怖い話登録数18393話
恐怖感アップダークモード
(0件)
▼コンテンツには広告が含まれています
✕
アブさん
お気に入り
976
16
1
0
中編4分
コピー
「アブさん」の朗読動画を探しています。YouTubeでこの話の朗読動画を見つけたらぜひ投稿していってください。
※YouTubeのURL必須
開始時間
00時間00分00秒
投稿する
異様な体験の思い出を書き込んでみる。 俺は○教大学出身なんだけど、 そこにマリ出身のアブさんってニックネームの、 アフリカ人留学生がいた。 当時大学3年だった俺は、 ジェンベっていう太鼓のサークルのメンバーで、 新入生の勧誘やってたら、いきなり黒人が 「やりたい」って来てんだよ。 話し聞いたら留学生で、 名前がアブディラだかアブドゥルだかって言うから、 俺らサークル仲間はアブさんって呼んでた。 ジェンベが凄く巧くて、 しかも24歳でサークルの現役メンバーじゃ一番年上だったから、 自然と俺らから一目置かれて、さん付けになるって感じだった。 それで、事が起こったのは夏のある夜だった。 サークルメンバーの一人で、 同じ3年のNから突然、 『4年になったら就活で会う機会無くなるから、 今夜、みんなでアライさん家いかね?』 という電話が来た。 たしか7時頃だった。 俺は、 「アライって誰だよ。 え?心霊スポット?肝試しすんの?いいよ。 アブさんは誘ってない? じゃあ俺が電話するわ」 みたいな受け答えしてた。 俺は心霊スポットで アブさんがどう反応するか見てみたかったので、 即電話した。 「もしもし、○○だけど。 アブさん俺らと今から遊び、行くのオーケー?」 『えー、レポートやるよ! でもいいよ。行く、ドコか?』 「ゴーストハウス! あー、メゾン・ド・ファントム?」 『それ怖いの所か。 遊び違うよ。嫌だよ。私忙しいよ』 「いや、アブさん必要!アブさん絶対行く!」 俺が必死に誘うと、 アブさんもしぶしぶ行くことにした。 俺らはNの車に乗ってアライさん家に行った。 結局、集まったメンバーは、 Nと俺とアブさんと、 3年のK、2年のIの、5人の男だけだった。 アブさんが 「みんなジェンベ持って来て」 って言うので、 俺らは各自のジェンベを持ってきた。 でも、アブさん自身はジェンベじゃなく、 なにか小汚い布の包みを持っていた。 みんながアブさんに、 「心霊スポットで演奏会するのか?」 って聞いたら、 アブさんは、 「違う。ファントム危ないよ、遠くにやるよ」 って言った。 よくわからんが、 幽霊が怖いから除霊するらしい。 その後、 アブさんが自分の計画を話してくれたんだけど、 それがかなり奇妙な計画だった。 まず、アブさんは近くの森に一人で入り、 俺らは廃墟の前でジェンベを叩く。 すると森から男が出てくる。 この男はアブさんじゃなくて、 『ントモ』というエスプリ(精霊)らしい。 だから、一見アブさんのように見えても、 アブさんじゃなく『ントモ』と呼ばないといけないらしい。 それで、 その精霊が幽霊を追い払ってまた森に帰るまで、 俺らはジェンベを叩き続ける。 これがアブさんの計画だった。 アブさんはイスラム教徒で、 酒も豚肉もやらない奴だったから、 俺たちは 「アブさん、あんたイスラム教徒なのに 何で精霊が出て来るんだよ」 って突っ込んだが、 アブさんいわく、 自分はマリのバマナ部族の出身で、 父がヨーロッパ人観光客向けビジネスで成功したが、 本来はシャーマンの家系で、 現地の秘密のサークルの正式メンバーでもあるから大丈夫だとか、 そういう余計訳のわからん説明で返されてしまった。 とにかくアブさんが森に入って、 俺たちがジェンベを叩きまくってしばらくすると、 森からなんか異様な奴が出てきた。 そいつは、 クシを逆さまにして目鼻を付けたような仮面を被り、 テーブルクロスくらいある小汚い布を、 頭の上からすっぽり被って体を覆い隠していた。 そいつが体を大きく左右にくねくね揺すりながら、 俺らの方に近づいて来たので、 俺らは 「ントモだー!」 「ントモが来た!」 「ントモー!」 とか叫びながら、 ジェンベを叩き続けた。 ントモは家の前に来ると、 相変わらず左右にくねくねしながら、 ヘタな日本語で、 「私ントモだよ!ントモ怒てるよ! あなたたち死んだの人! ここいるダメよ!悪いのことよ!」 と、幽霊に怒りをぶちまけた。 すると今度は、 急にさっき出てきた森のほうを見て、 「行くよ、あなたたち! ントモといしょに死んだの人たくさんの所帰るだよ! ントモといしょに帰るよ!」 と言い出し、 森に向かってくねくね歩いて消えていった。 俺らはジェンベを叩くのを止め、 不安になりながらアブさんが戻るのを待っていた。 森の茂みがガサガサし、 小汚い布の包みを持ったアブさんがちゃんと出てきて、 「もう大丈夫よ! ここいたの死んだの人たち、ントモといしょに帰ったよ」 とか言ったので、 俺たちはほっとした。 その後、みんなでアライさん家の探検をしたが、 あんなのを見せられた後のせいか、 なんだか気の抜けたコーラを飲んでるような気分だった。
怖い話を読んでいると霊が寄ってくる?不安な方はこちらがおすすめ
1人が登録しています
感想や考察があればぜひコメントで教えてください ↓コメントする
この話は怖かったですか?
怖かった16
次はこちらの話なんていかがですか
続きを読む
※既読の話はオレンジ色の下線が灰色に変わります
漫画売れ筋
私の日常。
Get Backers 奪還屋【極!単行本シリーズ】1巻
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 13 (ドラゴンコミックスエイジ)
BLUE GIANT MOMENTUM(3) (ビッグコミックススペシャル)
ぼっち・ざ・ろっく! 7巻 (まんがタイムKRコミックス)
ドカ食いダイスキ! もちづきさん 1 (ヤングアニマルコミックス)
前の話:【洒落怖】顔が見える
次の話:【洒落怖】魚の夢
怖い話 No.496
【洒落怖】丑の刻参り
1515
31
短編2分
怖い話 No.10028
【洒落怖】猫の物音
1684
42
怖い話 No.20224
【洒落怖】隣の家の老夫婦
1903
51
中編3分
怖い話 No.50
【洒落怖】ピアノの音
2079
47
怖い話 No.9975
【洒落怖】波照間島
3874
34
2
怖い話 No.8641
【洒落怖】自殺志願者
1414
38
長編7分
怖い話 No.2616
【洒落怖】夢の話
961
43
怖い話 No.693
【洒落怖】ホテルの窓から
1820
48
怖い話 No.8254
【洒落怖】トライアングル
1153
怖い話 No.2287
【洒落怖】恨みの本
1921
21
心霊サイト運営者
全国心霊マップ
ghostmap
プロフィール
Twitter
新着洒落怖
留守番電話
舞台学科による演劇
分譲現場
謎の会話
たけのこ掘り
かんのけ坂
4階のベランダから落ちた友人
林間学校で登山
自転車に乗っている夢
雄別炭鉱
運動会?
坪の内
新着コメント
どうか呪わないで。 空き巣より
逆吸血鬼と存在しない町
一年に一度村を無人化
普通の彼女じゃない
あんた死ぬよ
降って沸いた心霊現象
好奇心
タヌキ
赤猫