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濁った海
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高校二年生の今頃、 俺と友達が海で体験した出来事 この時期になると ちょっとずつ海開きするところが増えるけど、 俺たちがよく行ってた海はまだ人がほとんどいない。 そういう人がいない時期には、 友達三人、計四人でよく沖までボートを漕いでた。 四人で乗るとほぼいっぱいになってしまうボートに、 ジュースやお菓子、 自作の碇(太めのロープに大きな石をくくりつけたもの)を乗せて沖へ出てた。 人がいない時期にこんな遊びをしてたのも、 子供が真似をしたら危ない、ということだったが、 今考えると結構俺たちも危ない遊びをしてた。 遊びの内容は、 毎回少しずつ砂浜からの距離を伸ばして、 海中を探索するというもの。 晴れた日はほぼ毎日行ってたので、 「前はこの辺だったから、 今日はもう少し進もう」 みたいな軽い感じでボートを漕いでた。 場所が決まったら、 碇を下して海に飛び込む。 この時いつも誰か一人は ボートに残る約束をしていた。 その奇妙な出来事が起こった日 ボートに残ったのをAとして、 海で探索してたのはB、C、俺。 探索といっても、 碇からボートに伸びたロープを掴みながら海底にもぐって、 付近をウロウロするだけ。 水がきれいなので、 周りをよく見渡すことができた。 そして息が続かなくなって 海面に上がっての繰り返し。 今思うと あの元気なときだからできた遊びだった。 前置きが長くなったけど、 奇妙なことが起こったのは もう一度もぐった後の話 俺は足元になにかないかなーって下を向いてたら、 Bが肩を叩いた。 Bは沖のほうに指をさしてた。 意識して見てみると海が濁ってた。 いつもと違い、 その時はほんとになにも見えない状況だった。 BはCにもその異変を伝えて、 三人でなんだあれ?とおもしろがって見てた。 その直後、 「ああああああああああああああああぐううううううううあああううううううああああ」 と、 ものすごい音量で誰かが水中で叫ぶ声がした。 めちゃくちゃびっくりして、 BとCを見たけど二人とも驚いてる。 確かに人の声だったんで、 怖くなり急いであがろうとしたけど、 なんと金縛り。 三人ともロープを掴んだ状態で まったく動けなくなった。 でも不思議と苦しくなかった。 しばらくしたら、 また声が聞こえた。 「あああああああああ・・・・・・・くるしい」 水の中での声だったんで聞き取りにくかったけど、 「くるしい」だけはちゃんと聞き取れた。 その声の直後、 濁ってる海からスーーーっと女の子が出てきた。 水着を着てて、小学校高学年ぐらい。 泳ぐというよりも、 歩いて出てきたといったほうが正確で、 水中でできるような動きじゃなかった (説明がうまくできなくてすみません)。 こっちにゆっくり近づいてくるんだけど、 逃げることも顔を背けることもできなかった。 時々なにか言ってるんだけど、 聞き取れなかった。 そしてついに、 女の子がBの目の前に来て、 Bの腕を掴んだ。 その直後、 濁った海から黒い海水パンツをはいたおじさんがスッと現れた。 年齢は40代ぐらいだと思う。 おじさんもゆっくり俺たちの前にきて、 Bを掴む女の子の手をもってなにか言った。 これも聞き取れなかったんだけど、 女の子は手を放した。 二人でなにか会話していたが、 おじさんは女の子の手を持ち、 二人で濁った海のほうへ消えていった。 女の子は残念そうだった。 それと同時に体が軽くなり、 急いで海面に出た。 三人ともただ茫然としてたけど、 笑いながら 「お前らどんだけ息続くんだよ」 というAのおかげで、 現実に引き戻された。 Aにも事情を話し、 その日に花とビールとお菓子を 海岸の海を見渡せるところに置いておいた。 それ以降ボートで沖へ出るのはやめた。
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