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久しぶりの登場
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俺の唯一の心霊体験? 俺自身は単にリアルな夢だったと思ってるんだけど、 良かったら読んでくれ。 幼稚園から小学生の間、 マンションに住んでた。 リビングにはラッセン?のイルカだかなんだかの絵のポスターが 額に入れらてれ壁に掛けられてた。 その裏にはお札みたいなものが貼ってあったんだが、 幼稚園の頃からあったので特に疑問を感じていなかった。 中学1年の頃に、 このマンションから15分くらいのところにある 一軒家に引越しをした。 俺が心霊体験にあったのは、 高校2年の夏だったと思う。 夜の7時頃、 俺は自分の部屋のベッドで仰向けになって ケータイをいじっていた。 少しすると眠気が襲ってきて、 いつの間にかケータイを握りしめたまま、 うたた寝してた。 うたた寝独特の感覚ってあるよね。 上手くは言えないけど、 自分が寝ているのに意識があるような、 それでいて心地良いような。 「あー、俺今寝てるなー」 って感じだったんだが、 何かが聴こえて来るのに気が付いた。 俺は目を閉じたまま 何が聴こえて来るのか考えた。 良く聴くとそれが人間の話し声であると分かったのだが、 声が小さすぎるせいで内容はおろか、 声の主の男女の区別もつかなかった。 どこから聞こえるのだろうと考えていると、 ケータイを握りしめていることを思い出した。 「きっと寝ているうちに 無意識でかかってきた電話を取っちゃったんだな」 なんて眠気で回らない頭で考えている間も ケータイからはボソボソと話し声が聞こえる。 俺は激しい眠気に襲われつつも 電話に出ようとした。 仰向けの体勢で目を閉じたまま、 ケータイを耳の方へ近づけると ボソボソ喋る声は大きくなった。 そしてかなり長い時間をかけてやっとのことで、 ケータイを耳にあてた。 『!!!!!!!!!!!!』 何と言っていたのか分からないけど、 ケータイから女の叫び声?が聴こえた。 耳から聴こえたと言うより、 頭に直接叩き込まれた感覚に近かったと思う。 それを聞いた瞬間に、 電気を流されたような衝撃を受けて、 俺の意志とは無関係に閉じていた目が開いた。 俺の目に映ったのは ベッドに仰向けになっている俺の腹の上に、 膝をついて跨がる女だった。 長い黒髪で白い服(たぶんワンピース)を着た、 まさに貞子って感じのやつ。 これが普通の女の子だったら嬉しいんだが、 そんなんじゃない、マジで恐い。 顔に髪が被さって人相は分からないけど、 とにかく気味が悪かった。 ここで気が付いたんだが 体が言うことを聞かない。 目も閉じれないので 目の前の光景を見るしかなかった。 長い髪は顔の前に垂れてて人相は分からなかったけど、 睨まれてる感覚があった。 少しすると、 突然胸に激痛が走った。 女がすごい力で 俺の脇腹より少し上の辺りを圧迫してきた。 5本の指が胸を圧迫する感覚は驚く程にリアルで 痛みよりもそっちの方が気味悪かった。 圧迫する力はどんどん増していき、 正直体が潰れるかと思った。 俺は抵抗出来ないまま女を見続け、 圧迫に耐えることしか出来なかった。 どれくらいの時間が経ったのか分からないけど、 突然目の前から女が消えた (消えた瞬間は記憶にないけど)。 ただ意識がはっきりとした時には 既に女は消えていた。 体が動くようになると反射的にケータイを投げた。 (そのあと直ぐに拾って、眠いから寝たww) あの体験が妙にリアルだったのは 蛍光灯の明かりのせいかも知れない。 あの時はうたた寝ということもあって、 部屋の電気はつけたままだったんだ。 あの女に襲われてる時も 蛍光灯はしっかりと俺たちを照らしてた。 幽霊のようなモノは暗闇で現れると 勝手に決め付けていただけなんだけどさ。 翌日は確か日曜日だったと思う。 家族に笑い話として前夜の体験を話した。 「お前のとこにも出たんか」 と親父が笑いながらそう言った。 父の話を聞いてみると どうやらあいつが出たのは 俺が初めてでは無かったらしい。 俺が幼稚園に上がる前のマンションに住み始めた頃に、 白い服の女がよく親父の枕元に現れては 布団の周りをぐるぐる歩きまわってたらしい。 ここで冒頭のポスター裏のお札に話が戻るんだが、 それが原因で親父は寺だかなんだかで お札を数枚貰ってきて家具やポスターの裏に貼っていたとのこと。 それ以来ずっと出てなかったらしいんだが、 どういう訳か俺のところに出たという感じ。 その後は全く出てこないし、 個人的には夢だったと信じてる。
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