怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
得体の知れないもの
お気に入り
1404
51
0
中編4分
コピー
「得体の知れないもの」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
今から10年ほど前の話です。 当時僕は、僕のオカルトとバイクの師匠だったOさんと一緒に、週末になると秩父やら多摩やらを走り回っていました。といっても膝に空き缶をくっつけて峠を攻める系のバイク乗りではなくて、むしろ林道に分け入っていって、人気のない林道の道端で煙草をふかすとか、火をおこして小キャンプみたいなことをするというスタイルのバイク乗りでした。 おいらん淵にも、正丸峠にも行きました。ある日、Oさんが、いい所に連れて行ってやると言います。 喜んで走っていくと、林道の中に「私有地・立ち入り禁止」の柵がありました。「この先は立正佼成会だかどっかの宗教団体の持ち山なんだけど、いい林道になってて楽しいんだよ」そう言って、柵を道端にどかして、僕たちはバイクを進めました。 しばらく林道のダートっぷりを楽しんでいたときでした。いきなり道の左側が開けてきました。 そこに湖と呼ぶには小さな、池のようなものがありました。「なあ、これ、自然の池だよなあ?」「そうですよね、コンクリとか全然見えないし。 でもなんか変…」「ああ!」Oさんが何かに気づいたようで、大声を上げました。「お前よく見ろ!この池って、ほぼ真円じゃないか?これって…隕石かなにかが落ちてできた、クレーターじゃないの?」そうでした。 違和感の原因はそこにあったのです。「そっか…」そういわれて良く見ると、水面が綺麗な円を描いています。 「うわーこれって本物ですかね…いやぁこんなものがこんなところにあるとは…」そうしてしばらく池のほとりにバイクを止めて、まわりを見ていると、僕は妙なものに気づいてしまいました。その池の反対側に小道が続いていて、そこになぜか真新しいしめ縄が張ってあるのです。 「……Oさん、あれなんか嫌だなぁ。ここやばくないですか?」ふと見ると、Oさんが笑顔で凍り付いています。 霊感のあるOさんが、やばいものを感じているときにする表情です。「お前もそう思う?宗教団体の人が来るとまずいし、Uターンして、この林道から早く出た方がいいなぁ」ちょっと間延びした口調でOさんはそう言うと、エンジンをかけて一目散に、もと来た方向へと走り出しました。 「ちょっと待ってくださいよ!」僕も慌てて走り出しました。「まずいなぁ」舗装された道に出て、自販機で買った缶ジュースを飲みながら、Oさんがいいました。 「悪い、マジで悪いんだけど、付いて来ちゃってるわ。お前の後ろにいる」「え~!」もう僕はガクブルです。 「なんかなぁ。人間(の霊)じゃない気がするなぁ」「動物霊?」「いや、そういうんでなくて、もっと高次っていうか、神様系みたいな?ちょっとタチ悪いかも…あれ、出てこないようにするしめ縄だと思うんだよ。 だけど道のこっち側にはなかっただろ、だから来ちゃったんじゃないかな…帰り気つけろよ。あと、ミラーに何が映っても、ビビんないで走れ。 ビビらせて事故らせる気かもしれないから」そういうと、Oさんは再びバイクに乗って走り出しました。僕は事故らないように注意して走りましたが、そんな事言われたせいもあって体が固くなったのか、カーブで滑ってリアを路肩に落とし、立ちゴケしてしまいました。 Oさんは笑って、「ビビるなって言ってんじゃんかよ~」「いやビビったわけじゃないっすよ!何もミラーにみえなかったし」そう言ってひん曲がったミラーを直し、再び走り出したその時です。ミラーに、なにか黒いもやのようなものが映っていたのです。 それは走る僕の背中に、ぴったりとくっついていました。僕は霊とかほとんど見えない人間だったので、恐怖よりも、「ああこれがOさんの言っていた、付いてきたモノなのかなぁ」という好奇心の方が強かったのを覚えています。 なんかそこに排気ガスが溜って色が濃くなっているような、そんな感じのもや。そのもやはずっと付いてきました。 トンネルを通った時にはちょっと大きくなったような気もしましたが、とりあえず付いてきているだけで、後ろの視界もききますし、別に危ないことはない様子でした。空は夕暮れ、だいぶ暗くなってきましたが、本格的に夜になる前に市街地に戻ることができたので、僕はもうかなり安心していました。 信号待ちで車列の一番前まですり抜け、信号が青に変わると同時にスタートダッシュをかけました。その直後、ゴンと音がして、気が付くと僕はバイクごと路肩に転がっていました。 体中が痺れ、そして猛烈な痛みが襲ってきました。信号はまだ、青になっていなかったのです。 黄色の信号で交差点に突っ込んできた軽自動車の横っ腹に、僕は赤信号を無視して突っ込んでいったのでした。なぜそんな見間違えをしたのか…確かに信号は青に変わった後だった。 でも一部始終を後ろで見ていたOさんによると、「お前の後ろの奴が、ぶわって広がってお前を包んでた。そしたら赤なのに、クラッチつないで飛び出してったから、あーあ、やられたなって思ったよ…」幸い、そんなにスピードが出てなかったこともあって、打撲で済みました。 警察を呼んで、保険屋に連絡して…後ろのもやはいつの間にか消えていました。あれ以来、ツーリングにはお守りを欠かさず持っていってます。 また、なるべく夕方、逢魔が刻以前にバイクから降りられるようなツーリングスケジュールを組むようにしています。やばそうな場所には、もちろん行きません。 でも、最近あの黒いもやを、街中でよく見かけるのです。ふとすれ違う見知らぬ人の背中についているのです。 最近あの池でなにかあったのでしょうか。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった51
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
心霊スポットの漫喫でバイトしてた話 パチ美のWeb漫画まとめ
心霊探偵八雲4 完全版 守るべき想い 心霊探偵八雲 完全版 (講談社文庫)
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている (角川文庫)
新 心霊探偵八雲 赤眼の呪縛
恐怖の心霊実験★幽霊ホテルに泊まる★縁起の悪いこと、ぜんぶやる★深夜の有名心霊スポット巡り 恐怖の心霊実験―――どんな不幸が訪れるのか? (鉄人文庫)
【心霊&絶叫】身近にひそむ恐怖体験~チャールズ後藤編~ (1) (本当にあった笑える話)
前の話:【洒落怖】壁のシミ
次の話:【洒落怖】湯船から・・
怖い話 No.1072
【洒落怖】こんなに呼んでるのに
1289
18
短編1分
怖い話 No.7787
【洒落怖】気配り
1121
31
短編2分
怖い話 No.22540
【洒落怖】耳元で声がする
821
9
中編3分
怖い話 No.9628
【洒落怖】大きな木を切ってはいけない
1848
39
1
怖い話 No.2439
【洒落怖】呪いの依頼
1542
27
怖い話 No.1354
【洒落怖】廃病院の悪夢
2464
48
怖い話 No.1374
【洒落怖】本当の壁
823
29
怖い話 No.9276
【洒落怖】青い毛布を被った怪しい男
1094
50
怖い話 No.8473
【洒落怖】謎の石
1373
47
怖い話 No.14790
【洒落怖】風呂場のドア
1388
23
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
お父さんはお母さんを人間扱いしてくれないの!
手を引っ張るモノ
裏S区?
(´・ω・`)
邪視
真夜中の花嫁
もうお一人様乗れる余裕が御座いますが、いかが致しますか?
長い髪の毛
腕章の少年