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死んだ爺さんの最期の悪戯
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死んだ爺さんの最期の悪戯30年ほど前の元旦、豪雪地帯のド田舎に暮らしている父方の婆さんから「爺さんが死んだ」と電話があった。婆さんがちょっと目を離したスキにモチを詰まらせ、気が付いたらポックリ逝ってたとのことだ。すぐに全国から親族が集まり、総勢40人ほどが一堂に会した。 みんな突然の爺さんの逝去に取るものもとりあえず駆けつけたという慌てっぷりだった。なので足りないものは現地で買うことになる。加えてド田舎であるがゆえに火葬場やお寺はまだしも、葬儀屋や仕出し弁当等が手配できなかった。しかしボケて引退したとはいえ爺さんはかつてこの集落をメインに坊さんをやっていた。その影響でどれほど徳があるのか知らんが、婆さんもお経をフルコーラスで読破できるようになっていた。よって婆さんの指示で通夜から火葬まで、全てを執り行うこととなった。食事一つとっても40人分となるとそこは戦場。「あれがない!」「大至急これ買ってきて!」と簡単なお使いに何度も行かされた。気が付けば野戦病院のような、台本無し&ぶっつけ本番&ぬるぽな葬儀はどうにか終わった。大往生だったこともあり、悲しさよりも「やっと終わった」「皆さんお疲れさま~」という安堵感が漂い始めた。ここで大人が我々子供の存在に改めて気づく。「正月だというのにお年玉もなくてごめんなさいね」と。いやいや、いくら子供とはいえそれぐらいの分別はついている。とはいえ貰えるものは素直にほしいと思うのもまた子供だ。ふと一人の叔母さんが俺に「まずこれで福引を引いてきてほしいの」と頼んできた。見ればコンビニ袋にどっさりと福引券が。総額は不明だが、葬儀に際して商店街に80万ぐらいは落したのではないかとのこと。チリも積もればとはいうものの、それにしてもよくこんだけ福引券が貯まったものだ。買い物をしたのは婆さんのいるA村字B商店街だが、抽選会はA村メイン商店街で行われていた。「字Bの○○爺さんのお孫さんでしょ?せめて遅い福が当たるといいね」と言われたことを覚えている。巨大な抽選箱に手をつっこむとすぐに異変があることに気付く。俺が自分の意志で券を引く前に、箱の中に手があって『これを掴め』と別の券を押し当てるように薦めてくる。なぜか不思議と怖い感じはしなかった。むしろそうするのが当たり前であるかの如く、「あ、これ爺さんの悪戯だな」と自然に受け入れた。最初の一枚がいきなり\\5,000の商品券だった。その後も手に誘導されるままに引いたらほとんどハズレなし、さらに\\30,000、\\50,000と高額当選が連発。そしてついに一本ずつしかない一等の\\100,000(商品券)と特等の大型テレビを射止めてしまった。最初の内は「おめでとうございま~す」とカランカラン鳴らしていた商工会の人も、後の方は(゚д゚)ポカーンだった。当初の福引券並に嵩張った商品券をドッサリ持ち帰ったらみんな大喜び。字B商店街に費やした分はほとんどプラマイゼロ、大型テレビ含めたら思いっきり黒字だったそうだ。商品券はA村でしか使えないので婆さんにプレゼントし、代わりに婆さんからたくさんお年玉をもらった。文字通り盆と正月と葬式が一度にやってきたお祭り騒ぎとなった。さて、故人の爺さんだが、生前は「素晴らしいお坊さん」「あんななまぐさ坊主」と人によって評価はバラバラだった。どうも好き嫌いで仕事を選んでいたらしく、嫌いな檀家の所は平気でスッポかすわ二日酔いで行くわ、逆に気に入った檀家からはほとんどお布施を受け取らず、またもらったとしても檀家と一緒に飲み明かしたり。だから僧侶とは名ばかりで、いつも貧乏して婆さんは苦労していたらしい。あの福引は「婆さんには特に迷惑かけたからな」と最期の懺悔のメッセージだったのだろうと思ってる。
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