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産婆の暗い部分
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2003
32
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長編5分
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私の母方の祖母は、以前産婆をしていました。以前といってもかなり昔で、今から50年前くらいになると思います。「どんな子も小さい時は、まるで天使のようにかわいいもんだ」といって、幼い私によく話をしてくれました。とても楽しかった。熱いお湯、清潔なシーツと毛布の用意を忘れないこと、赤ちゃんが生まれたときの感動、お母さんの泣いて喜ぶ姿。そういう場に居合わせられる事が、産婆をしていて本当に幸せだということ。 幼い私に聞かせるので当然の事なのですが、祖母は産婆という仕事の明るい部分だけを、おもしろ可笑しく聞かせてくれました。そんな祖母も、1年半前に亡くなりました。最近になって、祖母の思い出話を笑って出来るようになった母に、「そういえばおばあちゃん、よく産婆の話をしてくれたよね」と私が言ったところ、この仕事の暗い部分について母から聞くこととなりました。そのお話をしたいと思います。これは私の母が、今から10年くらい前に、直接祖母から聞いた話です。その日も祖母は、今にも生まれそうな産婦の家へ行って、朝から出産の手伝いをしていました。この産婦さんは、出産の時だというのに風邪をこじらせており、周りの人はとても心配していました。祖母の他にはSさんという、当時35歳の産婆さんも手伝いに来ていて、「家が近いし何かと人手もいるでしょ」と、親切な人でした。Sさんとは何度か一緒に仕事をしたことがあったので、とても心強かったようです。産婦のご家族や近所の人も、今か今かと待っていたのですが、昼になっても夜になってもなかなか生まれません。そこで、みんな一旦落ち着こうということになりました。祖母とSさんは相談し、「夜は私たち産婆が近くについて、代わり交代に眠るようにします。任せてください」と、ご家族に話しました。産婦の母親は、「私もそばに」と言ったらしいのですが、祖母とSさんは、「気疲れしていらっしゃるでしょうから、それにその時はすぐ起こします」云々ということで、了解を得たそうです。2時間ずつの交代で、祖母がSさんから番を受け、また2時間経ち、今度は祖母がSさんに番を預けて、そしてまた2時間経ち…を何度か繰り返しました。祖母は、風邪の熱が夜中にあがるかもなぁと心配していましたが、思ったほどあがらなかったので、このまま無事に乗り切れーと祈っていたんだそうです。祖母は、産婦さんの苦しい陣痛の声で目が覚めました。ぱっと見ると、既にSさんは真剣に分娩の手助けをしていました。祖母は何となく違和感を感じながら、急いで取り上げの手伝いに加わりました。物音に気づき、産婦の母親が起こしに行く前にとんできました。(その地域?村?では、母親以外の家族は分娩する部屋に入らない、という暗黙の了解みたいなものがあったという。他の家族は、別の部屋でひたすら待っている)母親は娘の手を握っていました。そしてSさんが赤ん坊を取り上げ、どうにか無事生まれました。産婦さんも意識がはっきりしていたので、産婦の母親と私の祖母がホッとしていると、Sさんが言うのです。「この子、目ん玉が無いわ…」祖母は、頭半分母親から出てきた時の赤ん坊の顔を、確かに見たといいます。顔、指の本数などは、取り上げた産婆が必ず確認する事なので、今回確認するのはSさんだったのですが、祖母はついいつもの癖で、確認したんだそうです。確かに目は開いていなかったが、下にはちゃんと眼球のもり上がりを確認していた、と。赤ん坊の母親は半狂乱になって、うつ症状に陥ったが、何年後かに見た時は、可愛がってその子を育てていたと聞きました。祖母は「ずっと言い出せなかった」と、私の母に打ち明けました。「万が一自分の見間違いだったらどうしよう」と。しかし今でも、「Sさんがあの赤ん坊の目を、故意に潰したのではないかと、疑わずにはいられない」と母に言ったそうです。あの時、祖母が産婦さんの陣痛の声でぱっと目が覚めたときの違和感は、後に冷静になって考えると、「Sさんはなぜ私に一言、『起きて』と声をかけてくれなかったのか」ということだった。Sさんが一方的に、その産婦さんに何か恨みを持っていたのではないか、それとも、祖母の思い違いで、その子は本当に障害児として生まれてきたのか、今となっては何も分からないそうです。
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