怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
電話と訪問客
お気に入り
1318
49
0
中編4分
コピー
「電話と訪問客」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
友人が体験した話。 もう10年以上前の話だ。 高校生の頃、 友人A子が1人家で留守番をしていると、 家の電話が鳴った。 A子の家の電話は、 廊下に出て玄関のすぐ側にあり、 面倒臭いと思いつつも電話に出たそうだ。 「はい、○○です」 すると、受話器からは 「バイバイ」 と若い女の声がした。 まるで自動ガイダンスの声みたいに 独特なくぐもり方をした声だったそうだ。 しかし、その「バイバイ」の言い方は ガイダンスの様に淡々としている訳ではなく、 「バイバーイ♪」 と楽しそうな感じ。 本当に語尾に 「♪」マークが合っている様な喋り方だったらしい。 当然ながら不審に思って聞き返すA子。 「…どちら様ですか?」 「バイバーイ♪」 「あの…」 「バイバーイ♪」 「ちょっと!やめてよ!」 「バイバーイ♪」 こんな調子で全然埒が明かない。 すぐ切れば良かったのだろうが、 A子にはその電話の主にちょっとした心当たりがあった。 当時付き合っていた彼の元カノが同じ学校で、 会う度にしつこく「別れろ」と言って来ていたのだ。 これもその嫌がらせの一環なのだろうとA子は判断し、 電話を切らずにこちらの言い分をぶちまけた。 「あのさーB(彼)も迷惑してんだよ」 「バイバーイ♪」 「こんな事しても私達別れないから」 「バイバーイ♪」 「嫌われるだけだって分かんないの?」 「バイバーイ♪」 本気でイライラし始めた矢先、呼び鈴が鳴った。 ピンポーン すぐ脇が玄関だから、 目をそちらにやると、 すりガラスに女性らしきシルエットが浮かび上がっている。 「はーい」 返事をして、 不毛な電話は切ってしまった。 「少々お待ちくださーい」 と、A子は、 ガラス戸をガタガタ震わせながら、 昔ならではのねじ式の鍵をグルグル回した。 すると、 その最中に女のシルエットが遠のく。 「あ!ちょっと、今開けますから!」 古い家なので、 建てつけの悪さも手伝って 鍵を開けるのには時間が掛かった。 訪問客は焦れて踵を返した様だった。 このままでは、 留守番を怠ったと家の者に怒られてしまう。 A子はようやく開いた扉をサンダル履きで飛び出し、 辺りを見回す。 坂道を下る銀ねず色の着物姿の女性が目に映った。 「待ってください!!」 A子も続いて坂道を下る。 そのすぐに、 背後でもの凄い音がした。 1tトラックがA子の家の玄関に激突し、 横転したのだ。 A子は叫び声を上げ、 パニック状態。 もはや訪問客どころの騒ぎではなかった。 トラックの運転手の命に別条はなかったそうだが、 玄関に激突したトラックは 廊下数メートルまで横転して滑っている。 もしA子があのまま電話を続けていたならば、 きっと無事では済まなかっただろう。 A子の家は、 有名なスキー場のある山の裾野付近にあって、 カーブが連続で続く坂道に建っている。 少し上に登れば、 ホテルや旅館が多く立ち並んでいるので、 大きなトラックや送迎バスが行き来する道だ。 しかし、こんな事故は 近隣でも初めてという話だった。 この事故は新聞にも載った。 というか載っていたのを見た覚えがある。 当時は知り合いでも何でもなかったが、 同じ市に住んでいるので 地方版では扱いがデカかった。 事件が落ち着いてから、 電話の件が気になり、 A子は彼の元カノを問い詰めてみたそうだが きっぱりと否定された。 (ごまかしている感じではなかったらしい) 結局あの不可解な電話の主も分からず。 そして訪問客の正体も不明のままだ。 そもそも、A子は何故、 訪問客の用件も素性も訊けぬまま、 すぐに扉を開けねばと焦ってしまったのか。 本人も上手く説明できないと言う。 A子は、 幼い頃に母親を亡くしているので、 「その時の訪問客は もしかしたらお母さんじゃないの? A子を助けてくれたんじゃないのかな」 そんな自分の想像に、 A子は苦笑しながら 「分からない」 そう答え、 「だったら嬉しいけど」 と付け足した。 しかし、 アルバムの中のA子の母親が 着物を着ている写真は1枚も無いし、 形見にもその様な品は残されていない。 父にも祖父母に訊いても 普段から着物を着る人ではなかったと言われたそうだ。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった49
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
本当にあった怖い話: −コマラセラレタ (あん堂)
5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)
「超」怖い話 癸 (竹書房怪談文庫)
実際にあった怖い話 2024年9月号
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
前の話:【洒落怖】飛び降り多数
次の話:【洒落怖】凄惨な姿
怖い話 No.9815
【洒落怖】包丁で餅を
1171
48
短編1分
怖い話 No.14525
【洒落怖】人の手
1286
23
短編2分
怖い話 No.1505
【洒落怖】怖い顔
1256
34
1
怖い話 No.1873
【洒落怖】心理的瑕疵物件
1715
30
怖い話 No.2339
【洒落怖】呪いのわら人形の発祥地
1800
42
怖い話 No.22666
【洒落怖】霊殺し
1098
21
長編5分
怖い話 No.14670
【洒落怖】隣のお爺さん
1618
60
怖い話 No.9116
【洒落怖】帰省での出来事
1583
36
怖い話 No.8086
【洒落怖】怪談話の検証
1906
22
長編8分
怖い話 No.2252
【洒落怖】本の蟲
1799
29
中編3分
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー