怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
葬儀中の電話
お気に入り
1223
30
0
中編4分
コピー
「葬儀中の電話」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
もう7、8年くらい前なんです。 従兄妹の祖母が亡くなられたので、 私はその家の手伝いに駆り出されました。 私とは関係の薄い、 いわゆる姻族の方です。 従兄妹の祖母とは、 おそらく会ったことはない。 もしかしたら2、3回話したことがあるかもしれない、 というような認識の方だったのですが、 従兄妹には世話になっていたので、 手伝いもやぶさかではありませんでした。 その家の従兄妹はこの字を起こしているとおり、 兄と妹で、どちらも私より年上でした。 私は葬式の日の朝、 従兄妹の家に電話をかけました。 「あ、姉ちゃん? 今から家出るから、待っててね」 電話に出たのは、 携帯電話の連絡先を交換している妹さんでした。 従兄妹の家には、 母と一緒に車で向かう予定だったので、 その中で連絡すればよかったと、 ぼんやり考えたことを思い出します。 母は私を従兄妹の家の前に下ろすと、 再び車を走らせました。 叔母と叔父は妹さんを一人おいて、 買出しに出かけていたので、 それに合流する予定だからです。 私は母が乗った車を見送ると、 物干し竿の横を抜けて、玄関前に立ちました。 中からは電話の音が聞こえます。 葬式の日ですし、 叔母も叔父も携帯電話が苦手だったので、 この家では携帯よりも固定電話が鳴ることのほうが多いのです。 私は従兄妹の家のドアに両手をかけました。 立て付けの悪い、木で出来た引き戸なので、 両手を使って持ち上げるようにしなければ、開かないのです。 はめ込まれたガラスが揺れて、 扉を開ける際にも何とも言えない音を立てます。 私は力がなく、 一度ここでナメクジに触れてしまったこともあったので、 この扉が大嫌いで、心底苦手でした。 力んで、ようやく扉を開くと、 従兄妹の妹さんの方が、 眉をひそめて、こちらを見ていました。 もしかしたら電話の邪魔をしてしまったのかもしれません。 あるいは私が突然扉を開けたので、 驚いているうちに電話に出損なったということも考えられます。 田舎の、昔ながらの長屋には呼び鈴もないので、 勝手知ったる従兄妹の家に、 親戚は何も言わずに扉を開くのが常です。 私もそれに倣っていたのですが、 流石に反省しました。 しかし、彼女は別に私に起こったわけではないようでした。 見るからに力が抜けたように、 「いらっしゃい」 と言ってくれたので安心します。 「電話誰だったの?」 私はコンビニで買ったオニギリを、 自分の分と彼女の分を出しながら尋ねました。 電話をかけた時に、 ついでに買ってくるように頼まれていたのです。 「……わかんない。 今の電話、番号出てなかったから」 「非通知?」 今時、相手の電話番号が出るという機能は珍しくありません。 むしろ番号が出ない方が異様で、 怪しいです。 とくに、 その頃は電話での犯罪や詐欺も増えている頃でした。 「いや……。 うち、非通知は来ないようにしてあるから」 「ふーん」 そんなこともできるのか、と感心しながらも、 私は従兄妹の家の電話の方に視線をやりました。 それからふと思い出して、 彼女にあることを勧めます。 「履歴見ればいいんじゃない?」 「だね」 彼女はすこし嫌そうでしたが、 一応電話番として留守番していたので、 電話に手を伸ばしました。 ボタンを押して、 着信履歴を調べます。 「あれ?」 「どしたの?」 いとこは一度受話器を取り、 それからもう一度ボタンを押しました。 「え?」 「姉ちゃん?」 それをもう一度、二度繰り返してから、 少し離れて嫌そうに顎をしゃくりました。 私は促されるままに、 電話の画面を覗き込みますが、 そこに映っていたのは、私の家の電話番号でした。 時間は30分ほど前で、 私が家を出る前にかけたものです。 「何?どしたの?」 「履歴押したら、それが出る」 私はおかしいと思い、 上下キーを押しました。 たしかに、履歴の一番最後は 私の家の電話番号になっています。 「……気のせいだったんじゃない?」 「いや、今なってたし。 あんたも聞いたでしょ」 そういえば電話は確かになっていたのです。 私が扉を開けようとして、 音を立てた時に、 途切れたように思います。 「え、今私が電話に出てたら、どうなってたの?」 私は何も言えず、 結局お互いに無言で買ってきたおにぎりを食べました。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった30
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
フォロワーさんの本当にあった怖い話
実際にあった怖い話 2024年11月号
2chまとめ 怖い話 短編集47話 2ch洒落怖
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)
ほんとにあった怖い話読者体験シリーズ 12日間の悪夢
前の話:【洒落怖】魅入られる
次の話:【洒落怖】一緒に見た幽霊
怖い話 No.9042
【洒落怖】京都祇園の神隠し
2889
46
長編5分
怖い話 No.22681
【洒落怖】睨めつけてくる
572
26
中編3分
怖い話 No.9191
【洒落怖】死書箱
1202
20
1
短編2分
怖い話 No.8114
【洒落怖】懐かしい重み
814
31
怖い話 No.17455
【洒落怖】風呂場に幽霊が出る
1485
47
短編1分
怖い話 No.7220
【洒落怖】姉妹揃って
2076
58
怖い話 No.841
【洒落怖】兵藤さん家
1844
49
怖い話 No.1377
【洒落怖】しがみつく少女
992
37
怖い話 No.7172
【洒落怖】ロジンサマ
2087
35
怖い話 No.9921
【洒落怖】黒板に書かれた文字
1574
44
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
カーラジオから聞こえてきた声
戦友の部屋で
袋叩き
ペイント
ばあちゃんの人形
呪いのエノキ人形
ラフレシアを求めて
読書家
拍子抜け