怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
アパートの窓から
お気に入り
1532
33
0
中編3分
コピー
「アパートの窓から」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
俺が大学生のころ、四谷の近くで一人暮らししてたときのこと。 その日、なんとなくだるかった俺は大学を一時間目で切り上げて家に帰って早く寝よう、とマターリ自転車で帰っていた。そのとき、俺は安い貧乏アパートみたいなのに住んでたんだけど、はじめて見たときから、空気がよどんでいるというか、天気のいい日でも薄暗い、そこだけ違う空間のようなアパートだと思った。 でも、親からの仕送りもない貧乏学生だった俺は、贅沢も言えないので、家賃の安いそこに住んでいた。そんで、ちょっと熱っぽさもあったものの、途中コンビニで昼飯を買って、家に帰ってねっころがっていた。 その日も、いつものとおり部屋が薄暗く、隣りにビルがあるわけでもないのに日光があんまり入ってこないような、全体的にどんよりとした部屋で、座布団を枕にしてぼ~っとしてたらピンポーンと俺の部屋のチャイムがなった。「どうせ勧誘とかセールスとかだろ。 」と思った俺は、出るのもめんどくさいので居留守を使った。ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、まるで俺が家にいるのを知っているかのように鳴り続けた。 「大家さんかな?」と思った俺は、ドアのレンズから外を見てみた。しかし、誰もいない。 「やっと、あきらめて行ったか。」そう思って再びねっころがっていたら、今度は電話が。 トゥルルルルルル、トゥルルルルル、トゥルルルルル、電話は近くにあったのですぐに出た。「はい、もしもし。 」しかし相手は無言だったので、すぐに切った。「なんだよ、いたずらかよ・・・。 」でも、そのときはさっきのチャイムのこともあってなんとなく薄気味が悪かった。もう、なにがあってもでないからな。 と思ったおれは薄い毛布をかぶって寝ることにした。俺の住んでたアパートの前は、車もあまり通らない静かな道で、テレビも何もつけないと、部屋のなかはし~んとしていた。 チッチッチッチッ・・・と時計の音が聞こえるぐらいだった。けれど、その日はなぜかいつも聞こえるはずの時計の音がしない。 まったくの無音状態で、隣りの部屋のテレビの音もなにもきこえない。今、この時間に、このアパートには俺しかいないような、なんだかすこし怖くなってきたときだった。 コン、コン、コン、コン、と、今度は俺の部屋の窓ガラスをだれかが叩く音がした。さっきの勧誘の人に、俺が部屋にいるのがばれたのかな。 そう思って、窓の方を見ようとしたとき、ふと気がついた。「あれ、俺の部屋って二階じゃん・・・。 」そのことに気がついたら、一気に全身の鳥肌が立った。そのアパートには、窓に小さなベランダがあるものの、人がよじ登ってそこに入ることは考えられない。 でも、誰かがベランダにいる、絶対にいる。コン、コン、コン、コン、誰かがずっと俺の部屋の窓を叩いている。 もう俺は怖くて、怖くて、勘弁して下さいって感じで、そのまま寝てるフリをして毛布にくるまってかたまっていた。でも、俺はもっと重大なことに気がついた。 「あ!窓の鍵をあけっぱなしだ・・・。」俺はいつも家にいるときは窓を開けて部屋の空気を入れ替えて、そのあと窓の鍵は、夜寝る前になってからしめる、ということをしていた。 ガラガラガラッ!誰かが窓を開けて、部屋に入ってきた。俺は窓を背にしてただひたすら寝てるフリをしていた。 っていうか、もうそうするしかなかった。絶対に振り向いてはいけない気がしたから。 ミシッ、ミシッ、ミシッと、その誰かが、俺のほうにゆっくりと歩いてくる。そしてゆっくりと、俺をまたいでいった。 そのとき、俺は怖いながらも少し目を開けてしまった。目の前には、見開いた大きい目玉が二つ、こっちを見ていた。 そこで俺は気を失ってしまった。夜になって目覚めたとき、部屋の窓があきっぱなしになっていた。 気絶する直前に見てしまった、あの目玉のことを再び思い出したら、俺は全身の震えがとまんなくなって、急いで友達の家に行った。その後、その友達の家に一週間ぐらい泊まらしてもらい、もっと人通りの多い道のマンションに引っ越した。 あのときの、あのことは今でもなんなのかわからないけれど、なるべく考えないようにしている。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった33
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
いま話題のホラー漫画
サユリ 完全版 (バーズコミックス スペシャル)
憑きそい (扶桑社コミックス)
禍話 弐 SNSで伝播する令和怪談
N 1 (電撃コミックスNEXT)
ゾゾゾ変 (1) 【電子限定おまけ付き】 (バーズコミックス)
僕が死ぬだけの百物語(1) (サンデーうぇぶりコミックス)
前の話:【洒落怖】おかしくなった友人
次の話:【洒落怖】ハンバーガー
怖い話 No.20942
【洒落怖】見えないやつ
1058
18
短編1分
怖い話 No.14731
【洒落怖】スクリューに異物
1806
46
怖い話 No.10191
【洒落怖】友人の相談
朗読 りょりょの怪談チャンネル【作業用かいだん朗読】
1504
51
1
長編6分
怖い話 No.9131
【洒落怖】玉虫の厨子
1588
41
中編4分
怖い話 No.2646
【洒落怖】引っ越し先の怪異
1381
32
短編2分
怖い話 No.631
【洒落怖】キューピッド
1451
28
怖い話 No.18183
【洒落怖】言いたい事があったらこれに吹きこんでくれ
1951
52
怖い話 No.7399
【洒落怖】ある地方の伝説
1303
38
怖い話 No.1385
【洒落怖】隙間
1011
20
怖い話 No.21386
【洒落怖】キャッチ
819
24
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
消えた彼女
でんわ
でんでん
着信7百回の男
戦中の魔物
オヤジ殺し
笑う女の夢
はいじま駅
団地での新聞配達