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家族でハイキング

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• 家族でハイキングとは

  身近で起こった怖〜い話①

• 友人の話。
  
  家族で近場の山にハイキングに出かけた。
  
  昼時に弁当を広げていると、
  子供が手にした林檎を取り落とした。
  
  コロコロと下草の間に転がっていく果実を、
  子供は慌てて追いかけて行った。
  
  笑いながらそれを見ていると、
  耳元で声がした。
  
  「それもおくれ」
  
  ギョッとして振り向いたが誰もいない。
  
  
  
  
  
  「あれ？」
  
  という妻の声に目を戻すと、
  もう一つあった筈の林檎が失くなっていた。
  
  やがて子供がしょんぼりとした様子で帰ってくる。
  
  「林檎、失くしちゃった」
  
  と情け無さそうに言う我が子に、
  
  「いいから、いいから」
  
  と取りなして座らせ、
  弁当の残りを平らげさせた。
  
  声が聞こえたのは彼だけだったようで、
  家族には黙っておくことにした。
  
  今でも時々そこに遊びに行っているらしいが、
  あれ以来声は聞いていないそうだ。
  

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