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おともだち
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今度結婚式をあげることになったため、 実家に戻ってメモリアルビデオ用の写真を見つくろっていた時、 母が幼稚園の頃の私の写真を見ながら、 ぽつりぽつりと話してくれました。 幼少期の私は本当に手がかからない子で、というのも、 病的なまでによく眠る子で、 両親の経営する店の二階で、 ずーっと一人で眠らせていたそうです。 起きている時は大体独り遊びしていたのですが、 たまに行方不明になることがありました。 歩けるとはいってもそんな遠くまで行けるはずがなく、 もしや誘拐かと心配していると、 いつの間にか元の場所で眠っていた…というお騒がせ娘でした。 そんな私も成長し、 店からすぐ近くの保育園に通うことになった初日のことです。 初日なのでお昼には家に帰ることになり、 私は一人で両親の待つ家に向かいました。 保育園から店へは、 子供の足でも3分とかからないはずなのですが、 いつまでたっても帰ってこない。 心配した母が保育園まで行ったのですが、 どこにも私はいませんでした。 そこからが大変で、 家族・保育園の先生が総出で近所中探したのですが、 私の姿を見た人すらおらず、 親戚や近所の方にも協力してもらって、 大捜索が始まりました。 が、それでも見つからないまま時間が過ぎ、 そろそろ暗くなるから警察に行こうかと相談していた矢先に、 のんきに眠る私をつれた祖母が帰宅しました。 川辺を一人歩いていたらしいのですが、 その川は保育園から車でも30分かかる距離。 母が私を問いただすと、 「おともだちの家に行っていた」 と言うのです。 しかし、 保育園にはそんな遠くに住む子がいるはずもなく、 しかも私は車になんか乗せられていないと言い張る。 結局、私がどうやってそこまで行ったのかはわかりませんでした。 その後、 保育園は必ず誰かが送り迎えすることになり、 私が行方不明になることもなくなったのですが、 二回目の事件は、私が小学校入学直後に起こりました。 さすがに小学校まで毎日送り迎えする訳にもいかず、 集団下校もあるから大丈夫だと思っていたのですが、 その日は好きなアニメが始まる時間まで私が帰って来なかったのです。 クラスメイト全員の家に電話しても見つからなかったので、 再び大騒ぎになり、親戚中が車を出して探し回ることに。 そして前回と同じ川辺で、 今度は泣きじゃくっている私を見つけました。 「ひいじーちゃんに怒られた」 と泣いていたそうです。 以下、泣きまくる私をなだめながら聞き出した話。 『おともだち』と出会って、 彼(彼女?)の家に遊びに行ったけれど、 家が閉まっていて入れなかった。 (歩いて行ったらしい) 『おともだち』が無理やりドアを開けようとすると、 中から大きな声が。 「○○(私)、何しよんぞ!!!!」 「なんでここにおる!!はよ帰れ!!!」 それは間違いなく曾祖父の声。 普段穏やかな曾祖父が怒った時の恐ろしさを知っていた私は、 怖くなり帰ろうとしたけれど、 『おともだち』が手を離してくれず、 笑いながらまだ家に引き込もうとする。 結局その手を振り払い、 曾祖父の声が聞こえなくなるまで逃げてきた。 けれど、 逃げた先が全く見覚えのない場所で、 途方にくれて泣いていた。 と、ここまで読んでくださった方は、 おそらく見当がついているかとは思いますが、 曾祖父は私が小学校入学の直前に亡くなっていたのです。 (私自身はまだ幼く、ちゃんと理解できていなかった模様) さすがに母も、 『おともだち』がこの世のものではないとわかって怖くなり、 もう二度と『おともだち』とは遊ばないでくれと私に言い含め、 曾祖父の仏壇に念入りにお礼を言いに行ったそうです。 その事件以降、 私の行方不明癖はぴったりと止みました。 ひいじいちゃんが守ってくれたのだと思います。 というか、 オカルトとはまったく縁がなかった人生なので、 そんな話を聞いてかなりびっくりしました。 私の見つかった川は水難事故が多く、 現在では立ち入りできないようになっているので、 『おともだち』は、 やっぱりたちの悪い何かだったんでしょうね。 あの時曾祖父が止めてくれなかったら… とちょっと怖くなりました。 式の後には、 ゆっくり曾祖父の墓参りに行きたいと思います。
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