怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
霊なんて見えないし話せないです
お気に入り
1937
37
0
中編4分
コピー
「霊なんて見えないし話せないです」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
幽霊を直接見たわけじゃないので全然怖くないかもしれないけど。 それでも割と最近の出来事で、今でもこの事で悩んでます。私はオカルト板をしょっちゅう出入りするほどのオカルト好きで、高校でもオカルト研究会なんて妖しげなものに入会するぐらいでした。 それでそこにとても可愛い後輩がいました。その子は背中まで伸ばしたストレートの黒髪をしていて、初めて見た時はまるで日本人形のようなんて思ったぐらいでした。 肌も白くて綺麗で同性から見ても食べちゃいたいと思うぐらい可愛い子です。そんなわけだから会の皆が彼女を密かに狙ってました。 でも彼女はいつもどこか冷めていて、会に顔を出してはいてもいつも後の方でニコニコと相槌を打っているばかりで積極的に輪の中に入ってきませんでした。だから会の中に彼女と仲良しになった者は誰もいませんでした。 私はいつもそれをちょっと残念と思っていました。そんなある日の事、私が街で買い物をしている時に偶然、彼女を見かけたんです。 彼女は建物と建物の狭い路地裏の入り口辺りに立っていて誰かと喋っているようでした。彼女はとても楽しそうでした。 (もしかして彼氏かな?)と思って、彼氏だったらちょっと悔しいし、私は日頃から彼女に少なからず好意を持っていたので声をかけてみようと彼女に近づきました。声をかけてみようと彼女に近づくにつれ、私は異常に気がつきました。 彼女は誰もいない虚空に向かって話していたのです。それもひとりごとではなくまるで誰かと会話をしているように。 私はそれに気づいた瞬間、(あ、もしかして危ない人?)と思いました。普通の人だったらここで彼女は気違いなんだろうと思い敬遠する所でしょうが私は引き下がらなかったのです。 思えばこれが最初の間違いだったのかもしれません。誰もいない路地裏、虚空に向かって話す少女。 オカルトかぶれの私はこのシチュエーションを見てピンと来てしまったんです。(もしかして、彼女は霊と喋っているのかも?)そしてあろう事か、私はこれは彼女と仲良くなれるチャンスかも、なんて思ってしまったんです。 私は意を決して彼女に話しかけました。「○○ちゃん、その人だーれ?」その時の私はどうかしていたんでしょう。 私は彼女が話しかけていると思われるモノがさも見えているかのような芝居をしたんです。彼女は一瞬ひどく怯えたようにこちらを振り向き、しばらく何か悩んだ後、やがて私にこう言いました。 「先輩も、この人が見えるんですか?」と。それから後、私達はしばらく談笑しました。 彼女は人が変わったように明るく話をしてくれました。私も嬉しくなって彼女の話を聞きました。 彼女が小さい頃から霊と話ができた事、誰も信じてくれなかった事、一度両親に精神病院に入れられそうになった事、そして自分と同じ能力を持った私に会えてすごく嬉しい等々。もちろん私にそんな能力なんてありません。 霊なんて見えないし話せないです。全部嘘っぱちです。 話のつじつまを合わせるために私は「自分は霊を見る事はできるけど話す事はできない」とさらに嘘を重ねました。そして彼女はそれを信じ込んでしまいました。 その日から彼女は私にかなり懐くようになりました。研究会の人達も急に私達が仲良くなったのを見て驚きました。 私はそれで優越感を感じて気分が良くなり、彼女の言った事を一つも信じてはいなかったけど、そんな事どうでも良くなっていました。ただ、彼女は私に気になる事を言ってきたんです。 「その人、先輩の事とっても気に入ったって言ってますよ」「えっ?その人って?」「ほら、先輩の隣にいる人。あれからずっと一緒にいますね」もちろん私の隣には誰もいません。 私は彼女が霊の事を言っているんだとわかりました。「あ…ああ、これね。 そうそう、なんだか好かれちゃったみたいで」私はまた霊が見えているかのような嘘をつきました。すると彼女はニッコリと笑って、「良かった。 フフフ、でもそんなにピッタリとくっついてるとまるでとり憑かれてるみたい」と言いました。私はその時初めて背筋がゾーっとしました。 それからほどなくして私は体調を崩しました。しかも一向に治る気配は無く、日に日に私は痩せ衰えていきました。 あまりにもタイミングが良くて、もしかしたらあの時の霊のせいかもしれないと思い始めていました。だんだん学校も休みがちになってしまって、その日もベッドで寝ていました。 そうしたら件の後輩の子が私のお見舞いに来てくれたのです。私は彼女の優しさに耐え切れなくなって、いままで嘘をついていた事を告白しました。 私が霊が見えるなんていうのは全部嘘だと聞いた彼女は、「えっ、嘘…だって…それじゃあ……」と言い、顔面蒼白になりながらうわ言のように呟きました。「手遅れですよ、もう……」それから彼女は研究会を辞め、たまに私とすれ違っても目も合わせてくれません。 私は今でも病気がちのままです。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった37
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま注目されてる怖い話
フォロワーさんの本当にあった怖い話 : 2 (アクションコミックス)
本当にあった怖い話: −コマラセラレタ (あん堂)
5分で読める! 誰かに話したくなる怖いはなし (宝島社文庫)
「超」怖い話 癸 (竹書房怪談文庫)
実際にあった怖い話 2024年9月号
ちょっと怖い話1 フォロワーさんのひとこと体験談
前の話:【洒落怖】子供の足音
次の話:【洒落怖】当時はコロコロコミック全盛期
怖い話 No.17739
【洒落怖】違うの違うの
1547
20
短編2分
怖い話 No.10026
【洒落怖】猫と子供と老婆
2219
25
2
長編7分
怖い話 No.22341
【洒落怖】死人を占う
983
16
1
長編5分
怖い話 No.21480
【洒落怖】眠り稲
1080
44
怖い話 No.14847
【洒落怖】オッサンが消えた
1480
短編1分
怖い話 No.9312
【洒落怖】家に血まみれの女
1463
43
怖い話 No.22774
【洒落怖】インドネシアの家
823
9
怖い話 No.9792
【洒落怖】玄関が2つ
1772
50
怖い話 No.9170
【洒落怖】ペットの墓参り
1447
29
中編3分
怖い話 No.22994
【洒落怖】エレベータの故障
781
8
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
切り裂き魔
夜中に服を着替えさせられた
偽コトリバコ
5分間の留守電
神様に貰ったチャンス
キャベツの千切り
一年に一度村を無人化
夢じゃないよー