怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
井戸を埋める儀式
お気に入り
2559
52
0
中編3分
コピー
「井戸を埋める儀式」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
東京のS区に住んでいたんだけど、私の近所からわずかにN区に入ったところに小さな商店街があった。 そこの商店街にはその昔、長屋があって、井戸が使われないまま放置されていたんだ。その長屋を壊した際に、その井戸を埋めたんだけど、そのために不吉な噂が流れた。 いや、実のところ、この噂は、最初の事件の発生以後に聞いたものかもしれない。なにぶん、小さい頃の話なので、時間に基づく順序が少しあいまいなんだ。 そうそう、最初の事件。これは悪魔的というか、確かに、迷信じみた噂を喚起するに足るものだと思う。 その長屋を壊した後に、和菓子屋がそこにできた。できる予定だったというべきかもしれない。 和菓子屋は開店せずして閉店してしまったんだ。どういうことかというと、和菓子屋の主人は開店当日の早朝に亡くなってしまったんだ。 ガス中毒死と聞いているけれど、脳卒中とも聞いたことがある。本当の死因は知らないけれど、多くの人はガス中毒死だと考えている。 ガス中毒死だと言う人によれば、和菓子を作る際にガス器具を使うのだけれど、何らかの理由でガス漏れが発生し、死んでしまったそうだ。現在では都市ガスで死ぬことはないと聞いているけれど、和菓子屋の主人が和菓子づくりに都市ガスを使用していたかどうかは分からない。 ともかくも、突然に店主が死に、経営が断念されたことは確かだった。夫婦で始めようとしていた店で、和菓子職人の主人がなくなってしまったので、奥さんは、開店をあきらめたのだと思う。 結局、一度も商品を売ることなく、店は閉じたままとなった。ところで、井戸の噂だけれど、少なくとも、その事件の後には確実に広まっていた。 特に、商店街の商店経営者は気にしていたらしい。店を始めようとしていた商店街の新入りが、まさに開店直前になくなったのだから、当然、気持ちが悪い。 それに、悪い噂が商売に悪影響を及ぼしかねないと思う。さて、どういう噂かと言うと、井戸に対して何の儀式もしなかったからよくないことが起こるというものだった。 詳しくは知らないのだけれど、井戸を埋める際には、そこに竹の管を刺すことがあるらしい。そうしないと、井戸の中の何者か閉じ込められて怒るのだということだ。 ある人は、神様というし、ある人は精霊というので、何が井戸にいるのかということについては、人によって違うようだった。土地の持ち主はそういった話しを迷信視して、そのための儀式をしなかったそうだ。 和菓子屋の急死事件が起こった頃には、迷信を信じる人の多くは、災いはその長屋があった土地だけにもたらされると信じていたと思う。しかし、商店街の複数の店で不幸が続いた。 最も劇的だったのは、その土地の斜め向かいにあったクリーニング屋の店主の事件。灯油をかぶって、自分の体に火をつけて死んでしまった。 その後には、隣の電気屋のおばさんが喘息の発作で死亡。そんなふうに不幸が続いて、この商店街は井戸に呪われていると噂された。 その後、井戸のあった土地には何度か商売を始めようとする人が入ったけれど、すぐに出て行ってしまった。そのうちの一回は自殺が原因だと聞いているけれど、確かめていないので、本当かどうかはわからない。 井戸のあった土地の出入りが激しかったのは確かだ。和菓子屋の事件以後、商店街の規模はしだいに小さくなり、商店街そのものがなくなってしまった。 これは井戸とは何の関係もないかもしれないけれど、井戸の話しとセットで話されることがよくあった。その後、井戸のあった土地は再度更地にされ、ずっと売地のままだった。 見た目、30坪程度の土地だったけれど、随分経ってから、その土地は2つに分けられ、小さな家が2つ建った。土地を二分したとたんに、なぜか買い手はすぐに決まったそうだ。 どうなるものかと近所の興味を惹いたんだけど、私の知る限り、そこに建てられた家は、それ以降空き家になったことはない。 何のオチもなくて申し訳ないけれど、その土地にまつわる不幸の始終をリアルタイムに聞いていた私には、洒落にならないほど怖い思い出だ。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった52
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
本当にあった怖い話: −コマラセラレタ (あん堂)
5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)
「超」怖い話 癸 (竹書房怪談文庫)
実際にあった怖い話 2024年9月号
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
前の話:【洒落怖】邪視
次の話:【洒落怖】夜中に遊ぶ女の子
怖い話 No.2240
【洒落怖】明け方の出来事
朗読 めたんの怖い話紹介ch
1206
44
短編2分
怖い話 No.10153
【洒落怖】青白い幼女
1164
36
怖い話 No.358
【洒落怖】指紋
1428
39
1
短編1分
怖い話 No.14611
【洒落怖】白い人達
1226
38
長編5分
怖い話 No.21518
【洒落怖】霊が見える父親
1182
18
怖い話 No.8927
【洒落怖】悪霊食い
1455
59
怖い話 No.17985
【洒落怖】ウチの所有する山の祠
1712
21
怖い話 No.7968
【洒落怖】白いスカート
1021
34
怖い話 No.7557
【洒落怖】深夜に子供
1755
51
怖い話 No.1053
【洒落怖】私メリーさん・・・
1672
40
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー