怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
引っ越しの夜
お気に入り
1877
31
0
中編4分
コピー
「引っ越しの夜」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
親父が若かった頃、 就職が決まり新築のアパートを借りたらしい。 バイトしていた材木店のトラックを借り、 今まで住んでいたボロアパートから後輩に頼んで引越しをした。 特に大きい物は無かったので 荷解きはそんなに時間はかからなかった。 後輩は部屋についた頃から顔が真っ青で あきらかに体調が悪そうだったので バイト代数千円を握らせその日は帰したそうな。 その夜、 引越しの疲れで早々と床についたのだが、 深夜にボソボソ・・・と 何か語りかけてくるような声を聞き目が覚めた。 親父が一番早く引越しをして 他の部屋にはまだ誰も住んでおらず、 隣人の声では無かった。 電気を付け、 外を見渡しても静かな深夜の住宅街。 酔っ払いも歩いてはいなかった。 気のせいにして再び床につくと 寝入り始めた頃にまたボソボソ・・・・と声がする。 家鳴りとか風の音が、 人の話している音に聞こえるに違いない。 そう思おうとしたが やはり「建物の中」で誰かが話しているようだった。 もしや間抜けな泥棒が隣の空室に忍び込んだのか? と壁に耳をあて聞き耳をたてる。 何も聞こえない。 人の気配はない。 明日も早いし気のせいだ、寝よう、 と思った矢先反対の耳からボソボソ・・・と声が聞こえた。 振り返るも当然誰もいない。 イライラしてきた親父は 原因を突き止めようと両隣の部屋、 上階、全ての部屋をノックして回ったそうだ。 結果、やはり親父以外はまだ越してきていない。 引越しの疲れだと思い 部屋に戻るととんでもない光景が目に入った。 キッチンの排水から白い手が伸びている。 今まさにそこから這い出ようとせんばかりに。 思わず叫びそうになり 逃げ出しそうになったがグッと堪える。 目を凝らして見ていると、 何かを探しているような手付きで パタパタとキッチンを這い回り、 暫らくするとスーっと排水口に飲まれていった。 体中汗が噴出したが、 ここで逃げたら俺の負け(確かに親父はそう言った)と思い、 キッチンの蛇口を開き水を思い切り流したそうだ。 当然、細い配水管に人なんか入っている訳もなく、 何の異常もなく流れる排水。 シンク下の収納も開けてみたがもちろん誰もいない。 これは幽霊。 見間違えでは無いし、 特有の嫌な感じもした。 子供の頃から嫌なモノは見たし、 怖い思いも何度もした。 逃げるのもいいが、それでいいのか? 敷金礼金は返って来るのか? これは立ち向かわなければならない現実じゃないか? そう考えた親父。 わが父ながら頼もしい。 おもむろに排水口に顔を寄せ 「二度と出てくるな! テメー俺が死んだら追っかけまわすぞ!!」 深夜にも関わらず思い切り怒鳴ったらしい。 排水口に向かって。 気が済んだ親父は バカらしくなって布団に入ったそうだ。 命までは取られない、 幽霊ごときに殺される訳がない。 その後、何事も無く朝を迎え、 材木店にトラックを返しに行くと 後輩が昨日と同じく真っ青な顔して、 何か言いたげにしていた。 理由を聞くと、こうだ。 部屋に入った瞬間、 物凄く嫌な感じがして、 その方向を見るとキッチンから白い手が生えていたとの事。 時々変なのを見るけど、 あんなに気持ち悪いのは初めてだった。 折角の新居でそんなモンを見たと言ったら 気を悪くするだろうから言えませんでした。 それから親父の脅しが効いたのか 何事も無かったそうだけど、 2年くらいで転勤となり部屋を出ることになった。 最後の日、 部屋から出ようとすると背後に妙な気配が。 あー。また出たか・・・憑いてくるなよ、 と思いつつ怖いもの見たさで振り向くと 例の白い手が、排水口の所から手を振っていたそうです。 シュールな光景ですが、 親父も手を振り返したそうな・・・。 さすがに最後のこれは作りだと思いましたが、 親父ならやりかねないので余談までに書き留めておきます。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった31
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
憑きそい (扶桑社コミックス)
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
禍話 SNSで伝播する令和怪談
変な家: 1 (HOWLコミックス)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定カラーイラスト収録&電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集
前の話:【洒落怖】老婆の夢
次の話:【洒落怖】盛り塩の効果
怖い話 No.2439
【洒落怖】呪いの依頼
1479
26
短編2分
怖い話 No.1397
【洒落怖】最後部の車両
1341
28
怖い話 No.17847
【洒落怖】厨房
696
37
怖い話 No.270
【洒落怖】ナースコール
1702
32
2
怖い話 No.8345
【洒落怖】二度乗り
680
29
短編1分
怖い話 No.21325
【洒落怖】女性の綺麗な足
1131
25
怖い話 No.9621
【洒落怖】神霊蛇
2132
44
怖い話 No.10328
【洒落怖】犬と右側
1438
怖い話 No.7724
【洒落怖】美人先生が行方不明になったそうです
1400
41
1
怖い話 No.2682
【洒落怖】目印
1291
45
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー