怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
頭を振動させるような声
お気に入り
1386
31
0
長編5分
コピー
「頭を振動させるような声」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
友達の姉(仮名H子)がしてくれた話。 本人の体験談とのこと。 ある夜、友達と三人で 市内の高級住宅地にある不気味な廃屋に行くことになった。 そこは小高い山の中腹にあって、 廃屋とはいっても実際は超高級な一戸建だ。 ただ噂によると、 そこでは以前、家族内での惨殺事件があったらしい。 (真偽不明) 懐中電灯を片手に、三人で家に入ってみた。 多分噂を聞きつけて探検しにきた 同じような連中のしわざだろう、中は荒れ放題。 怖々広い家の中を歩いていると、 かなり妙な間取りだということに気づいた。 「金持ちの考えることだから、 わたしたち凡人のセンスじゃ解らないんだろう」 そう思った。 キッチンをほぼ中心として、 それぞれ部屋や浴室が割り振られている。 が、浴室に入ってみると、 反対側(つまり入り口の向かい)にもドアがあり、 その奥には普通の和室があったりした。 問題は、その和室だった。 懐中電灯で照らされたその部屋の四方の壁という壁には、 筆字の走り書きで、 お経らしきモノがビッシリと書き込まれていたのだ。 まるで耳無し法一の体に書き込まれた経典のように、殆ど隙間なく。 それにおののいた彼女達は、 叫び声を挙げながらその場から逃げようとした。 しかしその時、 一人が持っていた懐中電灯が落ちてしまった。 その懐中電灯の明かりの下には、 黒ずんだ巨大なシミが広がり、 その周りでは黒点がまるで這うように飛び散っている。 彼女たちは恐怖のあまり混乱し、 足がすくんだまま動けなくなった。 すると頭の中で、低くて太い、 そして頭を振動させるくらいの声らしきものが聞こえてくるのだ。 『・・・き、聞こえる?』 『・・・・○ちゃんも?』 お互いうなづき合う三人。 心臓が胸を突き破って出てくる程の恐怖の中 必死で懐中電灯を拾い、 そこまで来た経路を引き返し逃げた。 走って、走って・・・。 やっとのことで、車までたどり着いた。 そのままそれぞれの家に帰るのが怖かった三人は、 H子の自宅に寄ることにした。 なんとか気を紛らしたかった彼女たちは、 しきりに今し方見てきたものを 「誰かがいたづらで書いたり、 塗ったりしたもの」 にしようと、夢中で笑い合った。 そうすることでなんとか気持ちの高ぶりを押さえた彼女たちは、 すっかり朝になってから、 やっとそれぞれの自宅で眠りについた。 H子の部屋は、妹の部屋の隣にある。 H子が眠ってしばらくすると、 階下の家族も隣の妹も起き出している様子だった。 なかなか熟睡とまでは行かなかったH子は、 家族のざわめく音をなんとなく聞いていた。 それからどれぐらい時間がたったのだろうか。 H子は暗くなった部屋の中で目を覚ました。 良く寝た... と伸びのひとつでもしたかったのだが、 体が動かない。 目だけは開いたまま、 金縛りになってしまっているようだ。 金縛りは初めてではなかったので、 怖いとは思いながらも時間が経てば解けると思った。 でも、全く解けて行かない。 瞬きもできなくなってきた。 鼓動が鼓膜を震わせる。 H子は夕べの出来事を思い出していた。 いや、無理矢理にでも脳裏に浮かんでくるのだ。 手足が冷たくなっていくのが、 自分でも良く解る。 声を出そうにも、 唇は動くのだが舌が喉の奥で縮こまり、 息も酷く苦しい。 心臓の音が一度打つたびに、 視界にあの部屋で見た筆書きの経が飛び込んでくる。 やめて・・・・やめてやめて! 心の中で叫ぶH子。 やがて・・・・ 『怖い!』 彼女の口がそう叫んだ。 いや、確かに叫んだはずだ。 口が動いたのが自分では良く解ったのだ。 だけれど声が出ない。 なぜ?金縛りが解け懸かったんじゃないの? そう思ったところで、 彼女の耳に聞こえてきたのは 『ごぉ~・・・わぁ~・・・い゙ぃ~・・・・・』。 低くて太くて、 頭を振動させるようなあの声。 誰?誰が私が叫んだことを繰り返して言っているの? 部屋には私しかいないのに? 彼女はもう一度叫んでみた。 『助けて!!』 でもまた声が出ていない。 ほんのちょっとの間を置き聞こえてきたのは、 『だ~・・・ず~・・・げぇ~・・・でぇ~~~』。 違う!何で? 私の声じゃないし、どうして後から聞こえてくるの? 『やめて!!』 『や~・・・めぇぇ~~~~・・でぇぇぇぇ~~!!』 次第に大きくなるその声。 H子は、 家族に助けを求めようと、 再び叫ぼうとした。 『おかーさん!!!』 『おぉ~!とぉ~!!お~~!!ざぁ~~!んんーーーっっ!!!』 最後にその声は『おとうさん』と叫んでいた。 それに気づいたH子は、 一瞬のうちに眠りに落ちていた。 H子さんが次に気が付いたときは、 夕方だったそうで、 しかも、家族の話によると。 明け方に眠ったままその時間まで寝てたって。 つまり、夜などは来るわけもないってことで、 彼女は昼間のうちにその現象と遭遇していたということになる。 H子さんの妹(私の友人)はその日、 姉が隣で眠っていた間 自分の部屋で本を読んでいたらしいんだけれど、 隣の部屋が五月蝿いなーと思っていたとのこと。 ドスンドスン聞こえたり、 姉が寝ぼけて『助けて』なんて言ってるのを聞いて、 「助けてほしけりゃ起きなさい」 って思ってたって。 でも起こさなかったのは、 男の人の声も何度か聞こえたから 夜遊びして誰か連れ込んでるのかな? じゃれ合ってるのかな? って思って、気を使ったそうな。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった31
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
僕が死ぬだけの百物語(1) (サンデーうぇぶりコミックス)
N 1 (電撃コミックスNEXT)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
前の話:【洒落怖】じいちゃん
次の話:【洒落怖】人の頭
怖い話 No.9178
【洒落怖】車中泊
朗読 オカルトヒトリ 怪談朗読ラジオ
1926
46
中編4分
怖い話 No.9285
【洒落怖】てくれ
1433
48
短編1分
怖い話 No.17257
【洒落怖】悪魔の専門書
1443
怖い話 No.21449
【洒落怖】九州の名家
1177
32
短編2分
怖い話 No.7188
【洒落怖】残像
1368
27
中編3分
怖い話 No.266
【洒落怖】よく頑張りましたね、峠は越えました
1712
25
1
怖い話 No.9755
【洒落怖】カナヅチになった理由
1449
51
怖い話 No.14952
【洒落怖】サボテンの花
940
40
怖い話 No.8103
【洒落怖】ピエロの飴玉屋
1196
38
怖い話 No.9171
【洒落怖】深夜に苦情
1212
42
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