その日のうちに、夫が指名手配され、やがて同じ建物内で隠れているところを逮捕された。母親と子どもの首もその男が一緒に持っていた。 男が発見されたのは、彼の家ではなかった。警官が血痕をたどっていったところ彼が隠れているのを見つけたのだった。 警察によると、彼はAさんの家の押入れの中にひそんでいたそうだ。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
2人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった32
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
本当にあった怖い話: −コマラセラレタ (あん堂)
5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)
「超」怖い話 癸 (竹書房怪談文庫)
実際にあった怖い話 2024年9月号
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
前の話:【洒落怖】二重の脈動
次の話:【洒落怖】ロッカーの中に赤ん坊
怖い話 No.7442
【洒落怖】捨てられてたモノ
1299
38
中編3分
怖い話 No.22606
【洒落怖】一風変わった団地の住民
1260
20
長編5分
怖い話 No.607
【洒落怖】携帯の画面
1062
40
短編2分
怖い話 No.2362
【洒落怖】シルエット
1034
25
怖い話 No.10337
【洒落怖】OL風の綺麗なお姉さん
2164
39
短編1分
怖い話 No.14515
【洒落怖】常連の婆さん
1894
43
長編6分
怖い話 No.10431
【洒落怖】能力者
1420
19
怖い話 No.21327
【洒落怖】下宿先の恐怖体験
1028
28
怖い話 No.7752
【洒落怖】てんらく
1647
1
怖い話 No.10079
【洒落怖】6人家族
1047
35
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー