怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
鏡の向こう
お気に入り
2161
32
0
長編6分
コピー
「鏡の向こう」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
小学四年生の時の話。 当時俺は団地に住んでた。 団地といっても地名が○○団地ってだけで 貸家が集合してる訳じゃなく、 みんな一戸建てにすんでるようなとこだった。 当時すでに高齢化が進んでいた地域だったため、 同じ学校の生徒、 ましてや同級生なんてほぼいなかった。 だから俺は自然と二つ上の兄貴と その友達と遊ぶことが多かった。 その団地には兄貴とタメのやつが他に二人いて、 名前を田中、林といった。 俺が入学した頃から その四人でよく遊んでいた。 四年の春にその団地に転校生がやって来た。 名前は慶太といって兄貴と同学年だった。 遊び相手が増えた俺たちは慶太を誘い、 毎日日が暮れるまで遊んだ。 最初こそ慶太は俺たちを拒んでいるような雰囲気を醸し出していたものも、 日が経つにつれてそれはしだいに薄れていった。 慶太が越してきてはじめての夏。 新たな仲間を迎え入れた俺たちは 五人の秘密基地を作ることにした。 秘密基地といっても ただ藪の中に空間をつくって そこに段ボールやら敷物やらを置いただけの稚拙なものだったけど、 当時の俺らには特別なものに感じられた。 兄「ここは俺らだけの秘密基地やけん 絶対誰にも言うたらいかん」 完成直後、兄貴がいった。 田中「そらそうやわ。 なんのための『秘密』なんやって話になるわ」 林「ほやけど 絶対話さんてホショーは誰もできんよな」 兄貴達がいかにこの秘密基地の存在を知らしめないようにしようかと話し始めた。 「ばらしたらぼこす」 だとか 「駄菓子屋で500円分みんなにおごる」 だとか色々な意見が出て 話がまとまらなくなったとき、 今まで黙っていた慶太が口を開いた。 慶太「皆で秘密をいいあったらええやん」 兄「言い合う?」 田中「みんなで自分の秘密を教えあって、 基地のことを誰かが言うたら そいつの秘密をばらすってこと?」 慶太「そういうこと」 まぁそれならと話がまとまり みんな自分の秘密を言い合った。 俺は兄貴の部屋のエロ本の隠し場所を話したが 「俺の秘密じゃねぇか」 と兄貴に殴られた。 多少の血は流れたものの、 順番は慶太になった。 慶太「これは誰にも言うたことない話。 俺が今からする話は全部ほんとのことやけん。 俺の越してくる前の話なんやけど」 慶太は俺たちを見回した後に話を続けた。 慶太「俺な、鏡の向こうからきたんよ」 俺たち四人には意味がわからなかった。 慶太「今年の春休みのある日、 朝起きて顔洗おうとして洗面所いったんよ。 そんとき俺んなかで文字を鏡写しに書くんが流行っとって、 その日たまたま鏡に息吹き掛けて そこに文字を書いたんよな。 『いきたい』って。 そしたら閉めとったはずの戸が開いたんよ。 全開。鏡ん中で。 振り返っても実際しまっとんやけど 鏡ん中やと開いとんよ。 これは面白そう思てさ、 戸の向こうに行こ思たんやけど後ろの戸はしまっとるわけやん? どうにかして行ってみよて考えて、 戸を半開きにしてみたんよね。 そうすると鏡ん中も後ろも半開きなわけよ。 きたわ!ってなってその隙間から出るやん。 でも戸出たらいつもの部屋なわけよ。 でもなんか違和感があったんよね。 なんやろ思たらさ、 間取りが鏡写しになっとることに気づいたんよ。 意味わからんなって泣きそうになったらさ、 リビングの戸が開いておとんがでてきたんよね。 いつもと変わらんおとんみたらちょっとだけ安心してさ、 『新聞とってくる!』ていって玄関までいったんよ。 ほんで新聞とってテレビ欄のとこ見たら、 全部字が鏡写しになっとんよ。 もう怖なってトイレに閉じ籠ったて泣きよった。 ほしたらそれ心配したおかんがトイレの前きてさ、 『大丈夫?具合悪いん?』て聞いてきたんよ。 俺は思たんよね。 家の感じとか字は変わっとるけど おとんはなんも変わってなかった。 てことは俺ら家族みんなが違う世界に来たんやないかって。 そう思って戸あけて 『大丈夫、なんともない』 って出ておかんの顔みたらさ、 頬にあるほくろの位置が逆になっとんよ。 