怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
駆け下りる音
お気に入り
1078
45
0
1
長編5分
コピー
「駆け下りる音」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
父から聞いた話。その日、父がテントを張ったのは、崖?急斜面?(石がゴロゴロしている)を下った所にある水場の近く。眠っていると、ガラガラと斜面を駆け下りる音が聞こえて来る。こんな時間に降りてくるとは大変なこった、と思いつつ、うとうとしていたが、音はなかなかやまない。ああ、結構な人数がいるんだなぁと思いながら、懐中電灯を持って外に出た。外に出ると、他のテントからも顔を覗かせている人がいた。 その人と一緒に、懐中電灯で合図を送る。「気をつけろよー!こっちだー!」と声を掛ける。男達(女もいたかもしれないが暗くて見えない)は、岩場をガラガラと音を立てながら下ってくる。どうも学生の様に見えたそうだ。立派な装備を持っている。しばらくして全員が降りて来た。登山部の学生達だったそうだ。学生達は「助かりました」「ありがとうございます」と口々に言うと、水場に向かった。リーダー格らしき男に、「今からテント張るの?手伝おうか」と声をかけると、男は「大丈夫です、本当にありがとうございました」と微笑み、同じ様に水場へ向かっていった。父はしばらくその姿を眺めていたが、明日も早い事を思い出した。一緒に学生達を誘導した男性に声をかけ、テントに戻った。朝、目覚めてテントを出ると、学生達の姿がない。もう出発したのか、元気だなあ、と思いつつ煙草を吸っていると、同じ場所でテントを張っていた初老の男性が声を掛けて来た。「あなた、昨日の夜、学生さんに会ったかね」「え?ああ、はい。夜中に崖を降りる音が聞こえたので。若い奴は無茶をしますね。もう出発した様ですが」と答えると、男性は「そうですか」と言って渋い顔をした。父は意味が分からず「?」だったが、しばらくすると、昨日一緒に学生を誘導した男性が、テントから出て来た。「おはようございます」と声をかけると、男性は憔悴した顔をしている。「どうかしましたか?あの学生達はもう出発した様ですよ」と言うと、男性は「昨日、あなたがテントに戻った後・・・」と話し始めた。男性は父がテントに戻った後も、何となく学生の姿を眺めていた。学生達は喉が渇いていたのか、皆で水場で水を飲んでいた。よっぽど水が飲みたかったのか、皆、真剣に飲んでいる。しばらくすると学生達は満足したのか、水場を離れた。そしてそのまま、スーっと崖の方に向かって行ったのだそうだ。男性は「おい、もう遅いんだから、今日はここで休んだ方がいいぞ」と声をかけたが、学生達は微笑みながら「ありがとうございました」「やっと水が飲めた、満足です」と言って、そのまま行ってしまった。学生達は崖を登って行く。なのに何の音もしない。そこで男性は、この学生達はもう生きていないんだ、と気がついたそうだ。ずっと水が飲みたくて、そして彷徨っていたんだ、と思うと急に恐ろしくなって、急いでテントに戻って、朝まで震えていたと言う父は「そんな馬鹿な」と思ったが、何か言う前に初老の男性が先に言葉を発した。「ありがとうございました。あいつら、やっと成仏出来ました」初老の男性は手を合わせて、涙を流した。詳しく話を聞くと、初老の男性はあの学生達の中の1人の父親で、学生達は数年前に、この山で遭難して亡くなってしまったんだそうだ。それからと言うもの、事故が起こった日が近づくと、初老の男性はこの山に登る様になった。いつもこの場所にテントを張るが、真夜中になると崖を駆け下りる音が聞こえていたそうだ。男性はその音が聞こえると、いつも念仏を唱え、成仏を願っていたと言う。「そうか、あいつら水が飲みたかったんですねえ。私は気がつく事が出来ず、ただただ念仏を唱えるだけで・・・」と初老の男性は涙を流し続けた。その後、父は何度かその場に向かい、タバコとお酒を供えたそうだが、もう二度と、真夜中に崖を駆け下りる音は聞こえなかったと言う。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった45
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
感情に寄り添う支援の技術 : 感情の「移動」を支えるまなざしと構造
【フルカラー】茉莉花ちゃんの好感度はぶっ壊れている(1) (トライゾン)
松本透はゴリラ妻とプリティ娘とツンデレ息子を愛しすぎてる 1巻
【フルカラー】茉莉花ちゃんの好感度はぶっ壊れている(2) (トライゾン)
山小屋あひるのぴーちゃんの話: ヨコ
診える医師(1) (コミックゲンま!)
名無し
崖に戻ってしまうのか... 山から離れられないのかな。
前の話:【じわ怖】蛇殺し
次の話:【じわ怖】彼女と登山
怖い話 No.12771
【じわ怖】聞き慣れない音
1230
40
短編1分
怖い話 No.5554
【じわ怖】個室から声がした
1090
34
中編3分
怖い話 No.18554
【じわ怖】肝試し帰りとおぼしき4人組
1552
28
短編2分
怖い話 No.15484
【じわ怖】四葉のクローバーは幸福をもたらす意味があるらしい
1218
33
2
怖い話 No.19003
【じわ怖】霊視能力を使って蒸発した父親を探せ
朗読 OCCULT HITORI 怪談朗読ラジオ オカルトヒトリ
1642
怖い話 No.21878
【じわ怖】よくないもの
1308
29
長編11分
怖い話 No.12496
【じわ怖】当たり屋幽霊
1504
31
怖い話 No.19032
【じわ怖】打ち付けられた人形
1803
16
怖い話 No.4662
【じわ怖】初恋の相手と遊んだ
2109
42
怖い話 No.5510
【じわ怖】波間に人形が浮いている
1281
37
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
保母さんが妊娠
熟女体験談逆周り
電気つけずに台所でバナナ食ってた
卒業式後の日曜日
苦労を支えあった義母との思い出
冒険生活送ってた
ジョージアの謎
コンビニの外にいた男