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黒い何か
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仲の良い友人&幼なじみ4人で、 2月後半に滋賀県の琵琶湖へ行った。 高校生活も終わり地方に行くヤツ、就職するヤツ、進学するヤツと それぞれが違う道に進み、なかなか会えなくなるだろうという事で 思い出作りに、自転車で行ってみようという事になった。 出発日、集合場所に着くと 2人は既に来ていて、私合わせて3人 後一人。 Dが待っても来なかった。 その当時ポケベルが普及していた程度で、 携帯電話なんて普及しておらず 公衆電話からDの家へ電話した。 Dが出た。 私「どうしたん?みんなもう集まってるよ?」 D「今日、行かれへんわ」 その時のDの声は消え入りそうな声だった。 まさに病人ぽい。 実はその日私も少し風邪気味で、 微熱での参加だったが、 二度とこんな事は出来ないだろうという思いから、 ちょっとムリをしたのを覚えています。 私は心配そうにこっちを見ている2人に 「今日、調子悪いって、どうする?声がしんどそう」 と言うと、2人は明らかに嫌な顔をしたが、 Dは置いていこうという事に。 Dに 「まあ、ゆっくり休んでくれ」 と電話を切った。 若干出鼻を挫かれた感じがしたが、 気を取り直し琵琶湖へ出発した。 国道1号線をひたすら京都方面へ走り、 昼過ぎに大阪を出発したのが 夕方には京都に入っていた。 国道を逸れ山越えすれば滋賀県だった。 慣れない事をしているのでかなり疲れてしまい、 山道を自転車を押して歩く結果にw 前からロードバイクの自転車が走ってきた。 4~5台とすれ違った時 あれ?と違和感を感じた。 先頭を行くSが私に 「今の人メチャDに似てたなw」 と笑って言いました。 私が感じた違和感はそれか、と思った。 私「Dやったらメチャ笑けるよなw 調子悪いって言って絶好調な走りやったやんw」 すると、Sは不思議そうな顔をして 「え?走る?座ってた人やで?」 私は 「そんな人いた?俺見てへんわ」 疲れて自転車を押し坂を上る時、 確かに下ばっかり見ていたのだが、 人とすれ違ったら大きな道でもないのに、 いくら何でも気付くはず。 からかわれていると思った私は 「ウソつけ!そんなヤツ居らんかったわwなあ?」 と最後尾のFに問いかけた。 返事が無い。 Fは10mくらい後方でへたり込んでいた。 私は大丈夫かー?と言いながら Fの方に近づいて行った。 Fは顔面蒼白で、 心ここにあらずという感じだった。 どうしたん?と問いかける私にFは 「お前さっきの見んかったん?Dがおった」 私「ああ、何か似た人が座ってたってSも言ってたけど.. 俺は見てないねんけどな」 F「俺もあれ?と思って何となく近寄って行ったら、急にサッて消えた」 私「えぇ?消えた?」 心配になって下って来たSが 「なあ、ここに座ってたやんな?」 とFに問いかける 何度もうなづくFが、 その時壊れたおもちゃみたいで何か嫌だった。 元々山の中なので暗かったが、 空が曇り出し、しかも夜になりかけていたので とにかく、この山を越えようという事で、 再び3人は動き出した。 無事山越えを果たし、 麓のコンビニからDの家へ電話をかける。 さっきの一件でDに何かあったのかも知れないと、 Fがしきりに言い出したからだ。 電話には誰も出なかった。 Dは病院にでも行っているのだろうという結論に達し また、1~2時間後に電話するという事にした。 琵琶湖の湖畔を3人で走る。 もうすっかり夜になっており、 運悪く雨が降って来た。 今は亡きお化けホテルも取り壊される前で、 フェンスの向こうに怪しく佇む建物を 3人はある意味感動して、眺めた。 雨で視界が悪く、寒く、 体力もかなり奪われた状態で休憩場所を探した。 辺りは漁村?のような雰囲気で、 公民館的な場所を探しても無かった。 