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一喝
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大学時代、俺は友人二人を連れて心霊スポット荒らしをしていた。 いわゆる肝試しのようなものではなく、(もちろん普通の肝試しの要素も含んでいるが)曰くつきの場所に行っては飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをやり、他のグループがいればドライアイスや挽肉などの小道具を使い、そいつらを脅かして反応を楽しむ、というものだった。(片付けはちゃんとしてたよ)女もおらず金もなく、あるのは時間と若さだけという俺達にとって、心霊スポット荒らしは絶好の暇つぶしだった。 しかし、そんなことをしていれば当然いくらか霊体験をする。今日は数あるエピソードの内の一つを書き込もうと思う。 状況を明確に伝えるために、多少脚色された芝居がかった台詞や説明くさい台詞が出てくるが、基本的には全て現実に起こったことである。大学二年の夏休み、俺達はS県にある「出る」という噂の廃屋で宴会をする計画を立てた。 そこは、「住んでいた家族が一家心中した」とか「強盗に一家全員惨殺された」とか「狂った父親が家族全員を殺して食った」などという胡散臭い噂のある場所で、幽霊の目撃例もかなり多かった。ど田舎で辺りは緑に囲まれており、騒ぎまくっても問題ないだろう。 幽霊が見れたら万々歳だ。というのがそこに行くことを決めた理由だった。 俺のアパートから1時間ほど車を飛ばしてついたその家は何処にでもあるような2階建ての家だったが、四方を森に囲まれていたためか、はたまた草木も眠る丑三つ時だったためか、何が出てもおかしくないようなおぞましさを醸し出していた。地元ではそれなりに有名なスポットなのだがその日は自分達以外に人はおらず、「派手に騒げるな」などと笑いながら俺達三人は割れた窓から中に侵入した。 家の中は想像していたよりずっと綺麗だったが、真夏であるにも関わらずひんやりと肌寒く、それでいて夏特有のじめっとした湿気の不快感を感じた。「こりゃ期待できるんじゃないか?」と、背の高いYがニヤリと笑う。 「廃墟ってのは大抵馬鹿どもの溜まり場になってぼろぼろに荒らされるもんだが、ここは綺麗なままだろ?多分みんな荒らす前に逃げ帰ったんだぜ」周囲をきょろきょろと見回しながらYが続ける。「いや、溜まり場にするには市街から遠すぎるだけなんじゃないか?」と、茶髪のAが反論する。 「どっちでもいいよ、それよりさっさと全部見て回って飲もうぜ」俺はそう言いながら懐中電灯の灯りを点し、先頭に立って動き出した。俺達が侵入した場所は一階のダイニングで、それからぐるりと回るように風呂場、トイレ、仏間(座敷)、居間、階段、寝室、子供部屋、と一通り家の中を見て回ったが何も出ない。 (こりゃはずれか)と思い、宴会をするために一番広かった居間に入ろうとドアに手をかけたとき、猛烈な悪寒が走った。全身を冷や汗が流れ、一瞬で気温が10度も下がったように感じ、本能がそのドアを開くことを拒んでいるようだった。 だが、「どうした?早く開けろって」とのAの言葉に押され、そのドアを開け放った。居間の中央には一人の幼い男の子が座っていた。 (こんな時間にこんな場所に、こんな小さな子が一人で?さっきはいなかったのに?)この世のものでないことは明らかだった。男の子は固まっている俺達を見るとニッコリと笑い、笑顔のままゆっくりと近づいてきた。 だが、その近づき方も尋常じゃない。一歩こちらに近づくたび、男の子の身体は崩れていくのだ。 皮膚が破れ、血がしたたり、肉がえぐれ、内臓が飛び出て、それでも笑顔を崩さずにこちらに近づいてくる。私はというと完全に身体が硬直してしまい、指一本動かせないような状態だった。 (金縛りだったのかも)そんな中、今にも発狂しそうだった私を押しどけ、Aが前に進み出た。そして「ぬるい!出直せ!!」幽霊を一喝した。 突如怒鳴られた男の子は笑顔を崩し、悲しいような困ったような顔をして消えていった。そこでようやく身体が動くようになった私は脱兎のごとく廃屋の出口目指して駆け出したがYに阻まれ、結局そこで宴会をやり一晩明かすことになった。 「すごかったな、もう一回出ないかな」と笑うY「もっとグロいのもってこいや!」と叫ぶするAこいつらはきっとどこかおかしいのだろう。ちなみにこの後はもう出なかった。 余談だが、Aは「スナッフビデオを見ながらステーキを食える」と公言するような馬鹿者である。きっとグロさが足らず不満だったのだろう。
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