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深夜のスタジオのトイレ
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初夏の頃の事です。 駆け出しのアレンジャーがいました。 仮に名前をAとします。 Aはその日、 都内の某スタジオでレコーディングをしていました。 そのスタジオは1階が ロビー、受付、守衛室、駐車場。 2階はA~Cスタジオという風に 3つのブースに分かれていて その日は2階のBスタでの作業となっていました。 アーティストとその関係者は既に帰った後で BスタジオにはAとエンジニア、 そしてアシスタントの3名のみです。 時間は深夜3:00を過ぎようとしていました。 コーヒーの飲み過ぎか腹の具合が悪くなったAは 作業を中断してトイレに行きたくなりました。 「ごめん、ちょっと…」 二人を部屋に残してAは廊下に出ました。 スタジオの中は冷房と除湿が効いていますが、 季節がら廊下は湿気を含んだ ぬめっとした空気につつまれていました。 廊下を曲がり、 暗くなったAスタとCスタを過ぎて突き当たりまで来て、 普段なら常に電気のついているはずのトイレの蛍光灯が 消えているのに気づきました。 明かりといえば 階下から洩れてくるロビーの明かりと非常灯のみです。 「誰か消しちゃったんだな、 ここまで消えてると流石に恐いな…」 そう思いつつ Aは蛍光灯のスイッチを入れました。 ブ…ゥン 微かな音を立てて蛍光灯がつきます。 そしてトイレに足を踏み入れた途端 Aは自らの異常に気づきました。 全身の毛が逆立っているのです、 とともに悪寒が身体を包み込みます。 空気も肩にのしかかるように重く 淀んでいる気がしました。 しかしAは自分の肉体が発している警告を 信じる事が出来ませんでした。 もともと霊感も無く 休憩時間に前述の二人と スタジオにまつわる怪談話をしたせいもあり、 怖じ気付いてるだけだと思ってしまったのです。 何より下腹部の事情も事情です。 思い直して 奥の一つしかない大便所へ足を運びました。 ガチャッ。 「あれっ……」 鍵がかかっています。 ちょっと間をおいて コン、コン、と ノックが2回返って来ました。 全身の血の気が引いていきます。 「真っ暗なトイレでこいつ何やってたんだ?」 なによりAは知っていました。 他のスタジオで仕事をしてた人達は 12:00過ぎにはみんな帰ってしまっていた事を。 1階に残っていた守衛達は 1階のトイレを使う事を。 「だ…誰!?」 思わず声が出てしまい 入り口の洗面台まで後ずさった瞬間、 そのドアがゆっくりと開きました…。 ドアノブを支える手が見えました。 日に焼けて無い真っ白な手です。 そして次に顔が半分ぬぅっと覗きました。 男の顔、 目はじっとこちらを見据えていました。 なんの表情も読み取れない 人形のようなその顔は蛍光灯に照らされて、 さらに青白く血管までが透けて見えそうな程です。 しかしAが感じた違和感はそこではありませんでした。 「か、顔の…位置が……」 その男の顔は半開きになったドアに伸びた手のずっと下、 床のすぐ上にありほんの少し首を傾げた形で、 まるで床に置いた生首のように見えました。 顔が覗く位置が あきらかに人間のものとは違っていたのです。 「ギャアアアァーーーッ!!!!!」 弾かれたようにAは駆け出しました。 無我夢中で転げながらスタジオに戻ると 二人を呼び顛末を話しました。 声を聞いて慌ててやって来た守衛達も連れて 恐る恐るトイレに戻ってみると、 その男の姿は既に霧のように消えてしまっていました。 その後Aが守衛に聞いたところ、 スタジオの出入りの人数は(盗難防止の為) 厳しくチェックされており、 確かにその日はBスタの3人と守衛が2人しか構内に残っておらず、 その時間2階のトイレに入っていた者は皆無との事でした。 念の為全スタジオ内を捜索しましたが、 やはり他に誰も残ってはいませんでした。 「……以前からここはよくでるらしいんです。 なんてったってこれですから」 トイレに戻った時に守衛のひとりがそう言って、 洗面台の脇にある窓を空けました。 スタジオの裏手にある小山が眼前にせまり まばらに竹が生えていて急斜面が上に続いていました。 見上げると上の方に無数の石碑のような… …ぞっとしました。 「ほらこっち墓場でしょ? 降りて来てここに溜まるらしいんですよ。」 …俺の体験なんですけどね。 あれ以来霊の存在を信じざるを得なくなっちゃいました。 ちょこっとだけ設定は変えてありますが実話です…。
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