怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
何故か親の車だと思っていた
お気に入り
1318
41
1
0
長編8分
コピー
「何故か親の車だと思っていた」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
不思議な体験っていうか、つい昨日の夜に体験した出来事なんですけど…。長くなりますが、もし同じような体験された方がいましたら、ご意見きかせて頂きたいです。私の実家はかなり田舎の田園地帯にあって、駅から徒歩で30分から40分くらいかかるので、夕方以降はいつも最寄りの駅まで親に迎えにきてもらってるんです。 で、昨日もサークル終わりで終電帰りになっちゃったので、最寄り駅のちょっと手前くらいで、迎えに来てもらえるよう親に連絡しました。それから駅に着いて、いつも通り何の躊躇いもなく迎えに来てくれた親の車に乗ったんです。ところが、私が乗った車は親とは別の人の車でした。この時私は歩きながらスマフォの画面をずっと見ていたので、親の車かきちんと確認せず乗車したのですが、駅といっても田舎町で終電でも殆ど人はおらず、大体うちの車しか止まっていないことが多かったので、全く疑ったりもしなかったんです。私を乗せた車はいつものようにそのまま発進しました。いつも自分が乗っている車の雰囲気くらいは分かりますし、全く知らない赤の他人の車に乗ってしまっているなんて、普通は絶対気づくと思うんですが、その時は何故か心の底から本当に親の車だと思っていて、ごく普通に車に揺られながらスマフォを触っていました。私を乗せた車の運転手は黒い服を着て帽子を被った男の人でしたが、顔は暗くてよく見えませんでした。私は親と会話するみたいに、ごく普通に男の人と会話をしました。今思えば気付かない方がおかしいと思うくらい変な状況なんですが、その時は本当にその人を親だと思い込んでいて、何の違和感もなく、他愛もない日常会話をしていました。車内はうちの親の車よりも随分と小奇麗で、車内にはラジオ?みたいなのがかかっていて、前方のスピーカーから女の人がぼそぼそ喋っているのが聞こえました。私は何故かそのラジオが気になって、「ラジオ聴きたいから音おっきくして」と何気なく言いました。男の人は「うん。でも長男が起きるから大きい音はあかんわ」と言って音量を上げてはくれませんでした。それから男の人は、私が何を言ってもぼそぼそと聞き取れない言葉しか返してくれなくなりました。その時の私は、『私が何の連絡もせず終電での帰宅になってしまったので、機嫌が悪いんだ』と思っていました。それから車はどんどん走り続けました。いつもなら7分くらい、長くても10分はかからない程度で帰れるはずなので、もう家に着いていてもよいはずです。そこで初めて怪訝に思った私は、今どこを走っているのか確認するために窓の外を見てみました。そして驚きました。私を乗せた車は、トンネルを通過している途中でした。勿論、帰路にトンネルを使用したことなどありません。は!?と思わず声をあげそうになり、そこで初めて親ではない、別の誰かの車に乗ってしまっていること、今まで親と信じ込んでいたこの男の人が、何の面識もない赤の他人であることに気が付きました。私の胸に猛烈な恐怖が波のように押し寄せてきました。それまでは男の人と普通に喋っていたのですが、誰だか分からないと気付いてしまった今では、もうまともに声を出すことすらできません。そしてそれから、今まで私が何か話しかけても消え入るような声でしか返してこなかった男性が、いきなりはっきりとした声で話しかけてきました。内容はあんまり覚えていませんが、「今日の昼は母さんの弁当食べたんか」「破竹の勢いで長男が成長しとる」「お前もはよう結婚せえ。じいちゃんが見合いの写真見ながら、仏壇の前で心配しとるで」というようなことでした。私は男の人の喋り方に、なにか形容しがたい違和感を覚えました。言葉は完全に私に向けてなのですが、なんというか…私に話しかけているというより、ずっと一人で喋っている感じなのです。大きすぎる独り言、と言うとイメージしやすいかと思います。大体察してもらえるかと思いますが、男の人は田舎特有の古風な話し方でした。車はやがてトンネルを抜け、両脇が木々に囲まれた一本道を突き進み始めました。私は、自分が誘拐されてしまい、どこか知らないところに連れていかれるのではないかと思い、勇気を振り絞って何かを言おうと思いましたが、こういう時に限って何も言葉は出てきません。でもこうしている間にも窓の外の景色はどんどん木々を濃くしているようで、そっちの方が恐ろしくなり、私は蚊の鳴くような声で「あなたは誰ですか」と言ってみました。すると今まで喋り倒していた男の人がぴたりと黙り込みました。私はもう泣きそうになって、冷や汗がとめどなく流れ、心臓がばくばくと波打ち、本格的に気分が悪くなってきたので、その勢いで「車酔いで吐き気を催したので、降ろしてほしい」と言いました。男の人は黙ったままでしたが、その後路肩に停車してくれました。私はすぐに降りました。