仕方なく、 もう少し走ってみようという事になり、 走り出した。 気がつけば大きい道(国道)を走っていたつもりが どんどん細い道になった。 右手には琵琶湖が見える。 街灯も無い真っ暗な道を 3人は無言でひたすら走った。 トンネルを通った。 明かりは全くない。 20~30mのトンネルなので あまり必要ないのだろう。 トンネルに入った途端 先頭のSが急ブレーキで停車した。 それに続き2人は停車。 私「どうしたん?」 S「何かわからんけど、誰かが飛び出して来た。黒いの」 3人で周りを見渡す。 誰もいない両脇はトンネルの壁。 道幅は車が普通にすれ違う程度なので そんなに広くはない。 私「何も無いよ。疲れてるから目の錯覚だって、行くぞ」 そこからは私が先頭を走ることに。 トンネルを抜け もう一つ同じようなトンネルに差し掛かった瞬間 右側を黒い何かが通ったように思えた。 構わず走った。 トンネルを抜けると更に道は狭くなった。 右手に琵琶湖が見える。 ガードレールの向こうは草が生い茂って真っ暗だ。 突然、草むらがガサガサガサガサー! 揺れたというか、動いた。 何だか怖くなってスピードを上げた。 ガサガサは追いかけて来た。 というか並走している。 風よりももっとはっきりした何かが並走している。 私は何が何だかわからなくなり、 とにかく逃げることしか頭に無かった。 グッとスピードを更に上げようとした瞬間。 前からものすごいスピードで、 光が向かって来た。 ヤバい!と思った。 ふと体が軽くなって、音が無くなった。 気がつくと、自転車をこいでいる。 前方に誰かの姿が見えた。 だんだん近づくにつれて、 そいつが道の真ん中までゆっくり動き、 両手を広げて立った。 丁度、ハグするような感じか、 子供がとおせんぼするときのポーズだ。 気持ちでは「退け!」と思ったが足が勝手に止まり、 手がブレーキを握った。 顔は解らなかったが、 Dだとわかっていた。 私は来た道を引き返す事にした。 ここで記憶が終わっていた。 気がつくと私は病院にいた。 目だけで周りを見ると、誰もいない。 ドラマのように両親、兄弟が見守る中でというのは あんまり無いんだなと、後で思った。 かなりの時間が経って、 両親と姉が来た。 その後、FとSも来た、泣いていた。 みんなが帰った後、 Dが一人でやって来た。 お互い一言も発さず (私は顎が砕けてたので話せませんでしたが) ずっと、その空間に居た。 Dが帰った。というか消えた。 私は謎のガサガサ後、 車に跳ねられてしまいました。 医者的には、 助かる確率はものすごく低かったらしいです。 Dは出発前に私が電話したタイミングでは、 既に亡くなっており 電話に出たのは誰ぞ?という疑問もあります。 あまり書くとアレですが 死因は癲癇発作が引き起こした、 落車からの轢死で、頭部の損傷が酷かったようです。 私たちとの待ち合わせ場所に向かう途中の事でした。 ちなみに、ガサガサ時SとFは 後ろから私を見ていたのですが、 黒い大きな影が草むらから私に被って来て、 その瞬間車と接触したとの事。 Dが連れて行こうとしたという噂も立ちましたが、 私は決してそうでは無いと思ってます。 夢かどうかわかりませんが、 とおせんぼしていたDらしき人は、 よくよく考えるとこっちには来るなという事だったのだと、 勝手に理解しています。 無事退院後、 真っ先にDの家に線香をあげに行った時、 玄関開けた瞬間、Dが後ろ向きで座ってて、 シャレにならない程驚いた。 お、お、お、おお母サン!Dが!と言うと、 Dのおばさんは 「あんたからも、早う成仏しいやって、言ったって」 と言われた。 帰りに私の靴がいくら探しても見つからず、 Dの靴を借りて帰った。 そういえば昔は良く靴の隠し合いしたなーと思った。 まあ、おばさんが隠してたらそれはそれで怖いんだけども。
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