慶太「そのとき確信したね。 俺だけが鏡の向こうの世界からきたんやって。 俺は鏡の向こうから引っ越してきた後、 おとんの仕事で引っ越してここにきた。 これが俺の秘密」 そこまで話すと慶太は俺たちをみた。 林「そ、その日はどうしたん?」 慶太「ずっと部屋にとじ込もってないとった」 兄「帰ることは試したんか?」 慶太「何度もやった。 鏡に『かえりたい』とか『もどりたい』とか書いたけど なんの意味もなかった」 田中「文字が鏡写しってことは、 俺らが今書きよる文字がお前の世界では鏡文字ってこと?」 慶太「そういうこと」 俺「慶太って○○のとこに越してきたんやろ? でもあそこって前から人住んでなかった?」 兄「あそこはずっと空き家やぞ? お前何言よんや。なぁ?」 兄貴のその問いかけに田中も林も頷く。 俺は納得することができなかったが、 このまま口論になって殴られるのが嫌だったので 黙ることにした。 その後も慶太への質問と帰る方法の話し合いは続いたが 午後六つの鐘が鳴ったので俺たちは帰ることにした。 次の日、 慶太一家が行方不明になった。 大人達は「夜逃げがー」とか言っていたが、 俺たち四人は『慶太は帰れたんだ!』とテンションが上がった。 先日、数年振りに兄貴と飲む機会があり 当時の思い出を語り合った。 俺「慶太の話ほんとやったんやろか」 兄「お前、まだあの話信じとんか。 あんなん作り話でうまいこと逃げようとしただけやん」 俺「でも、その次の日に慶太おらんなったやん。 つまりそういうことやろ」 兄「いやいや。 家族全員おらんなったやん。 もろ夜逃げやろ」 俺「ほうかぁ。 まぁ夜逃げってことにしとくわ」 兄にはそういったものの、 俺はずっと慶太は元の世界に帰ったのだと信じている。 なぜなら俺も鏡の向こうから来た人間だからだ。 鏡の中と実際とで違う時ってあるよね 前自宅の洗面所で顔洗ってて下向いてるから 鏡に顔が写るなんてことないはずなのに 洗濯機の様子見に来た母が鏡に写る私と目が合って 異様な光景に凍りついたということがあった 有名な恐怖動画で三面鏡で遊んでる女の子の顔が 一面だけありえない角度でこっち向いてる、 てのがあるけど ああいうの実はわりとあることなんじゃ?と思うね 実際は閉じてる扉が鏡の中では開いてるとか まだやさしいほうかと
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった32
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
Amazon無料でスグに読める本
お隣さんの騒音がすごい どこかの誰かの体験談マンガ
日本生まれのインド人、メタ・バラッツのスパイスカレーユニバース (インターネットオブスパイス)
転生してから40年。そろそろ、おじさんも恋がしたい。 二度目の人生はハーレムルート!? 1 (アース・スターコミックス)
パラドックスループ-うまくいかない私たち-
まいみ!
嘘つきな彼氏(推し)を懲らしめた話 1 ますまゆまんが!集
前の話:【洒落怖】黄色いくねくね
次の話:【洒落怖】因縁
怖い話 No.2491
【洒落怖】ウサギの耳
1544
51
中編3分
怖い話 No.22802
【洒落怖】夜中に受験勉強
722
26
短編1分
怖い話 No.9222
【洒落怖】魔が差す
999
38
短編2分
怖い話 No.7680
【洒落怖】かわいい幽霊
1555
29
2
怖い話 No.2458
【洒落怖】ホームで引っ張られる
1348
48
3
怖い話 No.9814
【洒落怖】大雪の夜に起こったこと
1389
50
怖い話 No.549
【洒落怖】赤いバイク
824
47
怖い話 No.1899
【洒落怖】怖がらせたつもりが
869
42
1
怖い話 No.23004
【洒落怖】かんのけ坂
朗読 くろさわ怪談朗読,あやかし狐の奇譚庵,OCCULT HITORI 怪談朗読ラジオ オカルトヒトリ
1925
41
長編11分
怖い話 No.20137
【洒落怖】目が離せなくなった湖
1729
31
中編4分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