そしてそのまま車の進行方向と逆の方へ、一目散に逃げました。一瞬たりとも振り返らず、息もせず、もうこれ以上走ったことがないくらい走って走って、先ほど通過してきたトンネルが見えた辺りで立ち止まって、泣きながら親に電話しました。親は電話越しにとても心配しており、迎えに来てくれとの連絡から一時間以上も帰ってこないので、警察に連絡しようかというところだったそうです。何度も連絡をくれたらしいのですが、私のスマフォにはそのような連絡は一切入っていませんでした。それから親がスマフォのGPS機能で場所を特定してくれましたが、私の居た場所は京都府の山の中だったそうです。実家は奈良県なので、あの最寄り駅からこれだけの距離を知らない人の車に乗せられて来たのだと思うとまた怖くなり、あの男の人が車に乗って追い掛けてくるかもしれないという不安も重なって、道路の端っこの方で隠れるように小さくなりながら、迎えが来るまでひたすら泣きました。男の人は幸い追い掛けてはきませんでした。従姉妹夫婦がたまたまが私のいる場所の近くにいたそうなので、暫くして迎えに来てくれました。私は従姉妹夫婦の顔を見た瞬間、大声をあげて泣いてしまい、車の中でもずっと泣いていました。落ち着いてきたころに従姉妹夫婦に事情を説明すると、従姉妹夫婦は「たちの悪い不審者ではないか」と言いました。それから家まで送ってもらい、私は無事に帰ることが出来ましたが、一晩たった今でも恐怖が拭いきれずにいます。何だか不思議な感覚ですが、男の人の声や後姿は今でも鮮明に思い出せますし、車の匂いやラジオから流れていた女の人の声もはっきり覚えています。あのままどこか知らない場所に連れていかれていたらと思うと、背筋が凍るような思いです。それと、私は男の人とは会ったことは勿論見かけたことすらなかったのですが、男の人は私のことを知っている感じでした。私が色々と気付く前に日常会話をしていたとき、普通に大学の名前や勉強のことについて言われたり、私が好きなお酒が家にあることを言ってくれたりしていたので。ですが、私には妹はいますが、男兄弟はいません。祖父はとっくに亡くなっています。やっぱり男の人は私を誰か別の女性と間違えていたのでしょうか?でも何度思い返しても、あの男の人は私を誰かと間違えて会話していたのではなく、私のことを私だとちゃんと認識した上で話していたように思うんですよね。私の話は以上です。皆さんのご意見きかせてください。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
1人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった41
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
美味しいご飯が食べたくなる漫画⑦: おばあちゃん編 美味しいご飯が食べたくなる漫画【にしみつ】
追放された元雑用係、規格外の技術で「最高の修繕師」と呼ばれるようになりました~SSSランクパーティーや王族からの依頼が止まりません~2巻 (グラストCOMICS)
勇者パーティから追い出された不遇職【罠士】、ユニークスキル【矢印】で最強になる【電子単行本版】1 (comic スピラ)
スキル【再生】と【破壊】から始まる最強冒険者ライフ~ごみ拾いと追放されたけど規格外の力で成り上がる! ~2巻 (グラストCOMICS)
解雇された宮廷錬金術師は辺境で大農園を作り上げる~祖国を追い出されたけど、最強領地でスローライフを謳歌する~2巻 (グラストCOMICS)
解雇された宮廷錬金術師は辺境で大農園を作り上げる~祖国を追い出されたけど、最強領地でスローライフを謳歌する~1巻 (グラストCOMICS)
前の話:【じわ怖】他人の恐怖体験
次の話:【じわ怖】視える奴が全国から集まってくる学校
怖い話 No.12600
【じわ怖】チョコも受け取って貰えず
1132
42
2
短編2分
怖い話 No.5323
【じわ怖】事故処理
1508
32
中編3分
怖い話 No.13435
【じわ怖】体育館の階段
1384
22
短編1分
怖い話 No.21809
【じわ怖】瑕疵物件
813
5
長編5分
怖い話 No.5674
【じわ怖】友達と歩いていたら携帯に電話がかかってきた
1014
30
怖い話 No.4488
【じわ怖】腹具合判断能力
1389
52
怖い話 No.11838
【じわ怖】家賃がその部屋だけ1万円以上安かった
1542
怖い話 No.4052
【じわ怖】6年間住んでいた賃貸マンション
1439
38
怖い話 No.5442
【じわ怖】自称人造人間
1011
怖い話 No.13499
【じわ怖】古い家の天井裏
1360
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
熟女体験談逆周り
電気つけずに台所でバナナ食ってた
卒業式後の日曜日
苦労を支えあった義母との思い出
冒険生活送ってた
ジョージアの謎
コンビニの外にいた男
牙