怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
山口さん
お気に入り
1585
44
0
中編3分
コピー
「山口さん」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
以前住んでいたアパートで、 土曜日の夕暮れ時に居間でまったりしていると、 不意にインターフォンのチャイムがなったので受話器を取る。 俺「はい」 訪問者『山口さんのお宅ですか?』 俺「いえ、違います」 その後、詫びの言葉もなくそのまま切れたので、 何だよコイツと思って、居間へ戻ろうとしたら再びチャイム。 俺「はい」 訪問者『山口さんのお宅ですか?』 俺「いや、だから、違いますって。どちらさんですか?」 最初の訪問者と明らかに同じ声だった。 そこはかとなく陰鬱な女性の声。 話し方も切り方も最初の時とまったく同じだった。 表札はドアの前に出してある、フルネームで…。 しかし、俺は明らかに山口さんでは無い。 それどころか、名前が一文字もかすっていない。 そして間をおかずに3度目のチャイムがなったので、 今度は受話器を取らずに直接玄関口へ行って覗き窓を覗いたのだが、 見えるはずの相手の姿がまったく見えなかった。 不審に思って、チェーンのみ残し鍵をはずしてドアを開けてみたのだが、 見える範囲には誰もいなかった。 ピンポン・ダッシュかよ!とムカついてドアを閉め、 背を向けた瞬間にチャイムが鳴る。 そこで背筋がゾッとした。 すぐに振り向いて覗き窓から見ても、誰の姿もそこには見えない。 そんな馬鹿なと思ってチェーンも外してドアを開け、 慌てて外の様子を直接目で確認する。 ドアの後ろ側の死角の部分も見てみたのだが、やはり誰もいない。 アパートの外は長い廊下になっていて、隠れる場所なんて無いのにだ。 呆然と玄関口で突っ立っていると、 突然「どうして開けてくれないの?」という、 地獄の底から響くような恨めしい声が背後から聞こえてきた。 その時の背後というのは、俺の部屋の中の方向なのだが、 怖くてまったく振り向くことなんてできなかった。 何しろ俺は、自分が出られる最小限のスペースしかドアを開けず、 上半身だけすり抜けるように外へ乗り出していて、 下半身はまだ玄関の中にあったのだ。 その声を聞いた瞬間飛び上がって、サンダルのまま外へ飛び出し、 近くのコンビニに駆け込んだ。 震える手でズボンのポケットから携帯電話を取り出し、 不動産屋に電話をかける。 俺「ヤ、ヤマモト・ハイツ101号室の今野ですけど、不審人物が…、 不審人物が僕の部屋に入ってきちゃったんです」 不動産屋『………。あの、警察に連絡されたほうが良くないですか?』 俺「いや、そ、その、なんていうか…。人じゃないというか…」 不動産屋『あっ!少々お待ちください。今、社長と代わります』 不動産屋で対応してくれた女性は、 俺の煮え切らない言葉から何かを察したようで、 すぐに社長と代わってくれた。 その後、社長と話をしたのだが、 どうやら俺のアパートには以前から時々、 そういう妙な訪問者が訪れることがあったらしい。 ここ最近はずっとその被害に遭った人がいなかったので、 もう大丈夫だと思っていたらしいのだが…。 ちなみに以前『山口さん』という男性が、 確かにこのアパートに住んでいたらしいのだが、 ある時を境に家賃が滞るようになり、 連絡も取れなくなったので部屋を調べてみたら、 荷物もそのままに行方不明になっていたらしい。 その人が住んでいたのは、 俺の部屋とは違う部屋ということだったのだが、 それからしばらくして、 『山口さん』を訪ねてくる奇妙な訪問者が度々現れるようになったとのこと。 結局それ以降は、特にその訪問者が訪れてくることはなかったのだが、 いつまた来るかと思うと夜一人で居るのが耐えられなくなり、 そのアパートを早々に引き払って引っ越してしまった。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった44
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
ひっそりと話題になってる心霊系の本
心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている (角川文庫)
となりの怪異談 (3) ~日常に潜む心霊ばなし~ (本当にあった笑える話)
不動清の心霊物件ファイル 合冊版 (素敵なロマンス)
絶対に行ってはいけない!最恐 心霊スポット大全
心霊探偵八雲1 完全版 赤い瞳は知っている 心霊探偵八雲 完全版 (講談社文庫)
心霊浄化師 神楽京 恐怖の地下屋敷
前の話:【じわ怖】柔道の練習中
次の話:【じわ怖】ブログのコメント
怖い話 No.5598
【じわ怖】大阪の某環状道路を車で走っていた
1444
26
短編1分
怖い話 No.18420
【じわ怖】お祖父さん
989
22
短編2分
怖い話 No.12153
【じわ怖】櫛のなくなる部屋
朗読 もいわ君の怖い話・怪談朗読チャンネル
1399
45
1
長編6分
怖い話 No.12030
【じわ怖】男の子を出産
1125
52
怖い話 No.13780
【じわ怖】高2の夏の空手合宿
1283
48
怖い話 No.21844
【じわ怖】憑かれたのは誰か
756
24
怖い話 No.4842
【じわ怖】足が遅かった
1480
29
怖い話 No.4248
【じわ怖】父さんが布団に入ってきた
1635
50
怖い話 No.4708
【じわ怖】何かのヌシ
1641
46
怖い話 No.12160
【じわ怖】現れたもの
1559
38
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着じわ怖
S奈のお父さん
カーナビの示した位置
ベランダに女の影
国産うなぎ
マンションの屋上
占い師
窓に立つ男
幽霊の正体
自殺頭痛
友達からの葉書
医学は万能じゃない
嫁の日記を読んだ
新着コメント
保母さんが妊娠
熟女体験談逆周り
電気つけずに台所でバナナ食ってた
卒業式後の日曜日
苦労を支えあった義母との思い出
冒険生活送ってた
ジョージアの謎
コンビニの外にいた男